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- Re: 【SF・ファンタジー】蒸気の国は世界の終点【募集中】 ( No.32 )
- 日時: 2018/03/08 18:19
- 名前: トースト (ID: TFLBhktw)
【ロウェル・スミス/城下町】
城下町には様々な人、店がある。自分の店と言えばあともう少しで貧民街かそうではないかの丁度其の境目、ぎりぎり城下町の区域に入って居るものの、陽の目は余り当たらない、ひっそりと佇んで居る小さな煉瓦造りの店ーー其れが俺と妹の店。
人は余り来ないし、常連だって存在しない。経営は傾いていくばかりで生きるのも精一杯になって居る。丁度今現在そんなところだ。両親が空賊に殺されてから、ずっと此の調子。貧民街に比べれば豊かな生活は出来てるかも知れないけど、其れでも城下町の一般市民と比べれば自分と妹の生活は、正直言って下の下だ。だから俺は、毎日働く。余り働きたがらない妹の為にも、俺が頑張らなきゃいけないのだ。
「あらロウェル君!お早う、今日も仕事かい?」
声のした方へ顔を向ければ、其処には何時もお世話になっているおばさんの顔があり、ニコニコ笑い乍ら俺を見て居る。俺は其れに応える様にぱぁっと顔を明るくし「はいっ!今日も頑張ります!」と言い、其の後二三言雑談をした。ひとしきり話し終えると軽く挨拶をし、おばさんと別れる。此れも日常、想定内だ。___と、此処で想定内では無いことが…。自分の店の周りに、珍しく人集りが…。
「……ぇ…なに、此れ…」
現状に頭がついていけず、振り絞った様な細い声が洩れた。未だ脳がフリーズして居る。否、脳自体が考えることを拒否してる……と言った方が正しいだろうか?
すると不意に、誰かしら…野次馬の声が聞こえた。
「あら、あれは誰の店?空賊にでも荒らされたのかしら」
「あれはスミス双子の店だよ。可哀想に、空賊に荒らされるなんて……運が無かったんだね」
其れを聞いて、俺は自分の店の前で、膝から崩れ落ちた。
「あ、ぁぁ、あ、どう、して…っ…」
情けない声が洩れた。知ったことか。俺は今、其れ以上に取り乱して居るんだ。
____________空賊に店を荒らされた。
………嗚呼、矢っ張り神様は…俺達に理不尽だ。
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