アリスと聞いた時から、もしかして……と思いはした。そして、それは兎の格好をした彼によって肯定されて。夢かもしれないとか、なにかの撮影中かも、とかそんな思考も確かにあったけれど。だけどそのどれよりも、今、私の思考を満たしているのは。「あの、近い、です」異性とこんな風に接近したことの無かった私は、近すぎるこの距離にドキドキして、顔に熱が集まるのを感じていた。
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