オリジナルなりきり掲示板

Re: ミューズの奏者達 〔募集中〕 ( No.20 )
日時: 2019/05/09 22:14
名前: mirura@ (ID: j2lE.5aw)

【再開によって新たに始まりました!詳しい事は親レスに、質問等がある場合は連絡板にお願いします!】


 真昼の太陽を反射させ、空色に輝くピア湾の海。海面に映る自分の姿を左手でかき混ぜて崩す。海水は暖かかった。
 包帯の巻かれた腕に触れる。手に付いた水滴が包帯に染みを作るが、傷が海水で痛む事は無かった。どうやらもう塞がっているらしい。それでも、深く傷痕が付いた腕を晒したくはなかった。

「……本当に、俺の判断は正しかったのだろうか」

 ふと、誰かに言うわけでも無く呟く。ミューズの奏者として闇に抗う覚悟を決めた自分は、果たして正しかったのだろうか?その問いを込めた一言は、波の音にさらわれて消えていった。

 いや、きっと、正しいかどうかなんて無いのだろう。

 カーバンクルに導かれる間、自分が奏者になる運命にあるのかと自覚していた。そしてそれを、受け入れた。
 人間の欲望から生まれる邪悪な存在に無す術なく殺される事よりも、自ら抗う事を選んだのは、紛れもない自分だ。他人の決めた事じゃない。
 死にたくなかった。ただそれだけで。

 煌めく海を、海風に揺られながらぼんやり見つめる。今という時こそ、平和と呼べるのだろう。