オリジナルなりきり掲示板

Re: マジックシティ(参加者募集中) ( No.37 )
日時: 2018/01/18 21:47
名前: 宝治  ◆wpAuSLRmwo (ID: fQkNQwJA)

>>32
>「私立探偵を営んでいるものだが、そこにいる貴方も異世界から来たのか?
 俺もどうやら異世界から来たらしい。殺す気はないから姿を現しては
 くれないだろうか。ああ、心配なら縛ってもいいぞ。」
ぽっかり空いた暗がりに彼の機械音が反響する。そして。
一階奥、階段付近でうひゃあ、という間の抜けた叫び声、間髪いれずにドスン、メキ!バリバリ・・・という破壊音がセットになって廃屋に鳴り響いた。
「た、助けてくれぇ~~」
もしあなたが声のする方へ向かうというなら、そこには女の幽霊・・・――とは似ても似つかぬ五十絡みのでっぷりした親爺が、床に出来た穴に挟まっていることが分かる。
彼は私立探偵氏の突然の一声に驚いて飛び上がり、しりもちをついたようだ。
なんともしがたいほど鈍くさいようで、しりもちの衝撃で腐った床が抜けてしまい、進退窮まる状態となっている。
「だ、誰だあ!?いきなりでけえ声を出すんじゃねーよ!こんなところで何してんだよ全くよ~。ったくドジ踏んだぜ、これじゃ動けん・・・・・・」

【話の進行上、やむなくNPC出してしまいました汗】

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時と場所は少し変わって、ここは廃墟の一室。
サラが街中から寝床へ戻った時点で、空の色は夕闇から漆黒へと移り変わろうとしていた。
パンを食べ終えたサラは飢えが満たされたことを喜んだが、それもつかの間のことである。次に彼女の頭を悩ますものは、「寒さ」と「痛み」。
ぼろ布をきつく体に巻きつけ、スプリングの飛び出たベッドに這い上がって体を縮める。埃が煙のように立ち上がった。
震えが止まらない。寒い、寒い、寒い。
これは単に気温の問題だけでは無い。意識的に無視してきた事実と直面しなければならない時がとうとう来たようだ。
――パンを手に入れて寝床へ帰る道すがらサラは怪我を負っていた。草鞋の鼻緒が切れてしまい仕方がなく素足で地面を歩いたことが原因である。
怪我の程度を確認するのが恐ろしくて今までは見てみぬふりをしていたのだけれど・・・・・・、
(ええい、ままよ!)
思い切って、自分の両足裏を覗き込んだ。そして小さく息を飲み込み、自分の不遇さに思わず涙ぐむ。
血まみれ、だった。小石やガラスの欠片を踏み、柔らかな皮膚は深く切り裂かれていた。
おそらくサラが足を引きずるようにして歩いた路地を注意して眺めれば、血痕が廃屋まで点々と続いていることが分かるだろう。
栄養不足による貧血状態、外傷による出血。体温維持機能を失いかけた体はとりわけ寒さに敏感になり、震えを止めることが出来ない。
(寒い、痛い。でも寝てしまえば少しの間は忘れられます・・・・・・)
甘美なまどろみは死への誘いにも等しく、サラは抗うことなくまぶたを閉じようとした。
その時だった。
ドスン、メキ!バリバリ・・・
突如、階下で轟音が鳴り響いた。ついに来たのだ。不法入国者を捕まえようとする憲兵が!
サラは最後の気力で眠気を振り払う。物を壊す音の前には男性の声も聞こえた気がする。
(隠れなければ。兵隊さんは気まぐれだ。最悪この場で殺されてしまいます!)