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Re: # 魔女の集会で逢いましょう(募集) ( No.46 )
日時: 2018/09/14 23:14
名前: 砂糖 ◆z5QXuDswjo (ID: ncaxrNZI)


>>38 かぬこ様

ひとつ物語を書くならば、こういうのはどうだろうか。
金に身体を蝕まれた魔女が、望まぬ力を持って生まれた子供を拾う話。言うなれば運命に呪われた二人の話だ。

悪事を働いた訳でも、労働を怠慢した訳でもない。ただ普通に、幸せに、生活していただけだった。それだけで彼は殴られ蔑まれ、終いには家を焼かれた。今思えば一種の魔女狩りのようなものだったのかもしれない。しかし、血の繋がった家族でさえも彼を庇うことはなかった。まるでこの世に生まれてきたこと自体が罪であったかのように。

「 いたい、いたいよ…… ぼくは何も悪いことしていないのに 」

命辛々近くの森へ逃げ込んだが、遂には顔面から地面に伏した。ああ、もう駄目だ。死を覚悟したその瞬間、天から降ってくるひとりの女の声。私についてきてほしい、と。最初は訳がわからなかった。村の誰からも嫌われた自分を彼女は何故必要とするのか。自分を助けて何の得があるのか。それでも、彼は生きる道を選んだ。

「 たすけて……っ! ぼく、なんでもしますから…… 」

血と涙と泥に塗れたボロ雑巾のような身体に残された、ほんの少しの力を振り絞って、乾ききった喉から掠れた声を出して、そう言ったのだ。意識の薄れゆく中で顔を上げると、仄かに金色を帯びた角が見えた。ただただ、美しいと思った。

その日を境に、彼は魔女の弟子になった。

「 ……あ 」

ダージリンの甘い香りに包まれ、アルフォンツはふと我に帰った。気付けば食べ終わった食器を魔法で洗いながら自らの手で食後の紅茶を淹れている。無意識にこれらを同時に熟すなんて、いやはや慣れと云うものは恐ろしいと思う。
暫くしてティーセットの用意が完了すると主人のいるリビングへと向かう。アルには、食事、こと紅茶に関しては魔法に頼らず自分で準備した方が幾分も美味しいという自負があった。十年間の努力の賜物とも言える。それほど主人と過ごした十年という年月は、彼が変化するには十分すぎるほど長かったのかもしれない。

アルの主人、金角の魔女。金の呪いに抗う魔女。彼女に魔法を教わったお陰で自分のこの力を制御出来るようになったし、力を自分のために使うことが出来るようになった。それでも主人の役に立つにはまだまだ未熟だ。しかし、この魔力のおかげで主人に会えたのだと思うとそう悪いものでもないなと思えるのだ。

二人分のティーカップを並べて一緒のソファーに腰掛ける。パーソナルスペースなど露知らず気まぐれに甘える猫のように主人に凭れかかった。それも、触れたい、触れてほしいと言わんばかりの熱い視線とともに。しかしどうやら主人はぼんやりと考え事に耽っている。

「 主人…… なに見てるの 」

その視線はふと彼女の持つ書類へと下ろされる。問いかける顔は何時もの無表情で、しかし瞳の奥は好奇の色を孕んでいた。


【いえいえ引くだなんてとんでもない!分かりやすい上にとても美しい言葉選びをなされるロルに一体私なぞで釣り合うのかと戦々恐々としております…!そしてひとつお聞きしたいことが!呪いが解ける=金角の魔女様は普通の人間に戻るor金に蝕まれた部分が戻るだけ(魔女のまま)のどちらでしょうか?どちらにしてもアルフォンツは主人といられるなら何でもいいといった感じだと思いますが一応知っておきたいのでよろしくお願いします…!】