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- Re: 【中文推奨】幻妖戦記【戦闘メイン】(募集中) ( No.240 )
- 日時: 2018/08/03 07:33
- 名前: 流沢藍蓮 ◆50xkBNHT6. (ID: Yv1mgiz3)
【済みませんしばらく来られませんでしたぁ!
ゼフィールはいずれ書きます!】
〈ジェミニ・オルトス〉
「あたしじゃあなたが鬼だってわからなかったよ。でもあたしの中にわずかに残るジェミナイが、あたしの半身が! あたしよりもずっとずっと頭の良い、あたしのもう一つの頭が、教えてくれたんだ!!」
ジェミナイの気配はもう一つの頭があったころに比べれば確実に薄い。でもジェミニは、彼がまだ自分の中にいることを確かに感じられた。ジェミナイは情報を解析し、彼女にその情報を与えてくれる。何も知らなかったら、何一つ知らなかったら、きっとジェミニは彼女に勝てない。でも――ジェミナイが、いるから。
ジェミニの前で変わった空気。相手も本気になったなとジェミニは思い、その目に強い毅い光を浮かべて、赤と青、二色の剣を交差させて構える。
「……そうだね、比べられるほど、あたしのあなたの思いは弱くない」
紫苑の言葉にジェミニは頷いた。
「あたしは本当なら戦いたくなかったよ。でもテメレアちゃんがいる、恩人がいるんだ、だからあたしは戦うんだ! あたしはジェミナイの分まで生きてやるなんて思ってるけど……恩人一人守れなくて、あたしは何を守れるというの? そしてあたしはあなたを赦すわ、あなたが何を言おうとも。ジェミナイは言ってる。あなたが自分を殺したんじゃないって。だからあたしにはあなたを憎んだり恨んだりする道理がないの」
彼女の中でジェミナイが言う。〈でもシオンさんはテメレアに刃を向けた〉
その言葉を受けてジェミニは吠える。一つ頭のオルトロス。オルトロスとは双つ頭の犬の魔物。犬の少女のその口から牙がのぞく。
「でもね――あなたはテメレアちゃんに、刃を向けたッ!」
そうだ、それだけでも、戦う理由としては十分だ。
迫りくる刃。ジェミニが右の剣を動かすと、彼女の中のジェミナイが左の剣を動かす。二人で一人。たとえ片方の頭が死んでも、その連携は変わらない。
〈ジェミニ、来る!〉
「わかってるわよ、ジェミナイ!」
心の中で聞こえる声に、相棒の声に、半身の声に、ジェミニは直接声で返答する。
そしてジェミニは左の剣の上に右手の剣を重ねて重ね目で攻撃を受けて衝撃を殺し、そのすぐ後に、相手の剣を受ける右手はそのままに左手だけを交差の下から抜き出し、左の剣で反撃に転じた。その瞬間、青の剣が強く美しく輝いた。
戦場に小さく、でも確かに、死んだはずの者の声が聞こえる。
〈僕はジェミナイ・オルトス……。幻獣軍の本当の軍師にしてオルトロスの『理性』の頭、今は亡き者にして思念と魔力だけの存在。紫苑……妖軍の副長にして鬼の娘よ、死者の僕がお相手しよう。ジェミニに怪我させたら、承知しない〉
それは静かだが、確かな宣戦布告。
それを受けてジェミニは吠え、叫んだ。
「あたしはジェミニ・オルトス! 幻獣軍の偽物の軍師にしてオルトロスの『感情』の頭! 今もなお生きていて、戦うことしか知らない愚か者! シオン、あたしがあたしたちがお相手するわ! 持てる体は一つでも、宿す心は一つじゃない! あたしたちの連携、破れるなら破ってみれば? テメレアちゃんを傷つけるのは、あたしたちを倒した後だッ!」
馬鹿でも、愚かでも。
大切な存在を、愚直なくらいに守ることはできるはずだから。
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