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【>>45銀色の気まぐれ者さん
では早速】

戦争まで刻一刻と差し迫る中で烏兎は隣を見た。
そこには彼女が望んでいた存在はいただろうか。

(まぁ、立派になったねぇ)

彼との出会いは少し時間を遡ることになる。





その頃の烏兎は弟子を卒業して、たまに彼女の師匠から依頼を頼まれるほどに成長していた。
兎としての力を使い、薬師として働いており、彼女はある日、必要な薬草を使い果たしてしまう。
そして、それが彼との出会いの切っ掛けだ。

「不法投棄かの？」

彼女が森に薬草を探しに入るとそこには箱が捨ててあった。
彼女は軍の上層部でもなければいつも国境線の監視をする兵士でもない、そのためその箱に見覚えなんてなかった。
ましては、それが幻獣軍の持ち物であったなど考えてもいなかった。
だからこそ、彼女は不法投棄に怒り、その箱を持ちあげた。
その箱は逆になっていて、蓋が下を向いていた。
そのために、箱を持ち上げれば中身も出てくるわけで。

「なぁ！？」

絶句。
それはその時の彼女には予想外の、しかし今の彼女には運命的な出会い。

小さな狼がそこにはいた。