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Re: 【SF・ファンタジー】蒸気の国は世界の終点【募集中】 ( No.35 )
日時: 2018/03/08 23:56
名前: 流星のように (ID: pWP11oLr)


【ロノロ・フラム/貧民街ーの何処か】

「おいおい、勘弁してくれよ」

貧民街の道端で大柄な男性と対峙するロノロ。
陽気が差し込んだゆったりとした朝の街に反して、辺りは物々しい雰囲気に包まれている。
男性の財布を掏り、壮絶な逃亡劇を繰り広げたのが、昨日のこと。そして因縁の二人は此処で、再び邂逅した。

さて、どうしたもんか。

昨日の二の舞になり兼ねないこの状況。逃げ果せる自信はあるが、此奴と鬼ごっこはもう御免だ。ありえない。

「運命感じちゃうよ、お兄さん。そんなに返して欲しいなら・・・」

ズボンのポケットから男性の財布を取り出すと、勢い良く振り被る。そう、すべてはふかふかのベットのため。

「くれてやるよ」

そう云うと、男性の後方に財布を放り投げる。これは囮だ。
ロノロは反転して、地面を蹴る。

ぐえっ。

がっしりと首根っこを掴まれ、離れられない。
恐る恐る振り返ると、恐ろしい形相で男性が此方を睨んでいる。そして丸太のような腕が振り上げられ、拳が握られていた。

一拍。

「あー、ごめんごめん。つい出来心d」

一閃。
男性の右ストレートはロノロの顔面を容赦なく襲い、衝撃で体ごと吹き飛ぶ。
いつのまにかぱらぱらと集まった野次馬が軽く悲鳴を上げ、ロノロは地面に垂れ込んだ。

その後、馬乗りの状態で殴打に次ぐ殴打(怒りの鉄槌)を受け、意識が遠く。そしてボロ雑巾のように路地裏に放り捨てられるのだった。_____



「傷っ」

仰向けで大の字になるロノロ。放心状態で空を仰ぐ。
ああ、厄日だ。間違いない。顔面がすこぶる痛い。死んじゃう、死んじゃu。
しかしその割には、ロノロの顔に大きな痣などは無く、至って軽傷であった。ゆらりと立ち上がり、ずるずると壁を伝いながら、路地裏を歩く。
クソ、クソッ。あの野郎、顔を思い出すと無性に殴りたくなってきた。

ふと、心地よい香りがふんわりと漂った。

何だ、これ。ロノロは香りが漂う方向に歩を進める。
路地の突き当り、そこを曲がり、真っ直ぐ進む。

そこには花々に囲まれた少女がいた。(>>24

ああ、何だ。これか。

納得すると、ロノロはそのままずるずると壁を伝って、通り過ぎようとする。
此奴、この恰好は・・・、魔法使いか。ん?少女の風貌から何かを察すると、

立ち止まり、

「お前さ、このボロボロの俺に効く回復魔法とか使えない?」

と、不躾な質問を飛ばす無礼者。