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Re: 【中文推奨】幻妖戦記【戦闘メイン】(募集中) ( No.54 )
日時: 2018/05/15 22:36
名前: 銀色の気まぐれ者 ◆MMJVxNkRYU (ID: e.VqsKX6)

>>50 すごいわくわくします・・・・!これはこっちも回想にはいって返したほうがいい感じ、
    ですかね?】

もうすぐ戦争の時間だ。”彼”は戦はあまり好きではないものの、主を守る為なら、なんだってやる。______そう、なんだって。そもそも、主と出会ったのはいつのことだっただろうか・・・・?ぼんやりと空を見上げながら、鮮明に覚えるあの日のことを、思い出す。

「いたい・・・・。」

本当に、本当に誰にも聞こえない声で、その言葉を何度呟いたことか。何も知らない軍のスパイだと疑われ、切り裂かれ、焼かれ、刺され。死までには至らなかった。いや、至らせなかった。痛みを一生味わってもらう、そう言った兵士の表情は、今でもはっきりと覚えている。子狼だったにしろ、箱に入るほど小さくはなかった。恐らく、なにも食べさせてもらえず空腹で痩せたのだろう。ある日、箱に入れられた。ズタボロの姿で。真っ暗で、狭くて、何度開けようとしても、手で押さえつけられて、あかない。暗くて、狭くて。その時間が恐怖となるまで、10分もいらなかっただろう。衰弱して、いつしか眠ってしまった。起きたら、知らない人と、青空が見えた。その時が、一番世界が輝いていたような、そんな気がする。

「どこ・・・・どこ・・・・。」

ぼろぼろの体で、必死に歩いた。目は腫れていて、顔も体も傷だらけだった。綺麗な銀色の毛並みは、灰色になって、もう、死ぬんじゃないかと思うほどボロボロだった。

「お母さん・・・・お母さん・・・・。」

遠いところに居るはずの人の名を、必死に呼んだ。幻獣軍に殺されたのを、見たはずなのに。必死に、必死に。”死んだ”という事実を認めたくなくて、赤ん坊のように、母を探し、歩いた。妖も、人に化けている妖・幻獣も、すべてが怖くて、逃げるためなのか、探すためなのか、それさえもわからずに、必死に歩いた。途中で、小石につまずいて転んだが、泣かなかった。というより、泣けなかった。涙が枯れて、箱の内側はすこししっとりとしていたかもしれない、ずっと、ずっと、泣いていたのだから。怖くて、怖くて、たまらなくて。