オリジナルなりきり掲示板
- Re: 放課後オカルティカ ( No.54 )
- 日時: 2018/07/14 00:29
- 名前: 宝治 ◆wpAuSLRmwo (ID: iihmFlhR)
>>49
剣道部部長が白銀礼の入部希望を一も二もなく断った。礼はその拒絶の理由を聞くでも反論をするでもなく、ただ彼の言葉を受け入れた。
……このままではいけない。
>「行こう。部活は帰宅部とかでいい。」
「いや、待て」
令太は、今にも部室の入り口から去ろうとしている礼をそっと押しとどめる。
すぐ隣では口達者な梨乃が剣道部の部長に説明を要求してくれているようだから、すぐに部室入り口から締め出されるということはないだろう。
彼女の頭の回転の速さとその素直ではない親切心に感謝しつつ、令太は礼に向き直った。
「礼、それでいいのか?耐えてるだけでも、逃げるだけでも周りは変わんねえよ」
令太の脳裏によぎるのは数時間前の男子トイレ前での騒動だ。
見知らぬ者に囲まれ自分勝手な言葉を浴びせかけられ礼はどうなったか?
まずは逃げた。逃げ場が無くなれば耐え忍んだ。しかし許容できるストレスの容量を超えた時、普段の穏やかな白銀礼は去り、代わりに攻撃的な人格が現れた。
あの状態はどう考えてもまずい。一見して何物も寄せ付けない強さを装ってはいたが見ていてあまりにも脆く危ういのだ。
他人があの状態の礼を見ればきっと誤解が生まれる。そうすれば彼はますます孤立してしまう。今、礼は"キレて"はいないけれど、これから先いつそうなってもおかしくはない。
「だからさ、自分の意見をもっと他人に伝えてみようぜ。自分が何をしたいかとか、どんな気持ちかとか、まずはそういうのでいいんだ。
俺、頼りないかもしれないけどついてるからよ」
◆ ◆ ◆
>>50
自分なりの言葉で友を鼓舞する令太の傍ら、梨乃と剣道部部長の激しい口戦が繰り広げられている。
剣道部部長は「美作雄太」という三年の男子生徒だ。使い込まれた藍色の胴着を着用し、利き手には竹刀を携えていた。
自分よりも頭一つ分ほど背が高い美作に対し梨乃は臆することなく自分の意見を言葉にする。
>「あのさ、剣道部って最近新入部員が少なくて困ってたよね?それなら、運動とか出来る人は大歓迎なんじゃないの?――」
「うるさいな、部外者が口を挟んで来るなよ。…色々と面倒なことがあんだよ!」
>「昨日とか明日とかの剣道部の新入部員が増えたとかそういう事情があるなら知らないけど理由も言わないで断るって納得出来無いし部長としてどうなの?良くないと思うんだけど。」
「……!良いもクソもあるか……俺だってこんなことしたくねえよ!で、でも…」
リーダーとしての素質を問う梨乃に、彼は大きく揺さぶられたようだ。
もう一押し。というところだろうか。
◆ ◆ ◆
同時刻。礼、梨乃、令太のいる体育館裏とは正反対のエントランスにて。
スキンヘッドが特徴的な男子生徒が子分を従えて悠然と体育館を去ろうとしていた。
「剣道部の部員もかわいそうですよね、あんな小心者が部長だなんて」
「本当だよ。脅せばなんでもしてくれますよ、ははは」
「口が過ぎるぞ二人とも。第一、拙僧は脅しなどしてはおらぬ。ただ、忠告と助言をしたに過ぎないのだからな……」
総合掲示板
小説投稿掲示板
イラスト投稿掲示板
過去ログ倉庫
その他掲示板
スポンサード リンク