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「もうすぐ、戦争かの」

烏兎は妖軍の兵士だ。
と言っても戦うことが得意ではない、ましては戦うことが好きなわけでもない。
これは仕方のないことだったのだ。
烏兎の師匠は妖軍の中でも名だたる将軍だった。
しかし、本人は面倒ことを嫌い、戦争に出たくないがためにわざわざ最近を顔を出しては「修行だ」だのなんだの言って身代わりにしたのだ。

「嗚呼、めんどくさいのう」

また、烏兎本人もそんな師匠の影響を少なからず受けていたため、戦争はめんどくさい物と理解していた。
烏兎ぐらいの歳になると戦争は何度か経験した。
その全てで無駄な死が生まれ、無駄な正義が創られた。
その全てが面倒くさくて、全てに呆れる。
烏兎は気がつかないうちに彼女の師匠と同じ思考になっていた。
しかし、彼女は弱い。
戦争を拒否する実力がない。
だから、烏兎は師匠と違って戦争に参加する。

「全く、己が憎いの」

今はただ、変わることのない空が美しく見えた。


【>>29銀色の気まぐれ者さん
もしよろしければ陽の主人に乗っかってもよろしいでしょうか？】