オリジナルなりきり掲示板
- Re: 放課後オカルティカ ( No.34 )
- 日時: 2018/06/06 22:54
- 名前: 宝治 ◆wpAuSLRmwo (ID: iihmFlhR)
>>31
>「ここにいるけど。――」
「…へ?!」
ことのほか至近距離にいた礼を認識するには、束の間の時が必要だったようだ。令太はあっけにとられた様子で目の前の尾行対象を見つめた。探偵倶楽部部員の名折れである。
恥ずかしさを隠すようにあたふたした後、コホンと空咳を一つしてから青年は居住まいを正した。
「あー、はは。ばれちまっちゃあしゃーねえ。仕切り直しだ。……こそこそ嗅ぎまわって悪かったな。一応これも部活動でさ。俺は3年の鞍内令太だ。趣味は球技とゲーム。昔はゲーセンに入り浸ってたけどここら田舎だから無くてよー。寮の俺の部屋にPS4あるから今度来いよ、な!」
緊迫した状況を解きほぐそうとしたのか、令太はおおよそ場違いな自己紹介を始めた。しかし礼は一貫してビジネスライクな冷たさで、探偵部の捜査に協力はするが信頼はしない、そう言い切った。かれの相手を品定めするような無機質な視線と態度に令太は少し面食らう。
「おう、協力してくれるんならそれでいいぜ。よろしくな、…礼。そーだな、立ち話もなんだし、カフェテリアにいかねえ?菓子パンでも食いながら話そうぜ。なんか奢るわ」
【カフェテリア】
最上階にあるカフェテリアは、昼時は学生食堂としての機能を果たし、放課後は生徒の憩いの場となる。
令太は自販機でメロンパンとソーダを買ってから話を切り出した。
「礼はさ、夜津花に来てよく分からん連中に追っかけまわされて大変なんだよな。……あいつらやべえよ、まじで。オカルトも占いも相当キてるけどよ、特に宗教研究会はエグいと思うぜ。部員にお布施要求するのは当たり前、上納金が足りなきゃ奴隷扱いさ。なんでもあれは学外の新興宗教組織の支部みてーなもんらしいのよ。けど、そいつらがなぜ礼を欲しがってるか、そこが分からねえ」
ペットボトルのキャップを捻る。炭酸がはじける。それを豪快に飲み干してゲフっと一息。
「礼の身内に大金持ちとか権力者がいりゃあ話は別だけどよ。立ち聞きした話によりゃあ、……その、ご両親、亡くなったんだろ。身よりもなくてばあちゃん家に引き取られたとか、なんとか…」
菓子パンの包装を破っていた令太の手がふと止まった。
「や、わりいな。余計なこと詮索しちまって。けどさ、もしかして礼のばあちゃんがなんか知ってたりすることって、ねえかなぁ?」
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