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Re: お菓子の国のジンジャーマン 〈長文推奨〉募集中 ( No.30 )
日時: 2018/12/18 19:20
名前: もっぷ ◆AGbt8hXHsE (ID: kzjN7yPk)

>>28
(お褒めの言葉&絡みありがとうございます……! ティアナちゃんとの絡み、とっても嬉しいです。それでは月無様、お相手よろしくお願いいたします!)


【ルシアン・ベル/王都内自宅アパート】

 かけられた言葉に階段の下を見ると、声の主だろう少女がルシアンを眺めていた。まず彼女の顔、次にヒールのないぺたんこの靴を見て、足音があまりしなかったのはこれか、と納得する。丸ごと存在しない左腕は魔女の仕業だろう。指一本のルシアンと比べたら随分大きな欠損だが、それほどの被害を見ても、彼女がジンジャーマンを狙う姿はなんとなく想像ができなかった。
 それにしても言葉と表情が似合っていない。感情と顔の筋肉が連動しない子なのだろう。それが意図的なのか、表情筋の力不足ゆえなのか、いずれにしてもルシアンに関係のない話であることに変わりはない。言葉の通り心配と受け取り、取り澄ました顔のまま言葉を返す。

「ああ、平気だよ。ご心配どうも」

 普段嫌味ばかりを言うものだから、口がそれを覚え込んでしまったのか、返答はどうにも“ありがとう”という雰囲気ではなかった。まあ無愛想はお互い様だし、彼女も構わないだろうとそのまま一度口を閉ざしたが、ふと少女の傷んだ髪が目について、ルシアンはなるべく柔らかな声色で「嬉しかったよ」と付け加えた。

「ねえ、髪が随分傷んでいるけど、気にならないの?」

 女性の身嗜みに言及するのは褒める時だけにしろ、という父の教えは、今のところ活用した記憶がない。
 長く座り込んでいたのと冷えとで足の感覚が薄れ、今歩き出したらよろめきそうだったため移動は諦め、手すりに体重をかけてわずかに身を乗り出す。鮮やかな色彩の目と目を合わし、ルシアンはゆっくりと問いかけた。