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Re: 【再募集】放課後オカルティカ ( No.39 )
日時: 2018/06/23 00:26
名前: 荏原 ◆vAdZgoO6.Y (ID: 2rTFGput)

>>36

>「……うーん、内容は普通だし、紙の劣化具合もフェイクとは思えない。貴重な歴史資料ね。もう少し時間をくれたらもっと分かることがあるかもしれないけど。預ける気はある?」
「(預けるか、どうか……なんなんだろうこの気持ちは。ざわつく……?)」

 便箋を受け取り少々の時間をかけて読んだ彼女は、伊悠とほとんど同じ結論を出した。それに異論はない。そして栞子は伊悠よりも知識量が多い、そう伊悠は思っている。
 預けて、もっと詳しく調べてもらう。というのは紛れもなく良案であった。だというのに、どうしてか手紙を渡してしまうのをためらった。
 いよいよオカルトチックになってきた案件の証拠を誰かに預ける、というのが数々の本─ミステリーやホラー系統──を読んできたからこそ、その後の展開を邪推してしまったのかもしれない。

「(……持っておくべき? いやでも)」

 そう考えた後に、伊悠はチラリと了子の方を見やる。こちらがどんな答えを出すのかどうか案じていたのか、彼女と目が合った。彼女にとってもこの手紙は大事な物証であるはずだ。

 ──まて、そもそもこれの決定権が私にあるのはおかしいのではないか。

「(了子に任せよう。持ち主は了子)」

 投げたわけではない。そもそも伊悠は知識があっても決断力が特別すばらしいわけではない。だから、だからこそ探偵倶楽部部長である了子に任せたのだ。
 彼女の持ち味はなんといってもその行動、発想力だ。証拠を集め、順序立てて考えていく伊悠とは違い、階段飛ばしの要領で駆け抜けていく。

 ……当然、何度も転んではいるが。
 今回の問題は何といっても不気味、不思議だ。こんな時こそ、理屈を立てて進む伊悠よりかは了子の方がいいだろう。
 伊悠は確かに、そう思ったのだ。
 
 とりあえず、全部の答えが決まってから返そう。
 ひとまず……残りの話を聞いてから。そう思い伊悠は続きを促した。
 

* * * 

 
 答えを聞き終えた。中々に有意義……有意義だっただろうか。おまじないなどは小学生が読むホラー本によくあるものだった。
 願掛けという女の子らしい明るい面と、失敗すれば死んでしまう。
 そして真実はその詳細は不明で、ただ死んだという事実だけが残っている。
 こういうのは得てして、2つのうわさが複合して出来上がるものだ。蕾を取って咲けば恋の願いが叶う。なんてありがちなもの、そこに黒い花が不吉。死を呼ぶと言うものが合わさった。
 
 そう、考えたかった。

 二つ目、禁忌の存在がどうしても邪魔をする。

>「次に、やってはならないこと…禁忌について。一つ、ヨルガオ様を馬鹿にしてはいけません」
>「二つ、その存在について虚偽を教えてはいけません。…もし私の身に何か起こった時は、今日伝えたことは嘘が紛れていたってことね」
>「最後に、四人以上に教えてはいけません。以上。……少し不思議ね。不幸の手紙にしても、貞子さんが出る某小説にしても、情報の受け渡しに人数ノルマはあるけど。それを制限するなんてあまり聞かないもの」

 馬鹿にしてはいけない。これはありがちだ。最悪名前を出しただけ、呪われた人に触れただけで伝播する、なんて展開もよくある。
 虚偽の禁止、は少々意外だったがこれも上記の派生としてはありうる。嘘を吐くというのはヨルガオ様を馬鹿にする、という事にもつながろう。

「(情報を渡すものの制限……)」

 じわり、と一瞬自分の首が絞められたように伊悠は感じた。彼女が調べて辿り着いた、つまり教えてくれた過去の人たちはその制限に引っかかっていなかったのだろうか。それとも、この禁忌を知らずに人数オーバーしてしまったのではないだろうか。
 教えるというのはどこまでを含むのか。
 不安、焦燥、ヨルガオ様は存在しない噂話という認識。それが彼女にはいつしか超常現象を「確かに」起こすモノとして移り変わっていく。
 今まで噂話だと断じて栓をしていた恐怖心が湧き上がってくる。

 同時に、彼女の知的好奇心が刺激された。

「(……もっと調べたいな。図書室にいてもこれ以上は見つからなそうだし。虚偽の禁止があるなら情報収集も楽だよね)」

 怖いから知る。伊悠にとっては至極当然の思考であった。

>「最後、出没スポットと目撃証言。やっぱりお化けって暗くてじめっとしたところが好きなのかなあ。旧校舎とか裏庭とかによく出るって。でも、ヨルガオ様ってセーラー服着た美少女らしいじゃない。夜津花の女子生徒と見分けつくのかなあって、私は疑問に思うんだけどね。
ま、この件に関して言えば、実際に目撃したと言い張る人に直接聞いてみる方が早いわ。…って訳で、はいこれ」

 ついに出た目撃証言。しかし美少女というのは初耳だったと伊悠は物ふける。
 どうやら、その目撃者の情報ももっているようだ。これはどんどん話が進みそうだぞ、表情には出さず心の中で小躍りする。
 やはり手紙などは栞子に任せ、新しい情報を探しにいくべきだろう。
 そう思っていた伊悠を、ある名前が止める。

>「ヨルガオ様を見た人というのは、オカルト同好会の影井君で、今は部活動の真っ最中。
部室は生物実験準備室にいるから、話のついでにその督促状を渡しておいてくれない?本をぶんどってくれたらなおのことヨシ」
「(オカルト同好会……)」

 その単語はあまりいいものではない。なにせ本だけを堪能したい伊悠、彼女の図書委員としての仕事量を増やしてくれている存在だからだ。大量にオカルト関連の本のリクエスト票を提出してきて、肝心の本を入荷すると大体延滞する。
 委員会の仕事を増やせば、それだけ伊悠の至福の時間が減る。宿敵だ。
 正直言って会いになど行きたくはない。だが、ここまで情報を教えてもらって。仕事中だったであろう栞子を引っ張り出してきてしまった。
 受けねば不義理だということは流石にわかる。

「……」
 
 コクリと頷き、催促状を受け取った。しょうがあるまい、幸いにして了子もいるのだから彼女のパワーに任せ、商法と本を奪ってきてしまおう。行動の指針を固めた直後に、ある可能性がよぎる。

 ──ヨルガオ様からの手紙なんて持っていると知ったら、どう反応するだろうか

「……手紙、渡そ」

 伊悠は自分の直感を信じた



【預ける/預けない の選択をお願いします】→預ける、ただし写真を撮っておく。
【行動選択肢
A:了子と二人で取り立てに行く
B:取り立ては了子に任せ、図書室で情報収集
C:これ以外、伊悠さんがしたいこと】→A

【大変遅くなり申し訳ございませんでした。お納めください】