オリジナルなりきり掲示板

Re: お菓子の国のジンジャーマン 〈長文推奨〉募集中 ( No.28 )
日時: 2018/12/17 19:19
名前: 月無 (ID: nLPrrFyW)
参照: http://絵のタッチが綺麗すぎます…っ

>>26

こちらこそありがとうございますっ。 そして早速絡ませて頂きましたが、もちろん蹴ってもらっても構いません〜っ。

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【ティアナ/王都内の賑やかな大通り→ルシアンの自宅アパート前】

片腕がないというのは歩くのに不便だとようやっと気づいた。ふらりふらり、右に左によろけながらも街中を歩いていたティアナは、周りからの迷惑そうな視線にやっと気づいたのか壁際によって歩みを止める。視線の先は肩から指先にかけてごっそり無くなってしまった左腕。片腕がないといつも通りのバランスをとるのが難しく、歩いていれば左右どちらかによろけてしまうのだ。 歩く練習ぐらいしないとな、そうぼんやりした思考回路で思いながらも右手で持っているバスケットに目を移せば、早く帰ろうと今度は壁伝いで進んでいく。

ゆったりとしたペースで歩けばそこまで危なくもないかもしれない。偶に聞こえる誰かの肉を求める声だとか、泣きじゃくるような子供の声だとか、そういうのをバックミュージックのように聞き流しながらたわいも無いことを考え始めた。ぼんやりと歩くのは退屈である。肉を求めれば多少は自分の中の何かが変わるのだろうかと思うも、そんなことで変わるのなら変わらなくていいと思い、この考えもすぐに頭の中から消え去っていった。つくづく簡単な脳みそだとティアナは自分自身に嘲笑浮かべて。

「今日は来ない日だけど、ご飯はどうしよう」

ふと、世話を焼いてくれる友人が今日は来れないと言っていたことを思い出す。買い置きのパンとかあったかな、なんて思いながらもずっと足元に向けていた視線を上へと上げれば、思わず足を止めてからじっと目を凝らした。視線の先には手すりに縋りながら立っている一人の男の人。危なくはないのだろうかと、柄にもなく心配をすれば、そんな自分に内心首を傾げながらも先程より少し歩みを早めて男へと近づく。

「……お兄さん、大丈夫ですか?」

なんて声をかけようか迷った挙句に無難な言葉を紡ぐ。口角はあげた方がいいと友人に言われたので上げてみるものの、実際は僅かにも上がっていないのだから困りものだ。血色の瞳を相手の顔へと向ければ、返答を待つように口を閉ざしつつも首を僅かに傾けた。