オリジナルなりきり掲示板
- Re: # 魔女の集会で逢いましょう(募集) ( No.38 )
- 日時: 2018/09/14 15:57
- 名前: かぬこ (ID: sNU/fhM0)
緩やかな傾斜に白い建物が無造作に並び、数多の人々が歩いた形跡が積み重なって薄汚れた煉瓦道が縦横無尽に続いている。南には日差しに照らされ輝く海が、この港町の人々のように、どことなく気怠さを思わせるようにゆっくりと波を打つ。いつ頃からこのような街並みになったのか知る由もないが、ここは金角の魔女が人間だった時の故郷に間違いなかった。山寄りの空き家を勝手に住処にして半年が経つ。人避けの魔法をかけてあるため、人間が訪れることはない。普段は海が見える二階の部屋で、これまで集めてきた魔法や呪いの情報をもとに仮説を立て検証をしている。
だが、昼食を食べ終えて、魔女の集会から届いた招待状を手に、リビングのソファに座って考え事をしていた——集会に参加するか否か、弟子のアルを連れていってもいいのか。
呪いにかかって、魔法の存在を知り、呪いをとくために世界中を旅して、自身の名を忘れて見知らぬ魔女や魔法使いがつけたあだ名をさも自分の名前のように名乗れるほど長い年月を生きてきた。しかし魔女や魔法使いが大勢いる状況なんて一度も経験したことがない。それに、自身の呪いをかけた本人がいるかもしれない。直接本人に問いただせば事は簡単に解決するだろうし、招待状を受け取って真っ先に考えた。だけど、魔女や魔法使いに同族意識を覚えたことがないため、どちらかといえば、警戒心があった。
(わたしの事情を抜きにしても、アルの今後の成長にきっと役立つ……)
手元の便箋に目を通す。魔女の集会に招待されており、参加するには招待状を忘れずに持ってくること。宛名に金角の魔女と書いてある。
(同伴者は駄目と書いてないから、連れてきてものいいのかしら?)
アルは自分と違って生まれながらに魔力を持っている。今は自分の弟子として修行に励んでいるが、若く元気があるから是非とも連れて行きたいし、交流を通して新たな知見を得てほしい。
そこまで考えて、アルの人見知りのことを思い出さずにはいられなかった。無意識のうちに膝を組み、右手で頬杖をつく。視線は部屋の壁に向いていたが、10年前のことをぼんやりと回想していた。
どこそこの村に強い魔力を持った奴がいるとの噂を聞いて、試しに訪れてみると明らかに人為的な怪我が目立つアルを見つけたのだ。あの時、てっきり死んでいるものだと思ったが憐憫の情は一切浮き上がらず、落胆でため息をつきそうになった瞬間——わずかに動くのを見逃さなかった。自分より強い魔力を持っているなら、この呪いをとけるに違いないと、根拠はないが迷いない自信を持ったのだ。
アルの頭の横で膝をついて顔を覗き込もうとしたとき、己の影に角の部分があることをしっかりと視認できる程度に呪いは進行していた。
「ねぇ、あなた、生きてるのなら……生きたいのなら助けてあげる。わたしについてきてほしいの」
ため息を飲み込み、一筋の光明を失ってたまるかと、期待に震える声音で尋ねたことを今でも覚えている。
【お待たせしました!長すぎて引くレベルの絡み文を書いてしまって申し訳ないです。前半は魔女の集会に行く数日前ぐらいで、後半に出会った当時の回想を書いてみました…!あんなにも熱烈に金角を慕ってくれるアルフォンツ君に、金角なりにどうやって向き合うのだろうかと考えて、とりあえずこの絡み文である程度決めておきたいなと思った次第です。あんまりにも長いので、一応推敲はしたのですがわからない、分かりづらいところがあったら仰ってください…!】
>>砂糖様
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