オリジナルなりきり掲示板

太陽が死んだ【募集中】 ( No.0 )
日時: 2019/05/06 03:54
名前: 榎@ENOKI (ID: UeLkOLiI)



地球に太陽の明かりが届かず、
一日中真っ暗になってしまった世界を生き抜く

そんな感じのなりきりスレ


***

>>0-全レスをスクロールだけで読む
>>1 世界観(3/28 更新、補遺>>48にあり)
>>2 プロフィール

***

注意事項
・本体とキャラの見分けのために、文頭に(/や【といった記号をつけてください
・本体同士の喧嘩や恋愛の禁止

***

住民一覧

_都市部住民
>>9 フタミ(榎@ENOKI)
>>10 ヒロミ・フォン・モーレッド(榎@ENOKI)

_地方部住民
>>3 ユウヒ・サリャーヒ(榎@ENOKI)
>>4 ラッカ・サングリア( 一人の世界 様)
>>5 ナターシャ・ヴェゼル(百千 様)
>>53 メイ・アカル(名有りさん 様)

Re: 太陽が死んだ ( No.1 )
日時: 2019/03/28 17:45
名前: 榎@ENOKI (ID: XsTmunS8)

3/28 更新


真っ暗な世界になって100年近く経っています。

あなたのキャラクターはとある先進国の国民です
その国の科学は、それはもうびっくりするくらいに発展していますが、以下の差異があります

都市部
大きなドームで覆われており、「人工の太陽」と「人工の月」が機能して、以前となんら変わりのない日常を過ごせます
ただ、本物の太陽の温もりを知ってるのであればやや物足りなさを感じるかもしれません

地方部
「人工の太陽」と「人工の月」を動かせる装置がないため、一年中暗い世界です。
食料生産のために「人工の太陽」の下位互換「曇天の太陽」と呼ばれる装置があります。しかし、本物の太陽の明るさを知っていると「曇天の太陽」の鈍い明るさは、本物の太陽にはあまりにもほど遠くて物足りなさを覚えるかもしれません

また、この国では科学技術が著しく発展しています
今のところ、サイボーグ技術で多くの難病を治せるようになりました
他にも類い稀なる科学技術があるかもしれません
(訳、参加者の方で自由に作っていただけたらこちらに反映します)



※WARNING ※
以下は、情報規制されているものです
・「太陽の光が届かなくなったことで生じるはずの、自然への影響が一切ないこと」
・「太陽の光は本当は届いているけど、とてつもなく発展した技術により夜に近い明るさまで抑えている」
上記の事実は、過去にこの国がやらかした失態の隠匿のため、極秘にされている情報です。政府お抱えの学者や技術者しか知り得ません。
(注、何の失態をしでかしたのかは決めていません)

前者の事実は、過去に発行された専門書や教科書を読めばすぐに気づきますが、政府が裏で暗躍する人達に依頼してそれらの図書の排除を進めています。
また、最近発行された図書では全て該当する説明や記述がありませんので、未だ排除されていない過去の本を読んだことがあるキャラなら、もしかすると気付いているかもしれませんし「本当は太陽の光は地球に届いているのでは?」と疑問に思うかもしれません。
ただし、情報規制されてあるものなので、一度公言すると政府から狙われるかもしれません

Re: 太陽が死んだ ( No.2 )
日時: 2019/02/27 19:58
名前: 榎@ENOKI (ID: Rn9Xbmu5)


プロフィール
【必ず書いてください】
「そのキャラクターがどんな感じなのか台詞で表してください」
『書きたい人だけ書いてください(ただ単純にスレ主が読みたい)』

[都市部住民票]

名前【】
年齢【】
性別【】
一人称【】
二人称【】

性格【】
生い立ち『』

容姿【】

備考【】

台詞「2つ以上」
質問「今の暮らし、どんな感じ?」



[地方部住民票]

名前【】
年齢【】
性別【】
一人称【】
二人称【】

性格【】
生い立ち『』

容姿【】

備考【】

台詞「2つ以上」
質問「今の暮らし、どんな感じ?」

Re: 太陽が死んだ ( No.3 )
日時: 2019/03/01 11:46
名前: 榎@ENOKI (ID: Dbh764Xm)

[地方部住民票]

名前【ユウヒ・サリャーヒ】
年齢【26歳】
性別【男】
一人称【俺】
二人称【あなた、君、呼び捨て】

性格【おっとりとした性格で、小さいものを愛でるのが好き】
生い立ち『地方部を中心に展開するファッションブランド・サリャーヒの社長を務める父親と、北国から移住してきた母親との間に生まれた。一人っ子。髪や目の色は父親譲りで、体格の良さは母親譲り。今はもう見ることのできない夕暮れの色と似たような髪色をしているので、名前に「夕陽」が入っている。(蛇足、同じ髪色の父親は「日暮」からとってヒグレ・サリャーヒ)幼少期は巨人のごときの体格と人懐っこい性格で、近所では有名というか、見た目の印象で「頼りになりそう」だの「巨人のユウヒ」とか色々と人気だった。』

容姿【濃いオレンジ色のショートヘアでツーブロ、若草色の三白眼。筋肉質に骨太で、身長が2メートル近くあるのでまさに巨人。探すときは「オレンジ頭の巨人みてーな奴」で伝えればすぐに見つかるとの評判(?)服は特注品で、全体的にたぼっとした感じの、白いパーカーに白のカーゴパンツ、白のスニーカー。親の営むファッションブランド・サリャーヒのロゴ(SとHがおしゃれな感じに合体したデザイン)がワンポイントで刺繍してある。】

備考【今はサリャーヒのデザイナーとして仕事をしている。好きな色は白、理由は夜空を照らす満月の明かりが白くて綺麗だから。巨体だからうっかりするとものを壊すので、常日頃注意を払っている。そのせいで動きが遅い。】

台詞「やあ、俺はユウヒ・サリャーヒ。ああ怖がらないで………て、こんな図体で言うのもなんだよね…。大丈夫、あなたに危害は加えないから」
「ふああ、眠いね……でも今日中に詰めないと締め切りに間に合わない…。今ね、ティーンズ向けのファッションを手がけているんだぁ。今の若い子たちは都市部に遊びに行くことが多いから、夜空の下でも、明るい日差しの下でもかっこよく見える服がいいよね……でもこれがまた難しくて、そもそも俺、都市部に行ったのって1回だけだから…。行く暇がなかなかないんだよね」

質問「父さんのとこでデザイナーしてるよぉ。基本的には普段着に使えそうなものが俺の担当。午前中は仕事して、午後は近所のお手伝いをしたり、散歩したりして過ごすね。散歩は町外れの森にまで足を運ぶよ。薄ら寒くて湿気の匂いがするけど、なんというか……それがふるさとって感じがして、安心するんだ」


(/スレ主のプロフィールです

Re: 太陽が死んだ ( No.4 )
日時: 2019/02/28 20:01
名前: 一人の世界 (ID: MXUQ8YoR)

[地方部住民票]

名前【ラッカ・サングリア】
年齢【15歳】
性別【女】
一人称【私、サングリア】
二人称【さん付け、あなた】

性格【割と暗い 話しかけられたら話返す程度】

容姿【黒に近い紺色の髪色と目の色 髪はサイドアップの2くくりにしていて 服装は長袖白シャツに7分丈ジーンズ】

備考【木の下でよく本を読んでる少女 あまり笑わないが本を読んでる時だけは時々笑顔になる】

台詞「ラッカ・サングリア・・・ サンでも サグアでも何でも良い・・・」
「・・・読書の邪魔なんだけど・・・」


質問「読書が出来る位に明るいから丁度良い」

Re: 太陽が死んだ ( No.5 )
日時: 2019/03/05 19:37
名前: 百千 (ID: fE.voQXi)

はじめまして、百千ももちと申します。参加させて頂きたいのですがよろしいでしょうか?

[地方部住民票]

名前【ナターシャ・ヴェゼル】
年齢【24】
性別【女】
一人称【私】
二人称【貴方、さん、】

性格【普段は礼儀正しく落ち着いてはいるものの、かなり好奇心旺盛で行動力がある。】
生い立ち『出身は都心部。なかなかな金持ちの家に二番目の子どもとして生まれたが幼少期は虚弱体質だったため厄介払いも含めて地方部の別邸(と言っても小さい家レベル)で暮らすことになる。最初は使用人の老婆と二人だけの暮らしに緊張していたが初めてづくしの暮らしにかなり喜びを見出し行動力がメキメキ育ち元気になった。多分家での窮屈な暮らしが性に合わなかったせいで体調が悪くなったんだろうとあっけらかんと考えている。今は帰る気はない。』

容姿【ストレートの金髪が大体肩に掛かる程度までの長さがあるので邪魔にならないように銀色のバレッタで1つに纏めている。瞳は深緑。基本的に上はニットだったり、シャツだったり様々だが下はほぼパンツスタイルで動きやすさを重視しているんだろうな、と見て取れる。ヒールの低い靴を履いているが、高い靴も結構好き。】

備考【現在は使用人に暇を出して別邸で一人で暮らしている。フリーター紛いでパン屋などのご飯屋さんでアルバイトしていることが多い。調理能力がメキメキ上達していく事が楽しいし嬉しい。将来喫茶店を開く為の資金を稼いでいる。】

台詞「はじめまして、私はナターシャと言います。是非、仲良くしてね。あ、気軽にナーシャって呼んで?」
  「あら、こんにちは!今日はどこかにお出掛けなの?私はあの引っ掛かってる近所の子の帽子を取る為に今から木登りをするところなの。初めてやるんだけど、まぁ何とかなるわよね!」

質問「とっても心地良いわ!もうここで一生を過ごしたいくらい。皆さんすごく優しくて素敵な方々なの。それに色々な事を体験していくのは本当にこう自分の成長の糧になってるなぁて感じるの。
今は皆さんのお手伝いをさせて頂いているんだけれど、もっともっとお役に立てれるよう日々精進している真っ最中よ。」

Re: 太陽が死んだ ( No.6 )
日時: 2019/03/01 12:48
名前: 榎@ENOKI (ID: Dbh764Xm)

>>4 一人の世界 様
>>5 百千 様

(/一括にして申し訳ないです。参加ありがとうございます、よろしくお願いしますね!
プロフィール確認しました、ステキなキャラクターですね!どんな絡みになるのか気になってワクワクです!


>>all
(/注意事項抜けてたので追加しました!参加者も集まってきたので、これより絡み解禁とします!
あと、ユウヒの質問のセリフを一部変えました(夜→午後)絡み文おいときますね、もしよかったら絡んでくれると嬉しいです


朝、といっても朝日は昇らない。ユウヒは部屋の目覚まし時計で起きて、ご飯を食べた後、スケッチブックを持って町を散策する。
カレンダーによると、おおよそ1ヶ月後には春の季節になる。あたたかい春の日差し、柔らかく広がる青空、眠っていた植物が芽吹き、花の優しい匂いが満ちる季節、心踊るひと時、らしい。大昔の人が書いた小説で春を知った。

「同じ経験はできないけど、春の季節にあう服を着て出かける……心踊るような、優しくて、柔らかい。それと、あたたかい春の日差し…………そんな気持ちが味わえるような、服」

町の大通り、いくつもある街灯の1つに背を預けて大通りを歩く人たちをたくさんスケッチする。そこから、春らしい服を上から描く。こういう作業はいつものことなので、ユウヒを見慣れてる人たちが手元を覗き込んでくる。そのときは手を止めて会話を交わした

Re: 太陽が死んだ ( No.7 )
日時: 2019/03/01 20:40
名前: 百千 (ID: R8yf5QwW)

【ご許可ありがとうございます!これからよろしくお願い致しますね(*´ω`*)遅筆ながら頑張らせて頂きます!!そして僭越ながら絡ませて頂きますっ。顔見知りにしてしまったのですがよろしいでしょうか?駄目でしたら変えますので(;・∀・)】

>>6

「ん〜っ、よく寝たぁ。」

 ピピピと規則的な時計のアラームの音が鳴り響く中、上半身を起こし、ベッドの上で体を伸ばして時計を止めて暫くぼんやりとしてからゆっくりとベッドから降りて寝間着のままキッチンへと向かった。
 キッチンで適当にスープを作ってから焼いたパンと一緒にテーブルへと座ると今日は何をしようか、と指を折りながら考え始める。

「今日はパン屋のおば様には休めと言われたし、お針子の仕事も昨日終わって搬入も済んでる。」

 あれもこれも昨日終わったし、今日は出来ないし、やることが無いわ。と呟いてからスープを一口飲みパンを口に運んだ。
 今日の予定は空白そのものだった。それを確認するとナターシャはじゃあ今日どこ探索しようかしら、と目を輝かせた。仕事も大変楽しくしているがそれでもやはり外で街を見て回るのも好きなナターシャはスープの残りを水筒に入れて浮かれ気分で昼食用のサンドイッチを作ると着替え始めた。
 薄めの黄色いシャツにゆったりとした白のニット、水色のジーンズに着替えるとヒールの低いショートブーツに薄手のコートを羽織ると駆け出すように外へと向かった。

 どこかの古い本に書かれてた春、という季節の風景とは程遠い代わり映えのない光景ではあるが和やか街の中をナターシャは軽い足取りで進んでいく。
 ショーウィンドウに飾られている物を眺めたり、興味が出たら中に入ってみたりと堪能していく中、見知った顔を見かけた。
 街灯にもたれるように座りながら何やら真剣な顔でスケッチブックに鉛筆を滑らせている。

「おはよう、ユウヒさん。何をしてらっしゃるの?」

 興味心に駆られてユウヒの斜め前にしゃがみ込み顔を伺うように声をかけた。作業の邪魔にならないよう少しだけ遠慮気味に。

Re: 太陽が死んだ ( No.8 )
日時: 2019/03/02 08:28
名前: 一人の世界 (ID: MXUQ8YoR)

【許可をありがとうございます】

ふぁあ・・・ 朝起きて最初があくび・・・ 朝は嫌いじゃ無いけど眠い・・・
目覚まし時計を探すが無いのでベッドの下を見ると何故か目覚まし時計がある。
時間を見てもいつも起きている時間なので問題ない。

寝間着からいつもの服に着替えて2階の自室から1階のリビングに降りると、父と母、二人が朝食を取っていた。
「ラッカ・・・ 朝食取らないの?」と母が聞くが私は「要らない・・・」っと言ってから「本を読みに行ってくる」と言った。

外は気持ちいい。私は木の下の程よく木陰のある場所に座り本を読む。
今日はどんな本を読もう・・・
もうすぐ春だった気がするから春の本を読もう・・・
私は春に関する本を手に取り読み始める

Re: 太陽が死んだ ( No.9 )
日時: 2019/03/03 18:16
名前: 榎@ENOKI (ID: LLmHEHg2)

[都市部住民票]

名前【フタミ】
年齢【19歳】
性別【男】
一人称【俺】
二人称【お前、アンタ、呼び捨て】

性格【口が悪く、ぶっきらぼうだが正直者、嘘がつけないのを自覚しているので「色々あるんだよ」って言って誤魔化すので慣れればすぐ見破れる】
生い立ち『母子家庭。二卵性の双子の弟がいた。母親の死後、別々に引き取られる。フタミはギャンブル狂の叔父で高校まで通わせてもらったが卒業前に、いつまでも借金を返さない叔父の担保として無理やり借金取りに引き取られる。その後なんやかんやあって、政府御用達の、公にできない事物の処理を請け負う闇商売の従業員になって叔父の借金を返している』

容姿【紺碧色の髪で全体的にモサモサして毛先が跳ねている。前よりのつむじから伸びる跳ねっ毛が一本ある。目は横長で三白眼、金色の瞳。鼻筋が目立つ。偏食らしく痩せ細った身体で身長は164センチと小さい。黒のハイネックのシャツに、フード付きの薄灰色のジャンパーを羽織る。ズボンは黒のスキニーで、靴は厚底5センチのブーツで材質は黒の合皮。首にベルトタイプのチョーカーをつけており、GPSと盗聴器が仕込んである】

備考【名も無き闇商売の従業員として国内を飛び回っている。政府からの依頼が一番多く、今は「有害図書の捜索と排除」を無期限の任務で受けている。この場合の有害図書とは自然科学にまつわる専門書で、特に気象と自然の関連を取り上げていれば、政府の正式な許可書のもと即刻排除しなければならない】

台詞「あー、そこのアンタ、本読んでるお前だよ。読書中のとこ悪いけどさぁその本渡してくんね?A・Z博士の著作はすべて有害図書に指定されてる。政府から回収が命じられてっから、正式な書類もあるから嘘じゃねえ。ほらよこせ、あ?何で……って、それが有害図書だからだよ」
「……あの、俺のこと付け回して何してんの?なんか用。…俺そんなに怪しい?なら身元明かせばいいんだな。俺はフタミ、何でも屋……みたいな仕事の下っ端してる。ハイ終わり、これでいいだろ」

質問「今は政府から仕事くるし報酬金もいいから何とかやってっけど、政府からの“公式”な依頼じゃねーんだよな。俺たちについて問い合わせる人がいるけど『只今調査中です』の一点張りだってな。……お役御免になったら、俺たちどうなるんだろな。単なるいち従業員は捨てられるんか?まあ…今は目の前のことを処理するだけだ、俺にはそれしかないからな」


(/都市部の住民でーす!地方部の子たちと差別化して生きるのに必死なキャラクターにしてみました

Re: 太陽が死んだ ( No.10 )
日時: 2019/03/03 18:18
名前: 榎@ENOKI (ID: LLmHEHg2)

[都市部住民票]

名前【ヒロミ・フォン・モーレッド】
年齢【19歳】
性別【男】
一人称【僕】
二人称【君、さん呼び】

性格【図太い。自分のことは自分で面倒見なきゃいけないから、生きるためにはなんだって手を出す強力スポンジみたいな吸収力としつこさが長所で短所】
生い立ち『母子家庭。二卵性の双子の兄がいた。母親の死後、別々に引き取られる。伯父の家に引き取られるが4人兄弟と大所帯で、さまざまな状況において後回しにされることが多かった。入試の上位3名の学費が無料になる高校に首位で入る。その後、子供のいないモーレッド教授夫妻に養子縁組みの話を持ちかけられ、大人たちの色々な話し合いの後に(金銭面の援助とか)モーレッドの養子になった。本人としては「明日も生きられるならそれでいいや」とあまり気にしていない』

容姿【黒の癖っ毛で髪を伸ばして多少マシになっている(知り合いからワカメ頭って呼ばれるけど)無気力に垂れた黒の瞳と眉毛、いつもぽかーんと開いている口がアンバランスで第一印象が「変なやつ」なことが多い。身長は172センチ、インドア派だから特に鍛えておらず標準体型。白のカッターシャツに赤のネクタイ、同色のカーディガン、黒のスリムパンツ、黒の革靴。鼻あてが赤色のノンフレームメガネをかけている。左腕に腕時計をつけている】

備考【都市部の大学に進学し、サイボーグに関する工学を専攻している。課題の片手間に、モーレッド教授夫妻についていって、国内に生存するサイボーグ手術の被験者の事後観察を手伝う。広場恐怖症、に似た恐怖症を患っている。人がおらず、四方が囲われていない空間、具体的には森の中や草原にいると1時間もたたないうちに動けなくなり、うずくまって泣き続ける。】

台詞「はじめまして、僕はヒロミ・フォン・モーレッドです。モーレッド教授夫妻のお手伝いで、今日は僕が訪問観察をしに来ました。前回から何か……僕?僕は養子です。色々あって教授に引き取られたんです」
「夫妻のお手伝いでドームから出るようになって気づいたんだけど、僕広いところが無理っぽい…。人が一人でもいれば大丈夫なんだけど。なんでだろ……僕1人になること自体、そんなになかったからかな?実はね、双子の兄がいたから、胎内からずっと誰かしらがそばにいたんだよね」


質問「母子家庭で、次は大家族、今は老夫婦のひとり息子で勉強詰めで、あちこち旅するようになったけど、何があろうとやることはひとつ、明日も生きること。僕の命は僕のものだ。たとえ肉体をサイボーグ技術で取り替えることになっても、それで生きられるんなら、構わないさ」


(/都市部のキャラクター第二弾、>>9の双子の弟です

Re: 太陽が死んだ ( No.11 )
日時: 2019/03/03 18:26
名前: 榎@ENOKI (ID: LLmHEHg2)

>>all
(/都市部の住民を2人追加してみました!地方部の子たちと対比して、なんか忙しそうなキャラクターですが気にせず絡んでいただけたらと思います!


>>8
(/絡み文があったので是非絡みたいところなんですけど、ユウヒがすでに他の方と絡んでいるので……>>8様がよければユウヒで絡むか、無理なら新しく追加した2人のどちらかで絡もうかと思ってます。希望があればそちらに合わせますので…!



>>7
(/わー!ありがとうございます!いえいえ、年の近いユウヒとナーシャちゃんですし知っていても何も問題ないと思います!絡みにくかったら後で書き直すので気にせず言っていただければと思いまっす!

デッサンや思いついたことを書き連ねていけば、気づけば3ページも埋まった。4ページ目に移る前に、今日書いたものをざっと見直す。柔らかい布を使ったデザインは春らしいかなと思ったので、とりあえずざっくりと描いてみたが、ふんわりと広がるスカート、寒い日に着るパジャマみたいな方向性になってしまう。
「メンズの春ファッションが……なかなか思いつかない…」
4ページ目に男女の素体を描き、ペアルックものを描いていたところで「おはよう」と声をかけられた。俺が子供のころに、都市部からここに引っ越してきたナーシャだ。年が近く、お金持ちのお嬢様、て言葉が似合う大人しいナーシャだけど、たまにびっくりするほど元気に動き回ることがある。そういうところも含めて、素敵な女性だと俺は思う。

「ナーシャ、おはよう。今ね…次の新作考えてて。春の季節らしい服なんだけど……これがね、なかなか難しくて。レディースはまだいいんだけど、メンズがきついんだよねぇ。ペアルックにしたらまだ何か思いつくかなって、無理だったけど…。ナーシャ的に、春っぽい服のイメージ、ある?」

斜め前に立つナーシャを上目遣いで見る。
4ページ目のペアルックは、丸く開いた襟に長袖のシャツを共通にして、女性はフレアスカート、男性は足首まであるパンツスタイル。種類が決められず、ストレートからサルエル、スキニーまで並べて描いた。4ページ目が軽いパンツのカタログになってる。

Re: 太陽が死んだ ( No.12 )
日時: 2019/03/04 08:52
名前: 一人の世界 (ID: MXUQ8YoR)

>>11

【そうですね・・・ どちらでも構わないのですが新しく関わるならフタミの方ですかね・・・】

Re: 太陽が死んだ ( No.13 )
日時: 2019/03/04 20:53
名前: 榎@ENOKI (ID: 1lEcCkWN)

>>8 >>12
(/わかりました!ではフタミの方で絡みますね!絡み辛かったら直しますので遠慮なく言ってください

俺の預かっていた任務が一通り完了したけど、休暇の許可は貰えずにそのまま政府からの任務に戻れとお達しが来た。くそったれと文句を言うのはいつものことだし、借金抱えた一介の従業員は大人しく従う他ない。荷物をまとめて、調査報告の更新日が一番古い地方部に向かった。
適当な宿屋で部屋を借りて、早速捜査をはじめる。特筆するところがない普通の町だなと頭の中でメモしていく途中で、木陰のある……年がら年中真っ暗の地方部だから、一瞬木陰か夜の暗さなのか判別つかなかったけど、木の根元で読書をする子供を見つけた。10代半ばぐらいの女で、……特に注意すべき点はないように見える。ごくごく普通の読書好きかもしれない。
遠目で何の本を読んでいるのかわからなかったから、近づいて確かめることにした。

「よぉ、そこのアンタ、読書中のとこ邪魔すっけど何の本読んでんの」

Re: 太陽が死んだ ( No.14 )
日時: 2019/03/04 22:17
名前: 百千 (ID: R8yf5QwW)

>>11
 ありがとうございますっ!!改めましてよろしくお願い致しますね(*´∀`*)
 返しにくかったら遠慮なくお申し付け下さいませっ。頑張って直しますので(;・∀・)】

 優しいオレンジ色の髪の隙間から若草色の瞳が上目遣いにナターシャをじっと見つめてくる。
 いつも見上げて話している彼の目が自分とほぼ同じ目線になっている事に少しだけ物珍しさを感じつつ「新作を考えていて」と話すユウヒにナターシャは少し眉を下げ申し訳無さそうにしながら控えめに笑みを作った。
  
「そうだったの、私ったら邪魔しちゃった?もしそうならごめんなさい。でもその分しっかり考えるから!」

 せめてユウヒの力にならなくては、と彼の手に持たれているスケッチブックに描かれている絵を真剣に見る。
 春、という単語は知っている。それを指し示す季節も。ただどんなものだったかと言われると噂程度しか知らない。それでもナターシャは自分の中にある春を一生懸命思い描いてみた。

「えっと形は女性がフレアスカートならペアルックで考えると私はストレートが良いかも。二人並んで歩いてると上品にまとまってる気がするから……。で、春っぽい、なんだけど、その、花柄とかどうかしら?あ、男性で花柄ってなるとちょっと敬遠されるかもしれないけど、色を淡い感じにして小花系にして、上なら襟とか袖とか、パンツなら裾の折り返しにかるーくアクセント扱いでなら気にならないかな〜……なんて、考えてみたり、したのだけれど……。」

 正直、プロのデザイナーに殆ど知らない自分が聞かれたからといってこんな事を言って良いのかという不安を抱えながら彼女は恐る恐る考えを声にした。ユウヒの力になりたいのは本心からで、彼のアイディアのか手に少しでもなれば、と思ったのだ。自分がかなり長々と変に喋った気になり最後は尻すぼみになってしまったが。

「その、ごめんなさい。あまり良い考えではないわね……。言われた通り作るのは出来るけど、1から考えて作るのは苦手で。あ、でももっとちゃんとしたの考えるからもう少し待ってもらっても良いかしら?」

 そう考えるとユウヒさんは本当にすごいわ。と尊敬の念を抱きつつナターシャはおろおろとしながらもしっかりとユウヒの眼を見た。

Re: 太陽が死んだ ( No.15 )
日時: 2019/03/05 13:05
名前: 一人の世界 (ID: MXUQ8YoR)

私は小説を熱心に読んでいる間がとても好きだ。その間誰かの声ですらも何かにかき消される。
でも今回の小説は駄目だ・・・ あまり主人公にも感情移入出来ないし、読んでて楽しく無い。
そう思っていると、誰かが話しかけてきた。

「春の物語の本」

私はそう言って本を閉じた。だって話す相手の目を見ないと失礼だし、本もつまらなかったしね。

Re: 太陽が死んだ ( No.16 )
日時: 2019/03/05 17:56
名前: 榎@ENOKI (ID: ET0e/DSO)

>>14

「柄物、いい案だよ!これなら、トップスとアウターの組み合わせ次第で使える着回しアイテムとしてもいけるよ」

ナーシャの発言を聞いて、すぐにスケッチブックのすみに走り書きでメモする。シルエットばかりにこだわっていたなぁと反省しつつ、素体同然の男に大まかに書き込んでいく。折角なら花柄のペアルックにしよう。同フレアスカートとストレートパンツに“花柄・パンツは裏生地”と補足する。

それから、自分の立場をわきまえるような口ぶりで謝罪ともう少し考えさせてと言われて、思わず瞬きをしてナーシャの顔をまじまじと見た。
そういえば、ナーシャと仕事の話をしたことがない……。ナーシャがいろんなことに精力的に行動しているところを見てきたけど、俺は傍からすごいなぁと微笑ましく眺めていただけ。ナーシャの知らない一面と、諦めないところと、絶えない向上心に触れて自然と微笑ましくなるし、いい刺激になった。
控えめに、だけど確かに俺の目を見るナーシャに気づき、笑むように目を細めた。

「そんなことないよ、ナーシャ。服は誰だって着るものだし、その日の気分もガラリと変えるぐらい凄くて…………俺ひとりじゃあ、どうしたって思いつかないこともあるさ。ナーシャがこうして考えてくれるだけでも大助かりなんだ。だから、お言葉に甘えて、ナーシャの意見聞きたいな」

Re: 太陽が死んだ ( No.17 )
日時: 2019/03/05 17:57
名前: 榎@ENOKI (ID: ET0e/DSO)

>>15

春の物語の本。
俺の質問に要点のみ返され、興味なさげな言葉のチョイスに思わず「え、雑」と小さく呟く。物語だから専門書の類いではない。春の物語と紹介されても、どんな内容なのかこれっぽっちも想像できねえ。
座っている子供から3歩ほど距離を開けて屈んだ。下手に警戒されないように、かつ嘘を言われたときに察知しやすいように相手と目を合わせる。

「あー……そんなに面白くなかったんか、その本。ていうか小説だよな?お前、本結構読むタイプ?」

さて、子供に怖がられないように会話しなきゃいけないわけだけど、これであってんのか?
注意深く観察する素振りを誤魔化すように、跳ねて頬にあたる癖毛を耳にかけた。

Re: 太陽が死んだ ( No.18 )
日時: 2019/03/05 18:35
名前: 一人の世界 (ID: MXUQ8YoR)

雑 と言う言葉に 悪かったね と心中で思いながら言われた質問に返す
「つまらなかったよ。主人公に感情移入も出来なかったし。 本は読むのが好きだからそう。」
と答えた。

割と警戒されてるように感じながら。

Re: 太陽が死んだ ( No.19 )
日時: 2019/03/05 22:17
名前: 百千 (ID: R8yf5QwW)

>>16

 ユウヒの優しい笑みに安心したのかホッとしたナターシャは無意識に強張っていた表情を緩めて彼によって描かれていくデザインをまじまじと見つめる。
(支離滅裂だった私の考えがユウヒさんのおかげでまともに見ててきた。)
 そんな事を思いながら、彼女はまた思考を巡らせた。もっと役に立てそうな考えを言う事が出来たら自分なりに少しでも彼に協力出来そうだからだ。
 そして何よりもユウヒがナターシャの考えを笑わず真剣に聞いてくれた事が彼女にとって何よりも嬉しく感じたのもある。

「……ん?なぁに、ユウヒさん。私の顔に何か付いてる?」

 ふと、彼の手が止まり自分に視線が行っていることに気が付いたナターシャはこてんと首を傾げながら小さく微笑んだ。
 その後に発せられたユウヒの言葉に彼女の心がほんのりと温かい何かが広がっていくのを感じた。嗚呼、なんて優しい人だろう。と感謝の気持ちが溢れるような、そんな気持ちだった。

「ありがとう、ユウヒさん。」

 満面の笑みをうかべつつ彼女はしっかりと彼に感謝の言葉を述べた。
 もっと何か喋ろうと思っていたようだが、胸が一杯でそれ以外喋れそうになかった。

「やっぱり、色は薄い、というか淡い感じがいいわ。柔らかいような、優しいような。どこかの本で始まりの春って単語を見かけたこともあるし……明るくて彩度が高めの色が素敵。」

 ひと呼吸をおいてから彼女はユウヒの隣に座りしっかりと目を見ながら考えを口に出し始めた。
 色の話からナターシャは生地の触り加減のイメージに続き、小物まで些細に至るまで思い付く限りを言葉にしているような、そんな一生懸命な話し方だった。

Re: 太陽が死んだ ( No.20 )
日時: 2019/03/07 03:20
名前: 榎@ENOKI (ID: gK3tU2qa)

>>18
怖がられてないようだったので一先ず安心すべきか、悩んだ。この子供がいくつなのか分からない、意外と同い年かもしれないし5つ以上年下かもしれない。いや、年の話は重要じゃない。
今わかること、そして気をつけておくべきなのは——体験と知識をもってしてこちらをはかることなく、目の前を見ているだけの無垢な子供を相手にするのだから、俺は身構えたり、妙な警戒心を控えた方がいい。
およそ1年の月日で裏社会に足を突っ込んだ大人ばかり相手にしてきて、その最中に子供と接触したことが一度もなかったから子供相手に正しいコミュニケーションがとれるか分からん。今だって、前にいる子供が何を考えているのかも分からん。
……そもそも“正しいコミュニケーション”なんてものが存在するのか?
とにかく、今は目的の専門書探しを優先させないと。

「ほーん、感情移入ができない……。じゃあ小説以外の本は読まねーのか?たとえば、料理の本とか、歴史書とか、専門書……とか、色々あんだろ。入門編やハウトゥー本とか、探さなくともすぐ見つかるし、なんなら難しい内容を分かりやすくコミカライズされたもんもある」

しゃがんだ姿勢のまま、太ももの上で頬杖をつく。顎に手を当て、人差し指をトン、トンと頬に当てながら書店でよく見る本の配置やジャンルを思い出しながら、そう問いかけた。

Re: 太陽が死んだ ( No.21 )
日時: 2019/03/07 03:20
名前: 榎@ENOKI (ID: gK3tU2qa)

>>19
「え、あ、えっと……ナーシャの新しい一面にびっくりしただけ。……なんだか、改めて口にすると少し恥ずかしいな……へへ」

ナーシャの指摘で、俺がしていたことを自覚して思わず笑った。まごうことなき照れ隠しだけど、ここはちゃんと言っておくべきだと思ったから後悔してない。

満面の笑みを浮かべたのを見て、よかった、と内心で安堵する。
それから、俺の隣に座るナーシャを見届けてから、彼女が俺と目線を合わせ続けていたことにやっと気づいた。そこから、作業に行き詰まっていたというか、ドロ沼から身動きできなかった状況からするすると引きずり上げられる感覚を覚えた。まわりの様子に気づかないほど熱中してたんだな……と思ったのも一瞬で、すぐに隣に座ったナーシャの小ささに驚きつつ愛でる気持ちで溢れる。小さいものは可愛いし、その小さな器に生命力が計り知れないほど沢山詰まっているのを知っている。
頭の中をたどるような喋り方に黙って相槌を打つ。俺よりも小さいナーシャの目から伝わる必死さに頬がゆるく持ち上がったことに気づいたけど、そのままにしておく。
以前知り合いに“子供扱いされてる感じがする”って言われたから、多分そんな感じの表情をしているかも。でも怒られたことないし、小さいものは可愛いから仕方ないよね…。
ナーシャの話に一区切りついたタイミングを見計らってスケッチブックのページをめくった。

「始まりの春、か。聞いたことなかったな……。ああでも、冬眠した動物も起きてくるし、雪が溶けて植物が芽吹くって聞くし、ピッタリな言葉だね。あと、優しさと柔らかさは欠かせないよね……花柄とは別に、花そのものをモチーフにするのもいいかも。あれ、でも淡い色の花って何があったっけ?」

ぱっと思いついた花をスケブに書いていく。チューリップ、コスモス、パンジー、たんぽぽ。このあたりで見る花だけでも、淡い色合いものは……一応たんぽぽの種が白い羽がつくから淡いかもしれないけど。

Re: 太陽が死んだ ( No.22 )
日時: 2019/03/07 09:17
名前: 一人の世界 (ID: MXUQ8YoR)

「それは知識を専門として頭の中に入れたいからでしょ?私は感情をその小説の中の誰かに移入させたいの」

そう言ってからふと疑問に思った。 何故、名前も知らないような真っ赤な他人にこんな事を喋らなければならないのか? と。私は木陰の中で少しだけ距離を取った。

Re: 太陽が死んだ ( No.23 )
日時: 2019/03/07 20:38
名前: 榎@ENOKI (ID: dSN9v.nR)

>>22
小説の誰かに、感情移入がしたい?と頭の中で確かに引っかかったけど、俺自身読書好きでもなんでもないから単なる価値観の相違だろうと思った。それよりも、小説以外の本を読むことを「知識を専門として頭の中にいれる」と表現されて、学生時代の出来事を思い出す。読書のなんたらよりも、そちらの方に意識がとられてしまった。

「あっはっは!その言い分さぁ、勉強したくない同級生も似たこと言ってたぜ、センセーこんなことベンキョーして何の役に立つんですかーって……ひー!ウケる!やっぱお前ぐらいの年頃だと誰もおんなじ事考えるんだな……すげーわ」

と喋っている間も笑い続けて、変につぼってしまい腹筋がつってその場に尻餅をついた。
まあとりあえず先の発言で、この子供が探している専門書の類を読むことはないとわかっただけでも十分だ。笑い涙をぬぐいながら改めて前に座る子供を見ると……すこしこちらから距離を置かれている気がした。

「ははは…………あー笑った、腹がいてえ。そうだな、小説以外の本は確かに読んでても面白くねーだろうな。でもな、お前の読んでたその本が今は面白くなくても、出版社から出た本ならぜってーどこかに興味深いもんがあるぜ、俺読んでないから知らねーけど。まあ、昔の本を読み漁らないなら、お前がどんな読書スタイルを貫こうが俺の知ったこっちゃねえ」

この子供からこれ以上手がかりはつかめないだろう。立ち上がり、服についた土を払い落としながら「読書の邪魔して……あれこれ先に言ったっけ?別にいいか。俺さぁ今本探しててよ、この辺で本屋どこにあるかしってっか」と尋ねた。

Re: 太陽が死んだ【募集中】 ( No.24 )
日時: 2019/03/07 23:46
名前: 百千 (ID: R8yf5QwW)

>>21

「そう?……あ、そうだ。ずっと外にいたんだし体冷えてない?じゃがいものポタージュが水筒に入ってるの。外に出てあんまり経ってないしまだ温かい筈なんだけど。」

 ナターシャは鞄の中からスープが入った水筒――といっても実質はコップが2つ付いた魔法瓶のようなもの――を取り出し、自身の顔の近くでユウヒに見せてみる。
 照れ隠しに微笑むユウヒを見て少しだけこれ以上その話を広げて困らせてはいけないな、と彼女なりに考えた行動だが些か強引になってしまっている事には気が付いていなかった。
 正直、ナターシャの方がユウヒの顔をずっと見ていたのだ。そこを言われてしまうと、言い訳めいたことしか話せないからナターシャとしてもこの話は広げるのを避けたかった。出来れば自分の行動がユウヒを不快に思われていませんように、とこっそりと祈ることも忘れずに。
 そしてコップを水筒から取り外してユウヒが返答する前にスープをコップに注ぎ始めた。そして、ついまたユウヒを見てしまった。だが、ユウヒがナターシャを見る眼を見るとすぐに、ユウヒから目線を逸した。ほんの微かにナターシャの瞳が震えた。

「はい、スープ。火傷はしないと思うけれど一気飲みはしないでね?」

 貴方の中じゃ私は子ども、なのね。なんて子どもみたいな事は言えないから、ナターシャは素早く笑みを作りユウヒにコップを手渡した。切り替えが上手く出来ずに寂しさは含まれたままだったが。

 そして花の柄として様々なものをユウヒに見せてもらい想像してみるがどれもナターシャの中でピンと来なかった。どれもきっと花柄のシャツとなると素晴らしい物になるはずなのに春らしいか、と問われればうんと言いづらかった。

「淡い……前、ふっるーい写真なんだけど木の花の一種でそれっぽいの見たことある気がする。」 

 そんな中、諦めずにスケッチブックの中をじっと見て考えていると断片的に何かが頭を過ぎった。無意識のうちにぽろりと言葉を落としたナターシャは今話している内容にぴったりな花のような気がしたため、手をこめかみにあてて必死に思い出そうとし始めた。

Re: 太陽が死んだ【募集中】 ( No.25 )
日時: 2019/03/08 08:55
名前: 一人の世界 (ID: MXUQ8YoR)

>>23

「あなた少し勘違いしてる、私は勉強は好きだよ?勉強も感情移入には必須だと思ってるからね。学校での成績も良いんだから。でもそれより本を読むのが好きなだけ。あと大笑いするなら何処かへ行って。うるさいから」

私はわざと不機嫌な風に見せた。理由は単純、大笑いされて気分が悪くなったから。

「あと、私は一応小説以外も読むよ?意味が理解出来ない単語とか出たらね。あとこの小説も割と古い物なんだから。」

って言ってやった。この本は確かに古い物でお父さんのお父さんが持ってたと言う話をお父さんから聞いた。・・・・・・お父さんは冗談好きだからほんとかは分からないけど・・・

本屋の場所を聞かれたので、わざと逆方向を教える事にした。

「本屋ならそっちに行って真っ直ぐ行ったらあるよ」

ってね

Re: 太陽が死んだ【募集中】 ( No.26 )
日時: 2019/03/09 02:24
名前: 榎@ENOKI (ID: SsbgW4eU)

>>24

じゃかいものポタージュ?水筒?
ナーシャの言動に首を傾げ、黙って一挙一動を見届けた。コップに注がれたじゃかいものポタージュに合点がいき、「ポタージュだ、ありがとう」と見たままの感想を述べて受け取った。
器越しに伝わる温もりを指先で堪能する。一口飲んでいる間に、ナーシャが俺にコップを渡したときに見せた表情の変化に思考を張り巡らせた。……ポタージュ?味の心配?そもそも何で水筒にじゃがいものポタージュが……何か予定でもあったのかな。それとも、何か嫌なこと思い出したとか。あ、俺の顔に何か……。
前に言われた、子供扱いみたいな表情がダメだった?
なにが正解かなんて分からない。けど、ナーシャはこっちに引っ越してきてからみるみると元気になって、何にでもチャレンジする活発な人だ。ナーシャと深く関わりあったことはないけれど、ナーシャの両親らしき人が訪ねてきたという噂は聞いたことがない。もしかしてそれと関係があるかも。いやこれはちょっとピンポイントすぎる考え方じゃない?
ナーシャがふと見せた悲しげな表情をどうすれば拭えるだろうかと考えている間に、一口……ちょっとだけ飲むつもりだったポタージュをすべて飲み干してしまった。空になったコップを見つめながら、まとまらない思考回路のまま口を開いた。

「ナーシャってすごいよね、毎日頑張ってるし、このポタージュもナーシャが作ったんだよね?俺、実家暮らしだし家事は親任せだし……デカイ図体なのに心は子供のまんまだなって親によく言われて…………あれ、今俺んちの話してどうすんだ」と一人でツッコミを入れて、改めてナーシャの方に向き直った。俺の不安な気持ちがナーシャにうつらないように、胸を張って、俺が出来うる限りの笑顔を浮かべる。
「えーと、とにかく、ナーシャはすごい!すごいなって俺は思う!どうしても、これが言いたかったんだ、ごめんね、急に変な話をしちゃって……。ポタージュ美味しかった、ありがとうね」

そう言ってナーシャにコップを返した。俺から話したのに、途中で寄り道してやや強引に終わらせてしまった……。人のことを思いながら話すのって難しいなあ、恥ずかしいなあ。でもこのまま放っておくのも嫌だった。……俺のエゴをナーシャに押し付けてないだろうか?



「木の花かぁ……、梅、椿、金木犀、山茶花……」
木の花、と言われて俺も覚えている限りの花の名前を挙げてみる。どれも春の花と呼べるのかどうかは分からない。ただひとつ、確かに淡い色を帯びているけど花なのか分からない木を思い出した。桜だ。
「ナーシャは桜って木、知ってる?俺、図鑑でしか見たことないんだけど……なんか、一時期だけ葉が花びらのように淡いピンク色になって、散って緑色の葉が出てくるっていう不思議な木なんだけど……」

Re: 太陽が死んだ【募集中】 ( No.27 )
日時: 2019/03/09 02:24
名前: 榎@ENOKI (ID: SsbgW4eU)

>>25

勉強に感情移入というフレーズに、ついに俺の頭がパンクした。なんなら「はわわ……」と意味のわからない悲鳴を弱々しく口にするほどだ。
そもそも感情移入ってのが俺にはイマイチわからないのに、そんな代物をさも当たり前のように扱われると感情すらも追いつかない。
いやこれが感情移入なのか?俺は今、感情移入ができてないのか?何に対して、感情移入ができないんだ?
学校の成績が良くて読書好きの人間ってのは、俺とは真反対の人間に違いない…。たとえ上位の成績が取れるほど頑張っても、それだけでは生きていけないのは身にしみるほど分かっている。そんなもの、叔父の借金返済やこの闇商売からすぐに足を洗えるほどの便利な道具じゃない。役立つのは子供が大人に歯向かうときぐらいじゃないか、俺はもう子供じゃないから利用できない。

体の奥深くから戦慄する発言をかました目の前の子供が恐ろしく見える。
当の本人は大人しいが、あれは台風の目だ。だってアイツから離れて立っている俺が、混乱で頭が回らない上にこんなにも恐怖しているんだ。
俺が今立っているのはどこぞの地方部じゃなく、台風で吹き荒れる世界だ。気圧と風速は史上最高値を叩き出してるに違いない。

「ひえぇ……子供こわ……お前やべーわ……。……てか、単語を知るために読むのは本じゃなくて辞書じゃねーのか……?」

激しく脈打つ心臓を、服の上から抑えるように胸に手を当てながら突っ込みをいれるけど、それすらも弱々しい口調になる。

「小説なら古かろうが新しかろうが、どうでもいい……。小説の内容を真剣に受け取る奴なんてそうそういないだろ、魔法や火を噴くドラゴン、幽霊やエイリアンなんて存在が小説の中にしかいないように……。人間は言葉で世界を知るけど、所詮自分の五感で知り得るものしか信じられねーんだからな」

心臓の脈動が落ち着いていくにつれ、口調もいつも通りになるがまだ頭の中が混乱している。久しぶりにヤニ吸えば落ち着くかな……。
本屋の位置を示されたのでそちらに足を向ける。これ以上振り回されたくない、子供と言う名の恐怖体験はこりごりだ。台風の被害に遭いたくなきゃとっとと離れるのが正解だ。

「本屋はそっちか、わかった。話はこれで終いだ。じゃあな、……」と、ここで子供の名前を聞いてないことに気づいた。
俺自身、任務の関係であまり名乗りたくなかった。でも、このタイミングで聞いて、この子供は答えるのか?俺の笑い声を不快に受け取ったやつだぞ。
「……クソガキと呼べばいいか?名前教えてくれんならそっちで呼ぶけど」

Re: 太陽が死んだ【募集中】 ( No.28 )
日時: 2019/03/09 09:36
名前: 一人の世界 (ID: MXUQ8YoR)

>>27

「そうね。その単語を知る為に、辞書を見て何の単語かを知ってそこからちゃんとした意味を知るね」

私の何処がヤバイのか分からなかったので触れないままにした。

「小説の中だからこそ、空想を楽しめる。そうね・・・例えばドラゴンの居る世界でドラゴンと仲良く出来たら?って考えてみて。」

私は一番最初に読んだ小説の大方の物語の話をした。

「私はとてもワクワクするわ!空を飛べるんですもの!小説はそれを与えてくれる。小説は、その空想を現実に考えさせてくれる。それがたまらなく楽しいのよ。」

そう言った。

そして私はにこやかに
「あなたの名前を先に教えてくれるなら教えてあげる」
と言った。

Re: 太陽が死んだ【募集中】 ( No.29 )
日時: 2019/03/09 19:21
名前: 百千 (ID: Ft4.l7ID)

>>26

 少しだけ難しそうな顔をしたユウヒがスープを飲む姿にナターシャは気に入らない味だったかしら、と緊張しながら様子を伺うように横目で見ていた。
 さっきの渡し方はあまり良くなかったのではないか、唐突過ぎでなかったか、押し付けがましかっただろうか、様々な考えが彼女の頭に浮かんではずしりとのし掛かる。
(話を変えようとした行動だったけど、ユウヒさん迷惑だったんじゃないかしら。最初からお仕事の邪魔してるし……。)
 ナターシャの思考回路が悪い方に進んでいる最中、ユウヒがゆっくりと口を開いてくれたおかげで考えることを止めることが出来た。
 彼の口から語られる話をしっかりと聞いていたが、いまいち頭が追いついていないのか彼女はきょとんとしていたが、ユウヒがこちらを向き、笑顔で自分を褒めてくれていたことを悟ると

「あ、ありがとう!?」

 と、驚きながらもすぐさまお礼を言った。なぜ急に褒めてくれたのかは理由は分かっていなかったが、嬉しいことに変わりない。

「でも、ユウヒさんだってとても仕事真面目よ。服を考えるために実際に外に出て座ってじっくり考えるなんて早々出来ないわ。それに心が子どもなんかじゃない。ユウヒさんはとっても優しくて純粋なのよ。」

 スープ、お口にあって良かったわ。と言い加えながらコップを受け取る時、褒められ慣れてないせいで、照れて頬が熱くなるのを隠すように伏し目がちになったが、話すときはしっかりと顔を上げてユウヒに向かって笑顔を返した。
 きっと表情に敏感な彼だ。一瞬でも変な表情になった自分を元気づけようとしてくれたのだ。なんて自分勝手なことを考えながら。
(今は子どもでも、いつかうんっと見返せるようになれば良いだけよね。)
 なぜ、見返したいと思ったのかは今はまだ考えないようにしよう、と両手をそっと胸にあてて小さく微笑んだ。


「さくら…………。そう、桜!」

 ユウヒの口から出た花の名前をナターシャも口に出してみると、思い出した勢いで目を見開いき、勢い良くユウヒの方へ向く。

「葉っぱが薄ピンクになるんじゃなくて春に花が咲くのよ。さっき言ったみたいな5つの花弁の小さい花がっ。それが散ってから葉っぱが生え始めるの!ユウヒさん流石だわ!私名前すっかり忘れてて……!口に出して良かった!!」

 少し興奮しながらナターシャは喋りながらユウヒの片手を両手で握り縦に振りだした。

Re: 太陽が死んだ【募集中】 ( No.30 )
日時: 2019/03/09 20:52
名前: 榎@ENOKI (ID: qToThS8B)

>>28

「空想なら俺もよくやるぜ。金も食いモンもないときにそこら辺にあるものの味とか、仕事でやらかしてめちゃくちゃ怒られてるときにはよ終われって念じながら、目の前の奴の顔をどれくらいボコボコにしてやろうかって」

そうして、子供が気に入っているらしい本のあらすじを聞かされて、ああ結局は子供か、と諦観する。いや、細胞単位まで無垢で未曾有の激しさを抱え込まれているよりましか……。

「お前の言う通り小説はすごいぜ、現実に起こり得そうにないことでも読んでいると楽しくなってくのもわかる」と言って、適当に相槌を打つ。

さて、現実と空想を重ね合わせて楽しんでいると公言してみせた子供の扱いを一考する。
こいうは小説と妄想と現実の区別が正しくついているようだ、ぶっ飛んだ発言はするけどオツムはそれなりにあるという……。
俺の任務は専門書の類いを読む人間となれば科学に造詣の深いやつばかりだ。専門書と知識の通りに再現したり検証したりする人間がたまにいて、そいつらは揃って政府から睨まれている。政府の飼い犬になるなら話はそこで終わる。これは他の従業員が請け負っていることだが——従わないならムショに連れていかなければならない。
さて、この子供が妄想を現実に限りなく近い条件で再現するかどうかは、先の話だし誰にも分からない。ただ素質は申し分なく、十分にある。注釈をつけて、要注意リストにいれよう。

「……俺の名はフタミだ。ほら、答えたからお前も名乗れよ」

Re: 太陽が死んだ【募集中】 ( No.31 )
日時: 2019/03/09 20:53
名前: 榎@ENOKI (ID: qToThS8B)

>>29

俺の思っていた通りになったかな、これでナーシャは元気になったかな……と静かに彼女の様子を伺った。結果は良し悪しでつけられず、こちらが先に褒めたからなのかナーシャも俺のことを褒めてきて照れしまった。
何かと相手のことを褒める癖は自覚してて、知己の人たちは皆そろって聞いててくれたけど、ナーシャみたいに褒め返されたのは初めてだ。うわぁ……こんなにも照れるものなんだ……。

「えへへ、俺、そんなこと言われたの初めてだよ」

照れくさくて、ほてった頬を指先でさする。ナーシャが胸に手を当てて微笑む姿に安心し、「それじゃあ、春の服考えよっか」と話を切り替えるつもりでシャーペンを手に取った。




「桜で合っててよかった……けど、あれ花だったんだ?!いや確かに花びらみたいだなあとは思ってたけど、桜って不思議だなあ」

俺が思いついたもので合っててよかった、という気持ちはすぐにナーシャの力説と興奮のあまり俺の手を握ってはしゃぐナーシャの姿で押し流された。ナーシャの平常の大人しさはどこへやら、活発になった姿は知っているものの間近で見るのはこれが初めて。自分よりもオーバーなリアクションを見せる人がいると、俺は自然と落ち着いた反応になる。
桜をモチーフにしたデザインを考えながら忘れないように声に出す。手は今ナーシャの興奮に付き合ってるので使えないのだ。

「桜かぁ……桜なら小物に取り入れてみたいな、ブローチとか……幼女向けにもいけそう?淡いピンク色ならワンピースにしてもいいし。あっ襟に桜の花びらの刺繍にいれたり……。ナーシャなら、桜のモチーフのファッション、どんなのがいい?」

Re: 太陽が死んだ【募集中】 ( No.32 )
日時: 2019/03/11 09:15
名前: 一人の世界 (ID: MXUQ8YoR)

>>30

「現実な想像をするのね・・・」

と少し残念がった。私の中だと現実的な想像は空想じゃ無い。そう思ってるから。でもまあこの人はそう思ってることは知らないので放っておいた。

私は相槌に少し嬉しく思いながら、ふと・・・ 都市部はどうなってるんだろう? と思った。
でも考えるのはフタミさんが居なくなってからか。

「フタミさんですね。私はラッカ・サングリアです。本屋に行くって事はお仕事ですか?」

と聞いた。本屋=お仕事と考えた理由は簡単、この人が本屋が何処か聞いたから。
多分そこら辺の地方でも売ってる本は同じ、となると売ってる本を探してると言う線は薄い。
まあほぼ勘ね。

Re: 太陽が死んだ【募集中】 ( No.33 )
日時: 2019/03/10 21:53
名前: 百千 (ID: R8yf5QwW)

>>31

 照れながら初めて、と言われてナターシャは「そうなの?」と目を見開いて驚きながらユウヒを見てしまった。
 もしかしたら彼の周りでは彼自身や人々の優しさや温かさが当たり前のことなんだろうか。それはなんて素晴らしい空間だろう。ナターシャも街の人達にとてもよくしてもらっているが、それでも羨んでしまった。
 しかしそれは良くないことだと思い直し、言葉にすることも表情に出すこともしなかった。その代わりユウヒの言葉に力強く頷き、

「頑張るわね」

と微笑んだ。



「……あ、ご、ごめんなさいっ。」

 ナターシャはすぐさまユウヒの手を離し謝罪した。自分だけ大袈裟に喜んで、何よりもユウヒの邪魔をしていたことに対して羞恥と罪悪感でいっぱいいっぱいになりそうだった。
(なんでユウヒさんに大人って思われたいのか分かったわ!私彼の前で子どもっぽいことばかりしてるんですもの!!そりゃあそう思っちゃうわよっ。)
 顔が先程より熱くなっていくのを理解しながら手を両膝に置いて何度が軽く深呼吸をして落ち着こうとした。

「ファッションならシャツの襟とか裾に桜の花の刺繍があったらきっと可愛いから好きだし、ちょっとお洒落したい時に桜の花びらのピアスとかあったら華やかになるかなぁって思うし。桜柄のワンピースも素敵だわ。私きっと買う。……あ、ただ私が欲しい物の話になっちゃったわね。」

 最終的には自分の欲を零しだしたので苦笑しながら言葉を切った。

「でもファッションに桜を取り込むのユウヒさんが初めてなんじゃない?春には桜、の先駆けになったりして。都市部にも考えつく人居なさそうだし。」

 今まで花柄を取り入れファッションはあるが春限定の花柄をナターシャは見たことないなぁと思いながら今更かもしれないが独り言のように呟いた。

Re: 太陽が死んだ【募集中】 ( No.34 )
日時: 2019/03/12 01:01
名前: 榎@ENOKI (ID: UeLkOLiI)

>>32

「現実?どこが?パチ屋によくある銀色の球を食いもんだと信じて味や食感を想像するのって現実的か?……いや、変なこと言った、忘れてくれ」
思わずムキになって言い返すが、幼児みたいな行為を例えに出してしまい反省する。厳密に言えば、幼児は食欲じゃなく好奇心で口に入れるがやってることは同じだ。

ラッカ・サングリア。これまでに接触したことのある人たちで覚えている中に同姓のはいない。まあまだ子供だ、予備軍にギリ入るぐらいだろうし慌ててガサ入れする必要はない、要観察のレベル——と頭の中で調書の内容を大まかに組み立てていく。

「……」本屋に行く用事を仕事かと尋ねられ、答えあぐねる。
業務の前準備、必要な道具を揃えている感覚でいたために仕事なのか自問自答したのもあったし、これまで一切俺に興味を示さなかったサングリアが自らこちらに歩み寄る姿勢を見せたので驚きもあった。
いやちょっとまて。俺まだ19歳なんだけど、仕事してるような奴に見られたのか……?サングリア自身まだ幼さはあるけど俺との年の差はそこまでないと思う。えっ、俺そんなに老けて見えるのか。

「まぁ仕事の一環みたいな……てか何で仕事だと思ったんだよ。年齢的に学生でもおかしくないじゃん、俺が仕事やるような年に見えるか?」

Re: 太陽が死んだ【募集中】 ( No.35 )
日時: 2019/03/12 01:01
名前: 榎@ENOKI (ID: UeLkOLiI)

>>33

落ち着いたナーシャを見下ろして、飽きないなあ、と和かになる。彼女の顔が赤くなっていく様子にどう声をかけようか考え、そっとしておくことにした。しっかり者のナーシャだから今は頭の中でいろいろと考えているんじゃないかと判断したからだ。
深呼吸をはじめたので、少し間を置いてから「ナーシャの疑問が解けて何よりだよ」と声をかける。ナーシャが完全に落ち着くまでに、声に出した案を走り書きでまとめた。


「桜のピアス、桜柄のワンピース……。アイデアが次々出てくるとワクワクしてくるなぁ」
顔と手はデザインを描くためにスケッチブックに向いてしまい、ナーシャに対して声をかけたつもりなのにほとんど独り言のようになってしまう。そこを自覚できる程度に意識は彼女との会話に向いてるけど、苦笑するナーシャのフォローができない上に迷い線が多いデザインが次々と量産されていく。何もかもが中途半端だ……。これは少し時間をおいた方がいいかもしれない、と経験による勘でシャーペンの芯を潔くしまった。

「リサーチで見た覚えないから、桜モチーフのファッションは出てないね。季節を意識したファッションも主流じゃないし……。でも、俺、都市部には一度しか行ったことないんだよね、俺んとこのブランド都市部に出してないから余計行く機会もなくてさ……あ、そういやナーシャって都市部から来たんだよね?もう随分前になるけど、どんなとこか覚えてる?」

Re: 太陽が死んだ【募集中】 ( No.36 )
日時: 2019/03/12 10:01
名前: 一人の世界 (ID: MXUQ8YoR)

>>32

へ? と思ったが、相手が忘れてくれと言ったのでまあ気にしないのが妥当だろう、そう思って、そこには触れないことにした。

しばらく間が開いて相手が質問をしてきたので答えることにした。

「仕事だと思った理由ね・・・ あなたが本屋の場所を聞いたから?かな? それに、それ位の年齢でも働いてる人は居るし掛け持ちの可能性もあるでしょ?」

Re: 太陽が死んだ【募集中】 ( No.37 )
日時: 2019/03/13 15:39
名前: 榎@ENOKI (ID: z6zuk1Ot)

>>36

本屋の場所を聞かれたから、という理由に違和感を覚え、思わず「そうなのか…?」と呟きながら首を傾げた。
本屋ぐらいで……というのもあった。以前に、個人経営の本屋のオーナーに国内の本屋を見てきたと話せば、自分と同じ本好きだと思われて一方的に好かれた記憶があまりにも強すぎて、本屋探し=趣味嗜好の範疇だとインプットされていたからだ。でもまあ、その辺は人によりけりだろう。あのオーナーみたく勘違いされるよりましかと結論付ける。

「本屋巡りなら好き好んでやる人間もいるけど……まー別に大学は義務教育じゃねーし、お前のその考えは間違っちゃいないな」

さて、サングリアから聞きたい話は他にあるだろうかと逡巡したが、特に思い浮くことはなかった。いや、確認したい事柄ならひとつ。

「本屋の位置がわかったし俺は仕事に戻るけど……俺さぁ、知りたいことがひとつあんだよ。北極と南極ってやつ、俺詳しく知らないし見たこともない。サングリア、お前どんなとこか知ってっか?」

上着のポケットに両手を入れ、尋ねた。
北極と南極がどんなところかなんて、一般常識を知らないふりをしてみせる。なに、実物を見たことないので嘘は言っていない。
任務のために無知を振舞っているだけだ。

Re: 太陽が死んだ【募集中】 ( No.38 )
日時: 2019/03/13 20:48
名前: 百千 (ID: lQjP23yG)

>>35

 気を遣わせすぎている。自分の突拍子の無い行動のせいであると自覚済みのナターシャはしっかりとせねば、と改めて意気込んだ。
 自分の言動一つ一つがユウヒに対して影響力を持っているとは思っていないものの、先程まで滑るように進んでいたペンの先から迷い線が生み出され、そのまま芯が仕舞われたのを見て何故かどうしようもない罪悪感が生まれる。

「もっと、いい案を考え付いたらいいのだけれど……。ごめんなさい、今はこれが精一杯だわ。春や桜の優しさとか柔らかさとかを活かした物を考えたいんだけれど、うまく言葉にまとめられない。」

 正直にアイディアが無くなったことを伝え、座ったままだがしっかりと頭を下げる。
 帰る途中本屋でデザインの本でも探してみようと思う程には申し訳無さと悔しさでいっぱいだった。

 ナターシャはユウヒのブランドは素敵だから都市部でもかなり人気になりそうだなぁ、と思いつつ「そうだったの。」と頷きながらユウヒの方に顔を向け頷いていた。

「え。」

 しかし、ユウヒの問いに笑顔のまま凍りつき、すぐにぎこちなく目を逸らして自分の足元に目をやる。
 確かに都市部に居た。幼少期ではあるがナターシャの中にもある程度の記憶はある。家の中や家族のことばかりが残酷なほど鮮明に。虚弱な幼少期を過ごした彼女が見てきた狭い世界は、部屋の窓の外の風景と家族との微かな関わりがほぼ全てだったため、ユウヒに教えられることを見つけるのに時間がかかったが、ナターシャはゆっくり口を開く。

「小さい頃だったからあんまりだけど……。でも、そうね、地方部よりは明るかったし、人がたくさんいてみんな忙しそうだった。あと流行ると一瞬で広がるし、流行はみんな知ってる常識みたいだった、と思う。」

 ありきたりなことしか言えていないのを自覚しつつそれでも思い出して話せそうなことは全て伝え、へらりとした笑みを浮かべながら「私、記憶力悪いみたいだわ。」と締めくくった。目を逸らしたまま。

Re: 太陽が死んだ【募集中】 ( No.39 )
日時: 2019/03/14 10:59
名前: 一人の世界 (ID: MXUQ8YoR)

>>37

割と勘も侮れないなと思ってから
私はフタミさんの質問に答えた。

「北極は、地軸の一番北にある北極点の周辺海域や存在する小さな島々、周辺地域のこと。南極とは、地軸の一番南である南極点を中心として、南極大陸やその周辺に存在する小さな島々に加えて「南極海」と呼ばれる海域を含んだ地域のこと。因みに寒さで言うと南極の方が寒いらしいです。生きる生物の違いで言うと・・・北極には真っ白な熊と真っ白な狐が居てる。南極にはペンギンと言う鳥類の一種が居てるそうです。そのペンギンって飛べない鳥類らしいですよ。」

私は前に読んだ本の内容が確かそれ関係だったから必死に思い出しながら言った。その後に何故聞いたか?の疑問になった。本に関わる仕事ならそれなりの知識を持ってるはず・・・ なのに何故聞いた? ・・・とりあえず本当の本屋の場所を教えておこう、そしてすこし距離を置こう、そう思って。

「・・・・・・さっき言った本屋の場所は嘘です・・・ 本当は逆方向です・・・」

そう言ってから少し離れた。

Re: 太陽が死んだ【募集中】 ( No.40 )
日時: 2019/03/15 23:36
名前: 榎@ENOKI (ID: 3edphfcO)

>>38

ナーシャが、謝罪の言葉を口にして頭を下げる。今日こうしているだけでも、ナーシャの生真面目さと快活さがわかる……。もう少しリラックスしてくれたらいいなあ、とは思うけど多分俺の一挙一動をちゃんと見てくれている証なんだろう。
そう考えると真摯に向き合ってくれて、頭を下げる実直さは、今までにないこそばゆさと嬉しさがあった。でもリラックスしてほしいなあ……と堂々巡りする思考を振り払うように、ナーシャの肩を持とうとして、俺の大きすぎる掌とナーシャの小さい肩を見比べて、手を戻す。代わりに慰めの言葉を口にした。

「ううん、気にしないで。誰だって行き詰まることあるし、そういう時は散歩したり、寝て起きてご飯食べたらなんとかなるよ」

ほぼ自分がしていることを例に出した。他の人の……特に同じ職場で働く人たちの気分転換は様々だし、たまに突飛すぎてわけがわからないことあるから言わない方がいいと思う。野生動物の干物作って食べるとか、2階の窓から飛び降りて1日帰ってこなかった時はちょっとした騒動になったし……。

「でも、そうだなぁ……俺たち、春や桜のことあまり知らないから、色んな資料を見たほうがいいかもしんないね。会議で出すときに参考資料で使えたりする……かも?うーん、予定は未定になっちゃうけど。ナーシャが春や桜のことで、いいなーって思ったのがあったら教えてくれると助かる……どう、かな?」

といって、体を縮こめながら両手を合わし、お願いのポーズをしてみる。巨体だから見栄えは悪いかもしれないけど上から一方的に見下ろすよりかまし、だと思いたい。



笑顔で固まるナーシャをみて、おやと不審に思い、だまって様子を伺った。ナーシャは最後まで俺の方を見なかった。
ナーシャの言う通り地方部に来たのは子供のころだし、それから都市部に帰省したとかそういった話は噂でも聞いた覚えはない。だから記憶があやふやでもしょうがない。
でも、今日ここで言葉を交わしただけでも、ナーシャは自分に非があればちゃんと謝る人だという印象を持った。なのに、都市部について話すときの歯切れの悪さというか、よそよそしさはたしかにあって、自身の記憶力について言及するときもその名残がある。明らかに、都市部について触れたくなさそうだった。何があったのか分からないけど、俺は……どうしたらいいんだろうか。

「しょうがないよ。だってナーシャ、ここに来たの結構前だもんね、そりゃ忘れることもあるよ。今は仕事に精出してて忙しそうだし……聞いた話なんだけど、いろんなところで働いてるんでしょ?めちゃくちゃすごいよ。それに、なんというか、こことは真反対な感じがするね、都市部って……。うーん、聞いておいてなんだけど、うちは基本地方部をターゲットにしてるから、今は都市部のことは置いておくかな」

腕を組み、しどろもどろになりながら喋る。何も分からないまま事情を聞くより、俺がはっきりと言えそうなことを言えばいいと思った。そのせいでまとまりのない内容になったけど、少しでも気が逸れてくれるなら構わない。

Re: 太陽が死んだ【募集中】 ( No.41 )
日時: 2019/03/15 23:38
名前: 榎@ENOKI (ID: 3edphfcO)

>>39
サングリアの説明に、素直に「おお」と声を漏らして驚いてみせた。ほとんどの場合は学者相手に聞いて、専門的な解答がきて理解できなかったことが多かったからだ。

「お前すげーな。旅行ガイドとかできそうじゃん、南極や北極ゆきの旅行ツアーあるか知らんけども。あそこ氷しかねーからめっちゃ寒そう。いやでもすごいよな、海の水が凍ってんだろ、あれ。なんで溶けないんだろな?
……え?本屋の場所、嘘だったのかよ」

いや、嘘を教えたという申告すらも嘘かもしれない。何も言わずに俺から距離を取ろうとするサングリアを見て、自然とその考えが浮かぶ。警戒されているのは間違いないんだろうけど、なんでだろうな?俺変なことしたか?

「まあ、時間はあるし歩き回ってみるわ。縁が合えばまた会うかもな、じゃーな」

と言って、訂正された方へ向かって歩き出した。


(/キリがいいなと思ったので勝手に締める感じにしてみました。まだ続けられるようでしたら最後の部分を後回しにする感じで描いていただけたら返レスしたいと思います!

Re: 太陽が死んだ【募集中】 ( No.42 )
日時: 2019/03/17 10:36
名前: 一人の世界 (ID: MXUQ8YoR)

>>41

初めてそういう事に褒められて少し頬が緩むのが自分でも分かる。
自分の中で表情を引き締め、こう言った。

「本で読んだのを覚えてる限りそのまま言っただけなので、私は何も凄くないですよ。あと南極、北極のガイドは無理だと思います。太陽が無いので少しも暖かくないから実際は更に氷が広がってるでしょうし・・・」

確かそれが書かれた本はずっと古い物だった気がするので、間違った事は言ってない・・・はず・・・



「また縁があればいつか会いましょう・・・」

フタミさんが訂正した方の道へ向かったので何処か安心しながら別の小説を読み始める。

【私の方もキリ良く終わらせましたよ~】

Re: 太陽が死んだ【募集中】 ( No.43 )
日時: 2019/03/17 22:04
名前: 百千 (ID: R8yf5QwW)

>>40

「え、えぇ!もちろんよ。ユウヒさんの力になりたいのは嘘じゃないもの。」

 ユウヒがお願いのポーズをしてナターシャの方を見ると彼女はパッと顔を上げやっと彼の顔を見た。なるべく身体を小さくしようとしているのが彼の優しさを伺わせる。そんな気遣いに応えるようにしっかりとした口調で返した。

「良いなって感じたもの……、写真集に載ってたものは綺麗だったと思ったわ。年代物だから色褪せもすごいんだけど印象強くって。ユウヒさんさえ良ければまた今度持ってくるわ。」

 古い写真って資料として弱いかしら?と片手を頬にあて首を傾げて少し悩みつつ、取り敢えず、というように口に出してみた。
 その写真が載っていたのは、ナターシャが唯一相続した曾祖母の遺品の写真集だ。お世辞にも綺麗な状態とは言い難いがそれでも東の島国の四季を纏めた写真集はナターシャの宝物で今の家にもある。あまり人前に出してはいけないかもと思っていたので誰にも話した事はない。


「全然よ。極めてないし、手当り次第感否めないし。私からしたらユウヒさんの方がもっと凄くて格好いいわ。……んー、そうね。何となくここよりは明るいけど、ここの方が温かいわ。感覚論だけどね。」

 彼が優しいから甘えてしまうのか、自身が甘えるから優しくしてくれているのか。どちらにしても自分の不甲斐なさを噛み締めながらナターシャは笑みを作りユウヒに「ありがとう」と伝えた。

「でも、実際はどうか分かんないわ。それにユウヒさんのブランドはどこでもきっと流行ると思うの。素敵だし着ていると元気が出るんだから。私、好きよ。」

 自分の話で都市部に抵抗を持たれてしまったのではないか、と不安に思い早口になりながらも濁そうとした。自分の記憶が正しいとは言いにくい。本当はもっとずっと素敵なところかもしれないのに。彼の世界に悪い先入観を与えてしまうのが申し訳ない。
 そして何よりも彼のブランドをもっと多くの人に手にとってほしいと思うのだ。ナターシャのただの自分勝手だと自覚はしている。

Re: 太陽が死んだ【募集中】 ( No.44 )
日時: 2019/03/19 18:48
名前: 榎@ENOKI (ID: qToThS8B)

>>all
(/榎です。実は花粉症なんですけど、重症化したのか薬が合わないのかわかんないんですけど鼻水と鼻づまりと頭痛のトリプルコンボで、画面見るのがめちゃくちゃしんどくて、来週まで返レスめちゃくちゃ遅れるかもです。申し訳ないです…。


>>42

(/締め了解しました、絡みありがとうござぃましたー!

Re: 太陽が死んだ【募集中】 ( No.45 )
日時: 2019/03/19 18:49
名前: 榎@ENOKI (ID: qToThS8B)

>>43

「写真集かぁ。いやいや、記録として残ってるだけでも十分だよ。色褪せたものでもそれはそれで味があるし……そう言われてみれば、最近の写真集でも植物がメインのはよくあるけど、季節がテーマのものは見たことないな…?」

縮こまった姿勢を直す。それから、ナーシャの仕草につられて首を少し傾けて、芯をしまったシャーペンで顎をとん、とんと叩く。桜の解説を載せた図鑑を見つけたとき、曾祖父のもので修繕はしてるけど乱雑に使わないでねって母親に注意されたっけ?俺って小さい頃からうっかりで壊すことが多々あったから、図鑑の強度とか関係なく注意されただけかもしれないけど。

「ネットなら写真や動画が残ってる……と思うんだけど、色褪せてる写真でも、それはそれで見てみたいな。なんなら、オールド・スプリングって銘打って新しいジャンル開拓、してみたいなあ。できるかわかんないけど……」

ファッションは大衆に共有されてこそ価値を持つもの。そうじゃなきゃいずれ廃れる。——デザイナーのひよっこだったころ、父親が俺のデザイン案をチェックするときにいつも愚痴っていたフレーズを思い出す。今なら記録に残すのは簡単だし、処分さえしなければ記録は残り続ける。でもデザイナーとしての願望は自分のデザインが多くの人に届くことで、俺の目標は誰かの“好き”を増やすこと。正直な話、父親の意見は納得するけどやや反対の立場だ。
だからこそ、今日ナーシャに俺のデザイン案を見て、一緒に考えてもらって、桜モチーフのファッションに興味を示してくれただけでもめちゃくちゃに嬉しい。会議で通るように頑張らなきゃ。
にしても……あんなに綺麗な桜があまり知られてないのはなんでだろう。ここらで見かけないから知られてないだけ?いやでもネットで手軽に拡散できるのに?不思議だなあ……。



「えへへ、そういってもらえて嬉しいよ」

こっちを見て笑ってくれたナーシャの姿に安心する。サリャーヒのブランドを好いてくれて、思わず頬の筋肉が緩んでへにゃりと笑みを浮かべた。

「こっちが温かく思えるのは間違ってないかも……。地方部っていつも暗いじゃん?気分が落ち込んだり、身体が冷えないように生地が少し厚めのものが多いし、見た目も冷たい印象にならないように……こう、ほわ〜って感じになるように心がけてるよ。あーでも、町の人たちが朗らかというか、明るい人が多い、てのもあるかな?」

ナーシャの口調が早くなり、その原因を逡巡するけど思いつかなかった。とりあえず引きずられないように、視線だけ斜め上に向けて、何かを思い出すような素振りで喋る。なんなら、ほわ〜って言うとき、両手のひらでふわふわと上下に動かしてみせた。

「都市部は人工の太陽があるから、薄手のものがここより多いんだよね。こっちだと、職場の環境に合わせて薄手のものを重ね着とか、上着を羽織るとかして調整するのが多い…………あ、そういや、今何時…?」

作業の話で、荷物運びの手伝いが今日だったことを思い出した。
午後から知り合いの手伝いがあるんだけど……、と言いながら慌てて腕時計か携帯がないか服のポケットをあさる。なかった。わあ、時間大丈夫かな……。

「ナーシャ、今何時かわかる……?」

両手をポケットに入れたまま、震える声で尋ねる。朝は確かに約束があったのを覚えていたし、早めに昼食とるためにせめて腕時計だけでもつけていこうと考えていたけど、今の今まですっかり頭から抜け落ちていた。

Re: 太陽が死んだ【募集中】 ( No.46 )
日時: 2019/03/23 22:00
名前: 百千 (ID: R8yf5QwW)

>>44
(/返信遅くてすみませんでした…(;・∀・)ちょっとバタバタしちゃって。
 花粉症大変ですねっ!?Σ(・・; )どうぞご自愛下さいね。私が遅筆ですし、返しはいつでも本当に大丈夫ですので。)

>>45

「確かにそうかも。もしかして結構貴重な物だったりして。」

 ナターシャは少しだけ悪戯めいた笑みを浮かべながら冗談を言ってみた。
 そんな時ふとユウガイトショ、という単語が頭の中に浮かんだ。都市部にいた頃に隣の家から叫び声と悲鳴や怒号が響き、ひどく怖い思いをした思い出がある。
 子どもだったので何があったかが全然分かっていないもののユウガイトショやカイシュウ、という単語があったような気がする。
(もしかして、季節に関する書籍が有害図書だから……なんて、ね。)
 変なこと考えたなと少し自嘲気味にため息を吐いてから打ち消そうと頭をゆっくり横に振る。

「オールド・スプリング……。とっても興味ある!春だけじゃなくて過去も表すだなんて本当に素敵だわ。写真集必要になったらいつでも言ってね?必ず持っていくから。」

 そんな時にユウヒの言葉はするりと彼女の耳に入り無意識にオールド•スプリング、と呟くと目を輝かせて思いを馳せた。ユウヒは本当に素晴らしい発想の持ち主だとナターシャはしみじみと思った。
 誰も思いつけなかったものや誰もの目に止まる新しい考えがすぐさま生まれていく。それは早々出来ないもののように彼女は考えているためにユウヒが眩しく見える。
 何より思考回路が迷子になりそうだった自分があっさりとその考えを捨て去ることができた辺りかなりのファンなんだなぁと笑えてきた。

「ほわ〜……。確かにそうかも。暖かくて柔らかい感じする。」

 ユウヒにつられて同じように両手のひらでふわふわと上下に動かしてみると彼女自身も確かになぁと言わんばかりに柔らかく笑った。
 
「時間?ちょっと待ってね……。今12時45分くらい、かしら。ごめんなさい、もしかして何か用事があった?」

 焦り気味のユウヒにきょとんとしつつ腕につけていた腕時計で時間を確認してユウヒに伝えた。
 時間の確認が必要、となると待ち合わせか何かだろうか。優しい彼のことだから自分が話しかけた事でなかなか言い出せなかったのではないか。と思ってナターシャはおろおろとしつつユウヒに聞いてみた。

Re: 太陽が死んだ【募集中】 ( No.47 )
日時: 2019/03/28 17:25
名前: 榎@ENOKI (ID: XsTmunS8)

>>46
(/ご心配かけてすみませんでした!すっかり治ったので返レスです。ナーシャちゃんに仕事を付き合わせ続けっぱなしだったので、一区切りいれるつもりで締めの雰囲気にしてみました。他に話したいこととかやりたいことがありましたら続けてもらっても構いませんので…!


「サイボーグ技術とかあるのに、桜の写真とかが貴重なものになってて……?うん?あれ?」

ナーシャの笑みや発言の意図が分からず(ましてやジョークなんて発想は出てこなかったので)、腕組みをしてまじめに考えてみたけど、理系知識や先進技術はこれっぽっちも分からない俺には正解どころか予想すらもできなかった。
どういうことなのだろうか。ナーシャに聞けば答えてくれるだろうか…。でも、その前に俺自身、理解できるの?できない気がする。
この手の話は無理に知る必要もないかもしれない。デザイナー業も日常生活にもなんら差し支えなければだけど……。


「わー!本当に!?すごく嬉しい!写真見たい!」

実現するかどうかもわからない考えを褒めてられ、今日だけでたくさん褒められたせいか嬉しいの限界を迎えて咄嗟に思いついた言葉を叫ぶ。
視界が突然開け、街灯の明かりや道に落ちる影が新鮮な色で写り、隣にいるナーシャの姿が瑞々しさを帯びて見えた。呼吸が上手くできず、酸素を吸い込む一方なので胸が大きく膨らみ、自然と姿勢が真っ直ぐになる。
自分は今とてつもなく興奮している、と自覚したけど、逸る心が抑えきれず頭に浮いてきた考えをそのままに喋り出した。

「古いものってだけで進んで手に取る人が限られるって言われるけどっ、昔のものでも今風にアレンジすれば今までにないスタイルもできるし、桜モチーフ自体が珍しいから、デザインは今までに出てきたものとうまく馴染むようなアレンジを中心に出して徐々に侵食していきたいなって、あっ待って小物がやりやすいな?!そっちは俺の管轄外だー!でもやりたーい!…………あ」

視界の端に捉えた通行人の目線が、確実に自分に向いていることに気づき、すぐさま身を縮こませて片手を喋り散らかした口にあてる。俺のしでかしたことを振り返ると顔が急に熱くなった。とてつもなく、恥ずかしい。己の失態から立ち直れず、「ごごごめん、急に大声出しちゃって……あ、あはは……」とナーシャに謝る声がもそもそとしていた。


「45分か…。うん、午後から手伝う約束してたんだけど今の今まで忘れてたんだよね……。午前の仕事終わったら行くって伝えてたから、時間は決めてないんだけど遅くなりすぎるのもって……でも1時前なら、今からご飯食べても大丈夫」

恥と照れが抜けきらず、わずかに火照る頬を指先でかく。ナーシャが心配そうにしているのを見て、親の姿と重ねてしまった。こういうところでうっかりをやらかすのが俺の子供っぽいとこなのかなあ、と反省しつつ、スケブとシャーペンを鞄にしまった。ナーシャに謝る前に、今いるところから見える食堂前の様子を伺う。店から出て行く人が多いから、席も厨房も空いたころだろうし、あそこにしよう。ナーシャの方へ向き直り、軽く頭を下げた。

「ということで、俺、ご飯食べに行かなきゃ。ごめんね、色々振り回しちゃって……。でも、すっごく助かった。ナーシャ、ありがとう」

Re: 太陽が死んだ【募集中】 ( No.48 )
日時: 2019/03/28 17:59
名前: 榎@ENOKI (ID: XsTmunS8)

>>all
(/榎です。花粉症は点鼻薬の使い方を間違えてただけで今はいい感じに大丈夫です。ご心配おかけしてすみませんでした!

世界観にはあえて明記せず、キャラの個性として使ってくつもりだった設定がいくつかあったんですが、今後の絡みのネタや新規キャラの作成に役立ててるように今回ここで発表したいと思います


①フタミの請け負っている政府からの依頼「有害図書の排除」について
→太陽の光が届かなくなったことで生じるはずの自然への影響が一切なく、「太陽の光は、本当は届いているんじゃ?」という疑問を抱かせないための、情報規制です
正しく情報規制であるために世界観にはあえて明記してなかったものでした

太陽の光が届かなくなると、細かい説明や過程とかは省いて(スレ主自身もよく分かってない)氷河期になるそうです。ですが、本スレの世界においては、氷河期の気配は一切なく、海も凍ってません。植物の生態もほとんど変わっていません。
「太陽の光が届かなくなった」というより、「サングラスによく似た特殊フィルターを通して太陽の光度を極限に減らしている→夜に近い」感じです。太陽の光が届いているので、月もちゃんと光って見えます。
>>1にある「科学がとてつもなく発展している」の、内の1つの技術によるものですが、政府お抱えの学者や技術者以外には知らされていない極秘情報です。なぜ極秘なのかというと「100年よりもっと前にアレコレ起きて、国の失態を隠蔽しているから」です。アレコレの内容は全く決めてないです。ただ「国民に知られるとめちゃくちゃやばい」ので政府が必死に隠し通してます。どうやばいのかも決めてないです。

「よくわからないけど背後に巨大な組織があるぜー!やばいぜー!」て感じのアングラ感を出す要素として作ったのですが、戦闘モノや謀略モノのなりきりにするつもりがなかったので、フタミの設定に回してフレーバー程度に消化するつもりでいました…。
他の絡みに影響が出てきたので、改めて世界観の1つに追加します


②ヒロミが大学で学んでいる「サイボーグに関する工学」や「サイボーグ手術の被験者の事後観察」など
(まだヒロミで絡んでないけどついでに出します)
→サイボーグ手術は、世界観>>1にある「科学がとてつもなく発展している」の内の1つで、①と違い国民に知られており、またキャラたちが住まう国が世界的に一番進んでいる技術の1つでもあります
超発展した科学技術について具体的に明記しなかったのは、参加者の方で自由に作ってもらえたらいいなとおもってのことでしたが……>>1にはそんな説明が全くないままでしたね……!すみませんでした!スレ主の思い込みと落ち度によるものです。言葉足らずに突然出てきた都会の人がなんかやべー奴状態で放置して本当にごめんなさい!

「被験者の事後観察」というのは、まんま文字通りなんですが、ヒロミは「被験者が術後に産んだ子供の異変を追っていく」って感じにするつもりです
今のところ考えている異変は
「ケモミミによく似た突起物が頭にある(聴覚はないが筋肉があるため動く)」
「これまでに発見されている症例とは全く異なる、突出した五感能力、身体能力、記憶力etc.を持っている」て感じです。
(ケモミミに似た突起物は、実は元ネタがあって、「VA-11 Hall-A」ていうビジュアルノベルゲームに出てくる「キャットブーマ」から来てます)


ざっと書いてみましたが、提出済みのプロフに変更等する必要はないです。ほぼほぼスレ主の好みが暴走した結果ですので……
先述した通りに今後の絡みのネタや新規キャラ作成に役立てて頂けたら幸いです。

ついき
「んなこと知っちゃこっちゃねぇ!!!」て感じにゴーイングマイウェイで突き進んでもらっても構いませんよ!本スレの目的は、一日中真っ暗になった世界を生き抜くことですので…!

Re: 太陽が死んだ【募集中】 ( No.49 )
日時: 2019/04/05 10:08
名前: 百千 (ID: xV3zxjLd)

>>47-48
(/お薬効いたようでなによりです…!花粉症はしんどいと聞きますしひとまず安心しました。花粉がこれ以上飛ばないよう願ってますね( ー`дー´)キリッ
私もかなり話させてもらえたので締めに乗っかりますね!楽しくさせて頂いたので名残惜しいですがグダグタは良くないですし(*´ω`*)
 設定等了解致しました!私がちょっと勘違いしたまま使っちゃってましたね、すみません汗 ナターシャの勘違いがが暴走したという事にしておいて下さいませ!!)

「あ、ごめんなさいっ。何でもないの。変なこと言っちゃったわ。」

 ユウヒのキョトンとした顔を見てはっとしたのか、少し恥ずかしそうに訂正を入れつつ考えを霧散させる様に両手をパタパタと振る。
 思い返せば変なことを言ったとしか言いようがない。それをしっかりと聞いて反応を返そうとしてくれたユウヒに対しひどい罪悪感と感謝が入り混じった。

 姿勢が正されていくユウヒにつられてナターシャもまた姿勢を正していく。見て取れる程に喜んでもらえるとは。ユウヒの瞳がキラキラと輝いているように見えた。それこそ街灯より鮮やかに。
 あら?とナターシャがユウヒの目をもっとよく見ようとすた時、彼が話し始めた。

「そんな!気にしないで?私も興奮してたし。それに正直役得だわ!ユウヒさんのデザインの話を特等席で聞けているもの。ありがとう。」

 子どものように楽しそうに純粋にデザインを紡いでいくユウヒの言葉に逐一相槌を返しながら、発売されたらいの一番に買いに走らなければ。と密かに硬い決意を持ったナターシャはつい、止めることができなかった。人の目も気づかない程ユウヒとユウヒの話に集中していた、というのは内緒である。
 やはり彼はデザイナーという仕事が向いている。そう思わずにはいられなかった。そうとした考えれなかった。
 興奮の熱によりかなり脈絡なくユウヒに言葉を返しつつナターシャは微笑む。

 恥ずかしさが抜けていないのかどことなく照れがまだ残ったまま彼が片付けを始めたのを見て自分もここを離れなけれ彼が気を使うだろうとナターシャは考えた。
 ご飯を一緒に、も思いついたもののそこまで彼について行くのはよろしくないし、自分には持参した昼食がある。食べ物を粗末にするのは良くない。

「そうなの。じゃあ私は散歩を続けるわ。お話とっても楽しかったわ。ユウヒさんありがとう。」

 また、お話してね。と言い添えて感謝が全面に現れるよう満面の笑みで微笑み軽く一礼し、雑踏の中に紛れるように歩き出してその場から離れた。

Re: 太陽が死んだ【募集中】 ( No.50 )
日時: 2019/04/06 20:05
名前: 榎@ENOKI (ID: a4Z8mItP)

(/おひさし?ぶりです、榎です。新年度になり新年号も発表されましたが、本スレも新しい要素をじゃんじゃん取り入れていけたらなと思ってます。参加者様がたも気兼ねなく新要素ぶち込んできても大丈夫ですよ…!世界観一覧にしれっと追加しときますので…
ひとまず今から絡み文投稿しますね。ご自由にどうぞ〜!

>>all

Re: 太陽が死んだ【募集中】 ( No.51 )
日時: 2019/04/06 20:05
名前: 榎@ENOKI (ID: a4Z8mItP)

(ヒロミ・フォン・モーレッド)
春休みが終わり、今月から大学2年生になった。1年で基礎、2年でコースが別れて必修や選択授業の内容が一気に充実してくる。その分課題も去年とは比べ物にならない。締め切りは早くても1ヶ月後なのが幸いといったところかな。
スケジュールと睨みっこして、連休に地方部へ行って観察の予定を立てた。今までは養親のお手伝いだったけど今回からは課題の現地調査になった。その養親が僕の大学の教授をつとめており、養親が担当している授業をとったので当然といえば当然。
まあ……調査のノウハウが分かっているから、少しでも手抜きがあれば減点だと脅されているんだけど。
今回の課題で、サイボーグ手術の被験者の子供におきた変異の調査をするつもりだ。今の時点で分かっていることは、子供たちは皆、五感能力や身体能力の検査数値が人並み以上・人並み以下になっていること、胎児のころから身体に異物が見られることの2点。
変異が目に見えてわかる人は高くても19歳までで、緻密に検査して変異が起きてると判明するのはおよそ30代の人まで。サイボーグ手術が医療の1つとして認められたのが34年前だから、全ての35歳以上の人に変異は未だ発見されていない。されてもサイボーグ手術以外の外的要因だから専門外だ。

連休の前日、授業が終わってすぐにキャリーケースを持って地方部に向かう。ついたのは夕方だったけど駅前は夕陽の橙色に染まった世界ではなく、月が煌々と輝く夜の世界だったもんで時計を見るまでは内心焦った。何度か地方部にきたことがあるとはいえ、都市部の環境から体内時計がうまく切り替えられない。同じ大陸の同じ国だっていうのに…。
今日の夜8時に調査対象の子供と会う約束がある。今は5時、ホテルに荷物を置いてから……横になるとそのまま寝てしまいそうだから、軽く散歩でもしよう。

「さーて、どこいこっかな……」

携帯をいじって周囲の情報をさぐる。特にめぼしいものがなければ、適当に歩き回ればいいかな。

Re: 太陽が死んだ【募集中】 ( No.52 )
日時: 2019/04/06 20:06
名前: 榎@ENOKI (ID: a4Z8mItP)


(ユウヒ・サリャーヒ)
次のデザイン会議は1週間後、アイデアは先日知人との会話をきっかけにポンポン思いついたから溜まっている。なので、昨日からネタ休めのためにスケブを部屋に置いて、雑用や知り合いの手伝いをこなしていた。お礼に金銭のやり取りがないせいか、若い人によく頼られるし、お年寄りからはなにかと駄菓子を貰う。
春、新年度、ということで俺の体格が有効活用できる引越しの手伝いが多い。他所の地方部からきた人もいれば、都市部からここへきた人もいる。ひとまわり大きいから怖がらせないように、世間話がてら身の回りのことを話して、サリャーヒブランドの宣伝をしていく。……この時期が一番人と話す機会が多いような気がするような?

エレベータのないアパートに荷物を運ぶ手伝いをすませる。5階建ての石造建築物で、最近改装したらしくお洒落な見た目になっていた。荷物は少なかったけど、最上階まで往復したので持参したタオルで汗を拭き、隙を見て制汗剤を使う。まくった袖を戻しながら、荷運びが終わったと依頼人に伝えて部屋を後にした。
階段を降りる途中、風が吹いてきたので自然と踊り場で足が止まる。ほてった体であびる風は気持ちよく、転落防止のための洒落た手すりに肘をついて、そこから見下ろせる景色を眺めた。

Re: 太陽が死んだ【募集中】 ( No.53 )
日時: 2019/05/04 09:57
名前: 名有りさん (ID: kXe4flYM)

[都市部住民票]

名前:メイ・アカル
年齢:24歳
性別:男
一人称:僕
二人称:あなた、さん付け

性格:いつも優しい。いつも少し寂しげ。
生い立ち:とても優しい両親に育てられたため、自分も優しくなった。昔から本を読んでばかりいて、あまり友達はいなかった。貧しい家庭で、あまり本が買えなかったので、図書館に通っていた。優しい図書館の館長を見て、図書館で働く事を志した。

容姿:白髪で、澄んだ水の様な青色の瞳。緑色のジャケットを着て、青色の長ズボンを履いている。ジャケットには、胸ポケットには開いた本が刺繍されている。

備考:都市部の端の方にある図書館の館長。太陽の光が消える前の頃の本も読んだ事があるので、今の状況に少し疑問がある。名前は、「メイ」に、「アカル」。

台詞「僕はアカル。メイ・アカルです。あなたの名前は?」

「あなたにお勧めの本は、これですね。」

「紹介します、僕の秘密の書庫を。」

質問「今の生活、ですか。太陽が無くて少し寂しいですが、不自由なく過ごせてますね。本を読んで皆さんが笑顔になるのなら、それが一番です。」

Re: 太陽が死んだ【募集中】 ( No.54 )
日時: 2019/05/04 18:55
名前: 百千 (ID: 9AGFDH0G)

(/お久しぶりです…(-_-;)長らくこちらに来れず大変申し訳ございませんでしたっ。ちょっと色々バタついてしまって……。
まだ参加権ありますでしょうか…?ありましたらぜひまたナターシャで参加させていただきたいです!!)

Re: 太陽が死んだ【募集中】 ( No.55 )
日時: 2019/05/06 04:00
名前: 榎@ENOKI (ID: UeLkOLiI)


>>53
(/わー!返事が遅くなってすみません!参加ありがとうございます、プロフ確認しました。不備等ないので住民一覧に追加しておきました。
いろいろと複雑な設定がありますが気にせず、むしろ新規に作ってくださったら>>1に追加しますので…。よろしくお願いします!


>>54
(/おひさしぶりです!いえいえ、新年度入ったばっかですんでお気になさらずに!
キャラリセ等の予定はないので大丈夫ですよ…!もちろんキャラ追加も気軽に受け付けていますので、本体様のやりたいようにやっていただけたらと思います

Re: 太陽が死んだ【募集中】 ( No.56 )
日時: 2019/05/12 15:57
名前: 百千 (ID: XnbZDj7O)

>>55
(/ありがとうございます…っ!!乗っかりなんですが、ナターシャに沢山の人とお話させたいので、ヒロミさんにのに続けさせて頂きます!やりづらい感じでしたらどんどん仰って下さいね(;´∀`)すぐさま修正させて頂きますのでっ!)

>>51

 ナターシャは珍しく暗い街より暗い顔をしていた。深く重たいため息が溢れる。
 今日は朝から不動産の担当と物件なり土地なりを巡ったり話し合ったりして様々な物を出してきてもらって昼間を過ごした。
 最終的に「お出しした見積書、お持ち帰り頂いて結構ですよ。お悩みのようですし。」と担当に気を遣わせてしまう結果になってしまったのだが。すみません、と深々と頭を下げて謝ると担当は最後までナターシャを気遣って大丈夫ですよ、と励ましてくれた。
(本当、散々ご迷惑だけかけちゃった……。絶対にここであの担当さんと物件決めよう。)
 心の中で小さな決心をしながらトボトボと歩く。本当は何件かは今日買える所もあった。ナターシャが妥協さえすればここまで担当にも迷惑をかけることもなかっただろう。それでも妥協してはいけないと思い、見ていくと嫌でも身に沁みた。お金が足りない。まだ微妙に。
 アテが無い訳ではない。使えるお金もある。だがそれに頼ることは出来なかった。したくなかった。
 もっと、稼がなくては。どうにか工面する必要がある。重たい足取りがより重くなり、はぁ、とまた深くため息を溢しながら家路を辿る。
(切り詰めて、仕事増やしたらある程度はいけるかしら……。でも生活を疎かにする奴は馬鹿野郎って4つ隣のおじいちゃんが言ってたし……。)
書類が入った茶封筒を持つ手が力んでしまう。それを痛めつけても何も変わらないとは分かっているものの、どうしても力が入る。申し訳なさや悔しさが入り乱れその感情に名前を付けるのが困難になる。
そんな注意力が散漫した状態で歩いていたせいなのか、つい足が取られて体制を崩してしまった。
えっ、と声を上げそのまま転けてしまいそうになるが、何とか踏ん張るものの間に合わなかったのか少し前で立っていた青年の背中に軽くぶつかりそのまま茶封筒を落とし書類を地面にまいてしまう。

「あぁっ、ごめんなさい。ぼーっとしちゃってて……。お怪我はありませんか?」

 急いで座り込み撒き散らした書類を掻き集めつつ申し訳なさそうに眉を下げつつ控えめに笑みをつくると顔を上げ、ぶつかってしまった青年に謝った。
 威力はある程度なくしたものの、ぶつかってしまったのだからどこか怪我をしてしまっていたら、と心配になりながら青年を見る。

Re: 太陽が死んだ【募集中】 ( No.57 )
日時: 2019/05/15 21:27
名前: 榎@ENOKI (ID: UeLkOLiI)


>>56
(/了解しました!こっちも分かりづらいとこがあったら書き直しますんで、ヒロミ共々よろしくお願いします!ヒロミの設定と絡めていくうちにめちゃくちゃ長くなってしまったんですけど、気にしないでください……!


クチコミやSNSで探った結果「仕事終わりの週末に泊まって酒飲んでおいしいご飯食べるのオススメ、都市部より値段安くて贅沢できる!」という紹介がバズった影響で、ホテルのサービスだとか飲み屋のリストアップがとにかく多いことだけが分かった。
今回予約したホテルは駅近で一番安い場所にしたため、豊富なサービスで疲れをリフレッシュだとか、最高級のおもてなしだとかは一切ない。まあ……いち学生が使える施設なんてそんなもんじゃないかな。ああでも、泊まった部屋が都市部の格安ホテルより倍広いのは流石地方部だとおもう。ドームという明確な仕切りのある都市部と違って、土地の制限がそこまでない恩恵だ。
細かい数値までは知らないけど、地方部と都市部の土地価格って3~4倍の差はあって当然、過去には20倍以上の土地価格がいくつかあった――大人からよく聞く話だ。なんでこんな話をしたがるんだろう……。

大人の事情を考えると今の学生生活がなんだか尊いものに思えてきた。コーヒーと軽食があって暇潰せる場所ならどこでもいいかな、と検索を絞っているときだった。とん、と背中に人がぶつかったので「あっごめんなさい」と謝って振り向くと、落ちた勢いで地面をすこし滑る茶封筒とそれらを慌てて拾う金髪の頭頂部がそこにあった。
手は動かしたままで顔を上げて謝ったのは女性だった。仕草に落ち着つきがあるものの、服装のせいか利発な人のように見える。笑顔を忘れずに、だけど申し訳なさそうな表情を浮かべていた。……その顔に疲労が滲んでいるように思えるのは、夜と近くにある街灯の(芸術的なことはさっぱり分からないけど)光の当たり方のせいだろうか。

「僕なら大丈夫です。……っと、これで全部……かな?」

女性から一番離れたところに落ちた茶封筒を拾い、周囲を確認してから差し出す。そのときに、一瞬だけ茶封筒に視線を落とす。切手がないから手紙じゃあない。なら書類でも入れてるのだろうか。そう考えると(ひょっとすると、やばい書類とかが入ってるんじゃ)と不安になってくる。
あぶないことがそこら中に起きてる、なんて空想じみた考えなんかじゃない。
僕の双子の兄が、高校入学祝いでファミレスで一緒にご飯を食べたのを最後に連絡がつかない。幼い頃に親を亡くした僕たちはそれぞれ別に引き取られたのだけど、兄を引き取った叔父がギャンブル狂で、その人の消息もわからない。
興信所に依頼して、判明して、全身から力が抜けていく感覚を思い出す。
支えを失くしてしまった喪失感と絶望が今、腹の底で手を振っている。そいつらは今でも僕の中にいる……。お前らに用はないんだ。そのまま胃液に消化されて、いなくなっちまえ。

わずかな間の思考で重くなった心を振り払うようにぎゅっと目を瞑って、開き、こわばった頬を難なくあげて笑みを浮かべて見せる。助けられるのなら、出来る限りのことがしたい。
「えっと、その、突然の無礼で申し訳ないんですけど、僕でよければ相談に乗りましょうか……なんか思いつめたような顔してたのが気になって……」

Re: 太陽が死んだ【募集中】 ( No.58 )
日時: 2019/05/19 21:26
名前: 百千 (ID: 8bBD2kKM)

>>57
(/こちらこそよろしくお願い致します(*´ω`*)長文全然大丈夫です!読むの楽しいです(・ω・´)もし間違った解釈で返事をしてしまっていた場合お手数をお掛けしてしまいますが、教えて下さいませ。)

 ぶつかってしまった青年に怪我が無いことにナターシャは安心した。ぶつかるだけでなく怪我まで負わせてしまっていたならなんと謝れば良いか、と酷く心配していたのだ。

「ありがとうございます。本当にすみませんでした。」

 大丈夫と言いながら散らばってしまった茶封筒まで拾ってくれた青年に受け取った後深々と頭を下げた。
 数秒間頭を下げ、ゆっくりと頭を上げた際、改めて青年をよく見た。少年と言うには落ち着きがあり青年と言うにはまだ幼さが残っているような、恐らくは10代後半か20歳前半ほどに見える。――――しかし確実にナターシャより身長の高い――――そして育ちの良さと知性が滲み出ている。
 身に着けている服や靴を見るからになかなか良い所のお家では無いだろうか。
 一瞬だけ見えた青年の強張った表情の変化に「大丈夫ですか。」と声をかけるより先に青年に相談に乗りましょうか。と言われ、ナターシャはドキリとした。

「えっ……?あ、すみません。ちょっと気落ちすることがあったからかも知れませんね。その……、土地を買うのにちょっとお金が足りないものでして。」

 そんなに顔に出てしまっていたのか。咄嗟に茶封筒を持っていない右の手でそっと右頬に触れて無意識にムニムニと押してしまう。
 初対面の青年に心配させてしまった申し訳無さから眉を八の字に下げつつ遠慮気味に笑うと、どこまで話せばいいものか、と思いつつ簡潔に話すことにした。

「あっ、自己紹介がまだでしたね。失礼致しました。私はナターシャ・ヴェゼルと申します。どうぞよろしくお願い致します。」

 ふ、と名乗っていない事に気が付き、少し恥ずかしそうに慌てながら自己紹介をし、ペコリと頭を下げた。

Re: 太陽が死んだ【募集中】 ( No.59 )
日時: 2019/05/25 12:37
名前: 榎@ENOKI (ID: D6X4Nb68)

>>58
(/読むの楽しいと言ってもらって嬉しい限りです……!解釈のことは、大きな間違いでもない限りは解釈違いも楽しんでみたいので、あまり気にせずにしていただけたらと思いやす


(土地を買う、お金が足りない……はっ、これから闇金を借りに……?!)
漫画で読んで知った知識がすぐさま呼び起こされ、物騒な発想が脳内を駆け巡った。女性の手の中にある茶封筒を見開いた目で確かめる。
茶封筒の数からして本命を決めているわけでもない、と後から気づいて恥ずかしさのあまり、きゅっと目を瞑って「ああ……」と小さな声でこぼす。
羞恥心が体中を駆け抜けたというか、手足の末端すらも熱を持っているような気がして指先を見るがいつもと変わりない。そのまま頬に触れると、ほんのりと温かかった。頬、赤くなってるだろうなあ。
すぐに指先を離して、これまでの仕草を誤魔化すようにその手を後頭部に沿える。

「そうでしたか。あはは、ごめんなさい。ちょっと僕の妄想が行きすぎちゃって、その勢いで、つい。……土地関係のことかあ。僕から言いだしておいてなんですけど、用事で都市部から来ただけで、詳しいことは分からないですね……相談相手になれそうになくて、申し訳ないです」

危ないことに足を突っ込んでいる(かもしれない)身内がいる、という前提のせいで、命の危険ばかり気にしてしまい発想が明後日の方向に飛躍してしまった。
(焦るな、あと僕の事情を相手に入れ込むな……)自戒の念を込めて、申し訳ないと謝るときに頭を下げた。

金髪の女性――もといナターシャさんから自己紹介を受けて、そういえばしていなかったことを思い出し、手をおろして姿勢を正す。

「ごめんなさい!先に女性を名乗らせてしまって……。僕はヒロミ・フォン・モーレッドと言います。ヒロミと呼んでください」

Re: 太陽が死んだ【募集中】 ( No.60 )
日時: 2019/05/25 22:09
名前: 百千 (ID: 8bBD2kKM)

>>59

(/かしこまりました!盛大にやらかさないように気を付けますね( ー`ωー´))


 目を一瞬大きく見開き固まる青年にナターシャは何か可笑しなことを言ってしまっただろうか、と首を軽く傾げつつ眺めてしまう。するとみるみるうちに青年が顔を朱に染めていくのでついナターシャは「大丈夫ですか?」と声をかけようとしたが青年が口を開ける方が早く言葉になることは無かった。
 照れた様子の青年に彼女はどんな妄想したのか聞きたくなくなるのを堪え、首を横に振り笑顔を浮かべた。

「そんなに謝らないで下さい。正直な話、心配して頂けて嬉しかったです。すごく落ち込んでたんですけれど今はそこまで重く考えないでいられてますし。ありがとうございます。」

 青年の優しさに感謝しつつ、改めてお礼を言う。
 問題は問題で残っているが、それを極限まで重くしんどく考える必要は無かったはずだ。一人であのまま帰っていたら暫らく引きずっていた。そう考えると聞いてくれて良かったのかもしれない。問題を口に出す、という事は案外冷静になれるんだなとナターシャは1人勝手に納得した。
 まぁ、ぶつかってしまった事は正当化できない事なのでせめて今後はしっかりと注意を怠らないようにしようと心に決めた。

 自己紹介をしてもらい青年――ヒロミに少し驚いた。この年でもう紳士的な思考が出来るとは余程教育に力を入れられているか生まれながらかのどちらかだが、どちらにせよ大人びている印象が強まる。恐らくは自分が歳上なのだ、しっかりせねば。何となくつられて背筋を伸ばしつつ親愛の意を込めて笑みを深めた。

「じゃあ、ヒロミ君と呼んでもよろしいでしょうか?私の事はナーシャと呼んで下さい。響きが好きなんです。」

 ナターシャは押し付けがましくならないよう気を付けながら愛称を勧めてみる。響きが好きなのは本当なので自然にお願いできているはずだ。

「それにしても都市部からここまで来られるなんて大事なご用なん……あ、お時間は大丈夫ですか?私ったら引き止めちゃって……。」

 都市部からわざわざ来る用事となるとよっぽどの事なんだろうと考えてナターシャはどんなことか聞いてみたくなり伺おうとしたが用事のある彼を引き止めてしまっていることに気が付き、申し訳無さそうにオロオロと時計と青年を見比べる。できればもう少し話したいが用事の邪魔までしてしまうことは避けなければならない。 
(もし時間さえあればご飯でも……、あら、これナンパかしら?初対面の女にご飯誘われるのは流石に引かれるかな?)

Re: 太陽が死んだ【募集中】 ( No.61 )
日時: 2019/06/02 23:17
名前: 榎@ENOKI (ID: D6X4Nb68)

>>60

僕の失態をフォローするようで、でも間違いなく本心からの言葉を聞いて安堵する。これまでの諸々の失態で焦りを覚えてしまった心が凪ぐ。肩をそっとおろしながら「少しでも力になれたなら幸いです」と微笑んだ。


「わかりました。ナーシャしゃ、あっ噛んじゃった……!」
噛みそうだよなと薄々勘づいていたのに噛んでしまった。けれど、先ほどのやりとりで失態を恥じる気持ちはわかなかった。それどころか、本当に噛んでしまったのがツボに入ってしまい、少し前かがみになりながらひとりでに笑う。
「あはは……っ、ごめんなさい、笑っちゃって……ナーシャ、さん。よろしくお願いします」
目に浮かんだ涙を拭ってナーシャさんに向き直る。今度は噛まないように気をつけながら言った。


「授業の課題の関係で来ただけなので、気になさらないでください。あ、でも人と会う約束があって……」

そう言いながら取り出した携帯で時間を確認する。6時前。約束は8時だから時間に余裕はある。すぐに携帯をしまって言葉を続けた。

「8時の予定だから、時間は大丈夫です。それまでに暇をつぶせそうなところを探してたんですけど……ナーシャさんのおすすめの場所とかあります?」

Re: 太陽が死んだ【募集中】 ( No.62 )
日時: 2019/06/02 18:58
名前: 百千 (ID: rBo/LDwv)

>>61

噛んでしまった事に楽しげに笑うヒロミにナターシャもつられてくすりと笑ってしまった。何となく子どもらしい、というか年下なのだなと感じつつ目を細めてヒロミを見る。どことなく安心感を抱きつつ自分もツボに入るとなかなか止められないなぁ。とも考えていた。
 よほどツボに入ったのか彼の笑い声は暫く続いたが、落ち着き自分に向き直った青年に控えめにしかし待ってましたと言わんばかりに提案してみた。

「私の名前、敬称付けづらいでしょう?よろしかったらもうナーシャと呼び捨てて下さい。……と、いうより良ければ敬語抜きでお話しませんか?」

 大事な場面や初対面に敬語を使うことは大切だと理解はしているものの、どこか壁を作っているような他人行儀に感じる敬語に彼女は苦手意識を覚えていた。出来れば仲良くなりたいと思える人には気楽な話し方で接してもらいたい。しかし相手さえ良ければ、なので丁寧に聞けるよう気をつけてヒロミに提案してみたのだ。

 「お時間があって良かったです。まだお話したかったから。そうです、ね…………、座って話せる所を考えているのですが……ちなみに待ち合わせの方とはお食事もご一緒されるんですか?」

 顔をほころばせて満面の笑みを浮かべるとこの近くで座って話せそうな所を軽く思い浮かべる。
 やはり食べたり飲んだりしながらの方が話しやすいだろうか。それならチェーン店やファミレスでも良いかも知れないが、できればここならではの店を案内したかった。それでここを気に入ってもらえて今度はプライベートで訪れてもらえたら嬉しいと彼女は考えたからだ。
 早めの夕食で良ければ安くて量の多い店を案内したいが、もし夕食を約束しているのなら満腹で食べられない。ではさぞ気不味いことだろう。その場合は喫茶店などで軽い軽食や飲み物主体の場所にしよう、と考えてナターシャはこてんと首を傾げながらヒロミに聞いてみた。

Re: 太陽が死んだ【募集中】 ( No.63 )
日時: 2019/06/03 19:15
名前: 榎@ENOKI (ID: A4fkHVpn)

>>62
(/子供相手に調査するからそこまできっちりかっちりしないだろうな、んで奢りって聞いた子供ならどうするかな、って考えた結果の台詞になっちゃいました。謎のこだわりなんでお気になさらず…!
追記)一晩経って読むとなんやこだわりの詰め込みすぎでキモいことになってる気がして……本当にすんません……率直にきしょいって言ってもい、いいですよ……!


敬称と敬語抜きで、と言われたので、真っ先に思ったのは(……どうしよう)だった。敬称に関しては相手が年上で女性だからいつ外すか、外したら余計な詮索をさせてしまうのではないかと悩みの種なので、提案してくれるのはとても有り難い。二度と噛まないかどうかなんて分からないから……。
ただ、敬語に関しては、下手な真似をしないようにこのままの方がいいんじゃないかという不安がある。正直に言ってしまうと、ここ数年は“同じクラスの女子とのコミュニケーション”すらもほとんどなくて――なんなら専攻学科の同学年は驚異の男100%だから――養親の付き添いで女性と喋ることはあるけど仕事の側面が強いため――それと――、いや、まどろっこしい言い訳はやめよう。
ここ4年間、若い女性と日常的な会話をしたことがほとんどないから、敬語抜きで喋るのはわりと緊張するし、恥ずかしい。

「え、ええと……お気遣いいただき、ありがとうございます。お言葉に甘えてナーシャと呼びますね。……敬語、の方は、その、僕の心の準備……準備?ができるまで待っていただけたら……」

徐々に顔が熱くなっていくので最後まで言い切れなかった。おもわず火照った顔を掌であおいでしまう。
緊張するから、恥ずかしいから、と率直に言う勇気がなかった。
……だって、年上の女性だよ?いや、だっても何も、逃げてたツケがここで出てきたんだろ。甘んじる暇があるなら克服しなきゃ……。


顔をあおいでいた手を胸におき、緊張の名残りでまだ激しく脈打つ拍動を感じながらナーシャの提案を聞く。

「そぉ、ですね。とりあえず8時に集合で費用はすべて僕持ち、ってとこまでしか決めてないので、お相手の方にきかないと分からないです。すみません、ちょっと携帯使いますね」

うすらと汗のかいた手で携帯を弄ってアドレスに登録していた子供の名前を選び、食事の有無をたずねるメールを打つ。
運よく返信がすぐにきて『肉』の一言だった。……肉料理なら、僕も食べたいなあ。

「一緒に夕飯を食べる感じなので喫茶店とかなら……。ナーシャがいきたいところがあれば、そちらに合わせます」

Re: 太陽が死んだ【募集中】 ( No.64 )
日時: 2019/06/03 22:06
名前: 百千 (ID: NypakStI)

(/いいえ!むしろ子どもだもん、こんなこと言いそう〜と1人勝手にほんわかしておりました!すみません!ナターシャこの一連見られず残念だろうな、とか考えておりました(`・ω・´)ゞそういう細部を大事にされてるのを何故きしょいと言えましょう!むしろ素敵です。読むの楽しいので全然気にしないで下さいね?お願い致しますっ!……すみません、私がきしょい状態です(;^ω^)

むしろナターシャグイグイ行き過ぎてませんか?大丈夫でしょうか(;´∀`)よくよく考えると距離の詰め方独特すぎてご迷惑おかけしててすみませんっ)

>>63

 あ、やってしまったかも。とナターシャは焦りと後悔を覚えた。ヒロミが固まってしまった。おそらく彼女が言った事により彼を困らせてたのではないだろうか。
 その後、ヒロミがひどく顔を赤らめてしどろもどろになりながらでも言葉を返してくれて安心をしたと同時に申し訳なさが一杯になる。

「ううん!全然、本っ当に気にしないで?むしろ私の我儘に付き合わせてしまってごめんなさい。そしてお願い聞いてくれてありがとう。ヒロミ君が楽な様にしてくれて大丈夫だから。」

 第一声が少し力強くなりすぎたがナターシャは精一杯ヒロミが気に病む必要はない事を伝えようと試みた。
(なんだか謝っても謝っても足りない気がするわ。初対面なのにぐいぐい行き過ぎちゃって困らせてどうするの!?)
 つい先日大人になろうと心に決めたというのに。道のりが遠い。

 自己嫌悪に陥りそうな時、ヒロミが携帯を使うと断るのでハッとして「えぇ、どうぞ。」と返した。
 それにしても費用を全てヒロミ君が持つのか。とナターシャは別の事が気になり出した。どんな人との待ち合わせなのだろうか。
(もしかして……恋人、だったり?こう皆には内緒で付き合ってるからわざわざ地方に行って待ち合わせとか……。う〜ん、気になるっ。あとで聞ければ聞きましょ。)
 期待と興味心でそわそわとしながら彼のこれからの予定が決まるのを待つ。無意識ではあるが、急かしてはいけないと思うがチラチラとヒロミを見ては目を逸らしてを繰り返してしまう。目は輝いており、如何にも楽しみにしていることが見て取れる。

「じゃあ、喫茶店にしましょう。少し大通りからはちょっと外れるけどすごい美味しいところあるから。しかも安いの。」

 音を立てないようにしながらも両手を前で合わせナターシャは笑う。待ってましたと言わんばかりだ。
 こっちなの。とくるりと方向転換すると喫茶店に案内するために少し先に歩き出した。

Re: 太陽が死んだ【募集中】 ( No.65 )
日時: 2019/06/04 21:04
名前: 榎@ENOKI (ID: D6X4Nb68)

(/あー!!!!ありがとうございます!!!優しさに本体キャラともども心に沁みます……ありがてぇ…(;ω;)ブワッ

行き過ぎなんかじゃありませんよ…!ナーシャちゃんが積極的でいろんなのがあるんで、返レスやロル考えるのめっちゃ楽しいです!


>>64

聞くにたえない男の情けない言い訳にもナーシャはフォローを入れてくれた。口調に力が籠っていたので、聞こえるやいなや思わず肩をビクつかせてしまうけど、僕の尻拭いとかじゃなくてナーシャなりの励ましなんだと段々分かってきたので、コクコクと黙って頷く。

「ありがとう……、ございます」

ナーシャにお礼を言わないと、お礼ぐらいなら敬語はなくても、いやでも楽にしてくれって言われた、でもちょっとずつやっていけば、あっでも初っ端から失敗するのは凹む……と頭の中でぐるぐる考えていたせいで、妙な間ができてしまった。
冷や汗が背中をすべり落ちていく中、(結局失敗してんじゃん)と内心で突っ込まざるをえなかった。
今の僕はどうあがいたっても無理だろうけど、そのうち自然とできるようになる……かもしれないから、とりあえず敬語とか気にするのはよそう。落ち着いて考える余裕が生まれて、顔の熱さも気にならなくなったので――扇ぐためにあげたままの手を胸に置いたのだった。


喫茶店とか、と進言してから、素早く『肉』に『わかった』の返事を打って送る間、視界の端でナーシャがしきりに僕の方を見たり、かとおもいきや別の方を見ていたりと不思議な行動をしていた。
何か、黙って僕に伝えたいことがあるのだろうか……。そう考えながら彼女の視線を辿ろうと顔をあげた途端、街灯の明るさなんか目じゃない、期待で輝くまなこが見えたので息を吐くのに合わせてフフッと笑ってしまう。
(僕とお茶してくれるんだ……)
自惚れかもしれないけど、女性からのアプローチにむず痒さと、僕を待っていてくれる様子に安心感を覚えるのは当然のことだった。

ちょうどお勧めの喫茶店があったらしく提案してくれたナーシャの姿と笑みに、目を閉じる犬の姿を連想する。犬としてはただ目を閉じているだけかもしれないけど、絶妙な目の垂れ具合と開けた口が呑気に笑っているように見えるアレだ。
あの表情を見るとつられて僕も笑って和んでしまうから、ナーシャの笑みにも同じようなパワーがあるに違いない。
「わかりました!」と言って、先に歩き出したナーシャの後に続いた。

Re: 太陽が死んだ【募集中】 ( No.66 )
日時: 2019/06/10 18:57
名前: 百千 (ID: lQjP23yG)

(/全然バッチコイ!というより読んで楽しい、返して楽しい、でなんというか、ありがとうございます!!!!しかないです。はい( *`ω´)キリッ

あ、ありがとうございますぅぅぅう!!もったいないお言葉に感極まりますっ!!本当に拙い文章で申し訳ないのですが、これから上手いお返しを出来るようより精進いたします(`;ω;´)

それと今更感あるかもしれませんが、勝手に喫茶店の設定を生やしてしまって失礼致しました(;´Д`)流れ的にナターシャが知っている方が良さそうかな…?と思ってしまいまして……。すみませんっ汗)

 新しい出会いに胸踊るのかナターシャの足取りは軽やかで、ヒロミに会う前はあんなに悩んで重たそうに引き摺っていた足と同じには見えないほどだった。しかし、ヒロミをおいて行かないように少し彼の前を歩ける程度の速さを維持しつつ足を動かしているのでしっかりと周りは見ているのだろう。
 角を1つ曲がると大通りの賑やかさも少し落ち着き、ナターシャの逸る気持ちも多少落ち着く。
 オススメしたい気持ちも色々聞いてみたい気持ちも先走りし過ぎるとまた彼を困らせてしまう。ひっそりと深呼吸しつつ、暴走する前に気付けて良かったが、もう少し早くに気が付いても良かったかも、とナターシャは心の中で反省した。
 その様子をヒロミに勘づかれないように気を付けながら、様々な店が並ぶ中からナターシャは1軒の店を指差して微笑んだ。レンガ造りのこじまんまりとした外観で、ステンドグラス調の窓からオレンジ色の暖かな色の光が溢れている。

 「あ、ここ。すごいオススメなのよー。」

 軽食を主流にしている純喫茶なのでおそらくこの時間は客足も落ち着いているだろう。
 モーニングが始まってからだいたい夕方まではなかなか盛況な所だ。
 中は明るすぎなく落ち着いた証明が店の中を照らし、ゆったりとした時間を表すように控えめな音楽がが流れている。扉を開けた瞬間から薫るコーヒーの匂いが店を包み込みナターシャはほっと息をつく。急に連れてきてしまったがヒロミ君、気に入ってくれるといいのだけれど。と少しドキドキしながらちらりと彼を盗み見る。
 取り敢えず開けた扉を引っ張りながらヒロミに向かい「どうぞ。」と中に入るよう促してみる。紹介した手前、扉を開けるのは自分だろうと思っての行動だ。

「この時間は空いてるから好きな席に座らせてもらえるの。どこに座る?」

 席の空き具合を確認すると、何もかもを決めてしまうのは良くないと思った彼女はヒロミに伺ってみた。

Re: 太陽が死んだ【募集中】 ( No.67 )
日時: 2019/06/08 00:16
名前: 榎@ENOKI (ID: D6X4Nb68)

(/文章の巧拙なんて関係ないですよ…!お互いに楽しめるのなら、それだけで十分なんですよ……!!!!

喫茶店パートはナーシャちゃんに任しといたほうがいいかな……?って優柔不断にしてたので心配かけて申し訳ないです(・ω・`)
やりたいようにやっていただければ、持ち前の粘着力(粘着力???)でべちべち拾って楽しむんで自由にやってください!!!


>>66

先導をナーシャに任せて、彼女を追いこさないようにゆったりと歩きながら周囲の光景に視線を飛ばす。都市部でも、裏路地に入ればこんな雰囲気の場所に出逢うかもしれない。けど、宵闇に街灯の明かり、都市部と異なる人の騒めき、なにより地方部で出会った人と一緒にお茶を飲む――なんて機会は、そうそう巡り合わない要素だ。代替のない貴重な体験になるだろう。そう思うと、単なる明かりも星の瞬きのように輝いて見える。単なる窓ガラスも、その向こうでは人がいれば物語を紡ぐステンドグラスのようだった。
ナーシャに続いて角を曲がり、大通りとは違った通りに出る。
雰囲気に人知れずほうっと感嘆のため息を吐く。見飽きない街並みは目に真新しくうつった。地方部に住めば、散歩が日課になるに違いない。いや、若いうちから歩き回れば飽きるかもしれない……。入学当初は毎日が新鮮だった大学キャンパスを思い出し、今の味気なさと居心地の良さを反芻すれば、飽きたら飽きたでどう見えるのか気になってきた。

目的の場所についたようで、ここだと指示されたのはレンガ造りの小さな建物だった。窓がステンドグラス調という装飾が施されていたので、思わず目をぱちくりと瞬かせる。発想が似通っているのかどうかはわからないけど、ドンピシャに合うと喜びと驚きがあった。
ナーシャが扉を押して店に入るので、続いて入ろうとすればオレンジ色の照明の下で落ち着いた雰囲気をみせる店の内装に目を奪われる。……この手の内装なら都市部に探せばある間違いなくある。だけど、この店の雰囲気は、地方部の街並みから地続きにあってこそのものだ。一目見て安心する心地をおぼえるなんて、初めてだ。
店から漂ってくるコーヒーの深い香りに頬を上げて、目を細める。作業のお供にコーヒーはよく飲むけど、上品な香りを味わいながら考え事ができたら、と想像して思わず笑む。
きっと、これ以上ない贅沢にちがいない。
(明日、電車までに時間あったらここに来よう)
喫茶店の雰囲気を満喫していると――ナーシャに声を掛けられ、店に一歩も入っていないのに気づいた。うわまじか。
扉を開けて待つナーシャに「ありがとうございます」と軽く会釈して、店内に入る。

座りたい席を聞かれて、僕も店内の席を確認する。
「えっと、それでしたら……窓際の席でいいですか?ナーシャがよければ……」
窓際の席が空いているならぜひ座りたいと思った。この店でコーヒーを飲むひとときを、短い間でもこの店のステンドグラスを彩れるのなら。

Re: 太陽が死んだ【募集中】 ( No.68 )
日時: 2019/06/10 23:25
名前: 百千 (ID: NypakStI)

(/た、確かに…!では榎様も私も楽しめるようのびのび(←)頑張りまする( ー`дー´)キリッ

大変申し訳ございませんでした<(_ _;)>次からは提案からきちんとするよう心掛けます…!!
そして、しでかしておいて何言ってんだこいつ感ありありではございますが精一杯頑張るのでよろしくお願い致します…っ。
あと、メニュー表には様々な飲み物(コーヒー系多め)と軽食系(色んな種類のサンドウィッチが有名)をぼんやり考えておりました。ガバガバではありますが(;´∀`))

>>67

 喫茶店を見つめるヒロミを見てナターシャは心の中で安堵を覚えていた。そして扉を支えていない方の腕で小さくガッツポーズを作る程度には歓喜もしている。
 自分の好きが他の人にも受け入れられるということは嬉しい。
(気に入ってもらえたみたいで本当良かったぁ。完全に私の好みセレクトだったし……。や、でも最初は興味なくてもすごく良いお店だし最後にはきっと気に入ってもらえてたはずよ!……多分。)

「良かった!窓際空いているみたい。……あそこにしましょう。」

 すぐさま窓際の席を確認すると何席か空いているようでその一つを控えめに指差した。店内なので声量を抑えてながら彼女はニコニコと笑みを深めて席の方へ動き出す。
 窓際の席は外も中も堪能できるためヒロミが決めかねているようなら勧めてみようかな、と思っていると彼の方から窓際がいいと言ってもらえたのは嬉しいことだった。より良く知ってほしかった気持ちを隠す気は無いのだろう。良かったと言葉に表している。
 そのまま2人掛けソファーが向かい合っているテーブルへヒロミを案内してナターシャはそのまま通路側にに腰掛けた。
 革張りのソファーは柔らかすぎなく程よい弾力があるため深くもたれても、体が沈みすぎなくて密かにナターシャのお気に入りポイントでもある。
 重厚感のある深い茶色をした四角いテーブルは少しだけ大きく、おそらくだが向き合っている者同士が物を広げても互いの邪魔にならないように配慮しているのだろう。
 窓側に立てて置かれていたページ数の多いメニューの一覧をナターシャはヒョイと取り出し自身の前に置いた。少し分厚い表紙と裏表紙に挟まれてどこか重厚感のあるメニュー一覧に毎回楽しみを覚えている。
 取り敢えずメニューを渡して存分に選んでもらおう。そんな事を考えて彼が座ったのを確認してから

「ここねコーヒー系とっても豊富なの。えっと……このページからドリンクね。」

 ドリンク欄のメニューを開いてヒロミ側に見えやすいようにして渡した。

Re: 太陽が死んだ【募集中】 ( No.69 )
日時: 2019/06/16 05:57
名前: 榎@ENOKI (ID: D6X4Nb68)

(/今まで好き放題やってきておいて急に「まかせるわー」って投げるのってすごい無責任というか、振り回しすぎじゃないかなって悩んで踏ん切りつけれなかっただけなんで、百千さまに色々ご迷惑かけてほんまに申し訳ないです……こちらもぱっと切り出せるように頑張りやす(´-ω-`)

メニュー了解です!

ついき 最後ら辺ぶつ切り感があったので加筆してます、間を置いての変更、もうしわけござぬ

>>68


いくつか空いている窓側のソファ席に座ることになった。席への誘導もナーシャがしてくれて、小声で礼を言ってナーシャの向かい側の席に、真正面で向き合うのは少し恥ずかしいから若干斜め前の位置に座る。
ソファのクッションやテーブルの広さはこの店のこだわりなのだろう。おそらく長い時間座ってもあまり疲れなさそうだし、今まで利用したことのある喫茶店と違って広いテーブルがあるならストレスなく本を広げて勉強ができそうだ。長時間の利用は店によるけど……コーヒーのおかわりや食べ物の注文しておけば怒らないでくれるかなあ。

身じろぎしながら革張りクッションの弾力を確かめていると、ナーシャがメニュー表を取り出していたので視線で追う。一見かなり分厚いようだけど、ナーシャは難なく持てていたのでカバーの厚みで余計に重厚感を覚えたのだろうか。いや、表紙に挟まれたページが喫茶店にしては多いような気がする……。
ナーシャがページをめくっていたので、背筋を少し伸ばして斜め上からメニュー表を眺める。ページが次々に捲られていく中、パンの色と、赤や緑などの鮮やかな色が目につくぐらいに沢山あった。もしかするとサンドウィッチが種類豊富にあるかもしれない。
目的のページを見つけたらしく差し出されたので、軽く頭を下げて受け取る。コーヒー系がとても豊富、というので「とても豊富」と鸚鵡返しをしながら、ドリンク欄に視線を落とし、驚いた。コーヒーの数が、想像以上に多い。

「ほんとうに、とても豊富なんですね……コーヒーの文字がいっぱいある……。普段は缶コーヒーかインスタントなんで、沢山あるとどれにするか悩んじゃいますね……ええと、アメリカン、コーヒーで」

コーヒーのゲシュタルト崩壊を起こしかけていたけど、かろうじてコーヒー以外に知っている単語を見つけたのでアメリカンコーヒーを選んだ。
……いや本当にアメリカンコーヒーなのか?
メニューに落とした視線はそのままに、右手の中指で目的の名前をすっと撫でて「アメリカンはゲシュタルト崩壊してない……」と呟く。確認ができたので、顔をナーシャの方へ向けて「ナーシャさんも見ます?」と聞きながら、先ほどとしてくれたように、僕もメニュー表を差し出す。

Re: 太陽が死んだ【募集中】 ( No.70 )
日時: 2019/06/16 22:25
名前: 百千 (ID: NypakStI)

(/お気になさらないで下さいっ!むしろ毎回作って頂いた道筋を全力走行して楽しんでいる感じですので!!いつもありがとうございますっ。ヾ(*´ω`*ヾ))

 
 鸚鵡返しのように「豊富」と言うにナターシャはヒロミが可愛らしく感じ笑みが零れる。
 その目線がメニューに注がれているので多少興味を抱いているのだろうか。ナターシャは遠慮がちに口を開いた。

「ここね、軽食も美味しいし、サンドウィッチならテイクアウトできるのが何種類かあるから……また時間さえあれば来てみてね。」

 食べないのは勿体無いという気持ちはあるがそれはナターシャの考えででしかない。勿体無いという感情は人によるのだから押し付けてはいけない。下手をしたら遠ざける結果になる可能性もあるのだから余計に控えたつもりだ。

「ふふっ、そうね、ここコーヒーも色々種類あるから全種制覇!とかするのも楽しいわよ。……あ、メニューありがとう。」

 メニューをじっと見ながら悩んでいる姿が微笑ましく眺めているとヒロミが「ゲシュタルト崩壊していない」と安心しながら呟くので、それが可笑しくて可愛くてつい彼女は吹き出してしまったが目を細めてそのまま笑みを深める。
 さて自分も決めないとな、とヒロミから受け取ったメニューにざっと目を通しだした。正直どれも美味しいので悩みそうになったがそれに時間を費やしてしまうとヒロミと話す時間が減るのは嫌だとなんとか思い直すことができたのでカフェモカにしようといつもよりさらっと決められた。
 タイミングよく店員がお冷を持ってきたのでそのままナターシャは「アメリカンコーヒー1つとカフェモカ1つ」と注文をする。店員がにこやかに頷きながら畏まりました、と返しその場を立ち去る。その姿をメニューを仕舞いつつ横目で確認するとナターシャは途端に少し前のめりにヒロミにに近づき小声で

「あのね、ずーっと聞きたかったんだけど、ヒロミ君って誰と待ち合わせしてたの?もしかして……彼女?」

 と聞きコテンと首を傾げてヒロミに問うた。プライベートなことを聞いてしまうので彼女の部分はより小さな声で口に片手を添える程控え目に囁いた。その目は恋話に期待して目を光らせウズウズとしている。
 聞いてはいけない、と聞いてしまいたい、の天秤は後者に完全に傾いてしまっているようだ。

(*'ω'*)天にも昇る気持ちや……ありがとやで…… ( No.71 )
日時: 2019/06/21 19:17
名前: 榎@ENOKI (ID: D6X4Nb68)

>>70


メニュー表に指が触れたときに、サンドウィッチのテイクアウトがあるとナーシャが教えてくれたので「おぉ、そうなんですか」と片眉をあげる。
ページ全てに目を通したわけじゃないけど、おそらくサンドウィッチもこの店の看板商品だろうからテイクアウトできて当然っちゃ当然かな。店で朝食にするか、間に合わなかったらテイクアウトでお昼に……。いや、やっぱり作りたてが食べたいな。
そんなことを考えながら、アメリカンの文字に指を滑らせた。

上の方で吹き出す気配がして、咄嗟にキュッと目をつぶる。なんだろう、ナーシャのツボに入ったのかな……。単なる呟きのつもりだったから思わぬ反応に驚いてしまった。でも呆れられるよりマシかな。マシだと信じよう。メニューから顔を上げて背筋を伸ばせば、少しだけ自信が持てた。
ナーシャのお勧めを受けて「明日早起きして、ここで朝食とってみます。僕が起きれたらですけど……。次は他のコーヒーに挑戦してみたいです!」と、メニュー表を渡す際に言い添えた。


「わっ……」

注文を受けて引き下がる店員に目礼し、ナーシャの方へ向き直ればちょうど僕の方へ少し前のめりになったところだった。あまりにも突然だったので、小さく開いた口の中で驚きの声をあげる。
が、すぐに顎が外れんばかりに口を開けた。小さな声だったけれど「彼女との待ち合わせ?」と言ったのを、聞いてしまったからだ。

「あわ……や、そんなんじゃないです……授業の現地課題でぇ……」

一日に二度も顔が熱くなるなんて初めてだ!視界が若干滲んでいるような気がするけど涙も出たの?!
バグバグと激しく脈打つ心音を聞かれまいと背凭れに体を押し付ける。何度か瞬きすれば涙も引き、何をしたらいいのか分からずナーシャの顔をじっと見た。
彼女から提案してくれたお茶だったけど、こんなドッキリがあるんて思わなかった。や、ナーシャにドッキリのつもりはないに違いないけど、あまりにも突然すぎた。
今になって分かったけど、気遣いで周りに聞こえないように前のめりになったんだ……。
お冷の存在を思い出して、手に取ると心地よい冷たさに少し落ち着く。両手で持ち、人差し指を無意味に交互に動かしながら「あ、う、えと、そのぉ……」と言葉を探す。

「今日会うのは少年なんです……。授業の課題が、サイボーグ技術と医療技術の両分野で……ああ専門的な話はだめだ……えっと、僕がやろうとしてるのは、難病をサイボーグ技術で治した人の実子の調査で……」

ナーシャが聞きたいのは、彼女がいるか、その点だけだ。頭で分かってるのにプライドが口を動かす。言い訳がましく、絶対に興味を持たれない部分まで喋ってしまった。

Re: 太陽が死んだ【募集中】 ( No.72 )
日時: 2019/06/25 23:43
名前: 百千 (ID: NypakStI)

>>71

 せめて昼ご飯として食べてくれたら良いなぁ。と思っていたが彼が「朝早起きして行く」と言ってくれたのでナターシャは嬉しくなり笑みを深めて「是非!」と頷いた。

「そうだったの?ごめんなさい。つい地方部こっちで待ち合わせって聞いたから皆に内緒で付き合っている人がいるのかなって思っちゃって……。というかまず無遠慮が過ぎてるわねこれ……。私を優先しちゃってごめんなさい。」

 林檎顔負けの赤さになり涙目になる彼を見て彼女もやっと(やっちゃったー!?)と気が付いたのか前のめりを止め座り直すときちんと頭を下げて謝罪した。
 図々しく彼のプライバシーまる無視の話題をしてしまうなんてまず年上として云々より人としてどうかしてる。と言われても仕方がない。
(……穴、穴を掘りたい。すごく大きくて、そう、ひとが1人余裕で入っちゃうくらい。絶対に引かれたどころではない。)

 ゆっくりお冷を飲みながら目線だけ上向きにしつつヒロミの様子を伺った。
 そんな微妙な空気が流れかけていたがヒロミが口を開き説明を始めてくれた。ナターシャはせめてしっかり聞こう!と意気込み耳を傾けるがただただ驚きが隠せられなかった。

「ヒロミ君の大学、中央部でも指折りに賢そうね……。難病をサイボーグ化で治しました!で終わらせないなんて凄いわ。アフターケアの一貫みたいなもの?またちょっと違うのかしら?子どもに何が……あ、これは聞いちゃ駄目かしら。」

 2世に何か影響があるのだろうか。しかしこれはさっきと同じプライバシーに踏み込む話になりそうだ。さっき反省したばかりなので同じ鉄は踏みたくない。好奇心を無理やり押し留めつつ苦笑しながら「ごめんなさい。」と呟いた。
 大学の課題として、にしてはかなり凄い。としか言えなかった。ナターシャ自身があまり専門的な事が分からないのもあるが今まで医療関連のニュースでちらりとサイボーグに関して聞くこともあるが毎回考えている人すごいなぁと思って終わっていた。
(今目の前に凄い人が座ってる。しかも大学の課題……。ヒロミ君ってかなり凄い人だわ。)
 そんな感動を胸に抱きつつ今まで持っていたお冷を机に戻すと手を膝の上に乗せじっとヒロミを見る。あまり年も変わらないかもしれないが自分より若いのにこんなに賢いのか!なんて凄い子だろう!と感動していた。先程から凄い、としか言えないほどである。

Re: 太陽が死んだ【募集中】 ( No.73 )
日時: 2019/07/01 15:00
名前: 榎@ENOKI (ID: ZFblzpHM)

>>72


言い訳がましい僕の発言を拾ってくれたけど、それよりも頭を下げて謝るナーシャの姿が脳裏にこびりついていて「あ、いちお、国から募集のかかってる技術分野も専門にしてるんで……」と誤魔化しながら、少しの間目を伏せた。
無遠慮だとか言って反省しているナーシャだけど、多分僕自身が世俗に疎い、疎すぎるのが原因だろう……。適当な相槌をして流せておけば、お互いに傷つかずに済んだのだろうか……。女性相手に適当な相槌とかできるの?僕が?男友達のノリでいったらやばいだろ、たぶん即アウトだ。いやどっちだよ、でもどのみちアウトだ。
ともかく、今回で判明したけど、僕自身が女性への接し方をすっかり忘れた(というか、分からないというか)って点と、青臭いプライドでグズグズして持て余していた点、厄介と厄介の掛け合わせで致命的になる。タメ口で喋れる頃には治ると思ってたけど無理だ。意識してセーブしていかなきゃ、いつまでたっても、このままだから。忘れろ、羞恥を忘れろ、捨てろ、生きていくのに邪魔なものは。
気づけば止めていた呼吸をゆっくり取り戻す。僕の頭の後ろに暗幕のカーテンを垂らす、そんなイメージを強く思い浮かべて目を開けた。
そういえば、中途半端に喋って思考にふけってしまった。慌てて、素直に謝った。

「——ごめんなさい、ちょっと考えごとをしてました。ええと……僕の大学なんですけど、先進技術の仕事の求人も給料も、ここ数年で著しく増加したので、 教育現場が間に合わなくて綻びがあるんですよね。被験者の実子への被害が、目に見えて分かるようになってから慌てて研究に本腰を入れた、という状況なんで……あまり褒められるようなことじゃあないんです。僕も、養親がその研究の現場で働いてなきゃ実情が分からないままだったろうし、もっと需要の多い他分野を選んでたと思うので……」

普段なら同じ授業や、近い分野を専攻している人と喋るので、一般の人を相手にどこまで喋ったらいいのかわからず、少し不安になる。
ナーシャの様子はちゃんと見ていた。持っていたお冷やをテーブルに置いて、僕を見る目つきが変わった——長いこと見たことがなかったから何なのか思い当たるまでに時間を要したけど、たぶん、驚きの類いの目線を向けられていた。
技術畑の話なんて、何の役にも立たないのに……と思いながら水を飲んで唇を湿らす。
ただ、やはりというか2世の話は興味を持ったようだ。なんとなく想像はしていたので、自制をするナーシャに「気にしなくていいですよ、いずれ社会に周知されることなので」と相槌をうつ。
視線を手の中の水面に落とし、上下左右に揺らしながら話の続きを考えた。

「それで……えっと……そう、僕の課題の話でしたよね。課題テーマは自由だったんで、“彼ら”の調査は、以前に手伝いで関わったのでそのまま続けてるような感じです。地方部ここの周辺地域はまだ数が少ない方です。
例えば、人体に不必要な突起物があったり、これは人それぞれなんですけど、分かりやすいもので言えば“ネコミミ”や“ケモミミ”を連想するような頭部の突起物とか。他にも異常な五感能力、身体能力や記憶力にも……といった突然変異が見られます。……都市部あっちだと、天才だとか宇宙人だとか、好き勝手に言われてるんですけど、周知されればここもいずれ……」

話題が愚痴になり始めていたので誤魔化すようにふう、と息を吐いてからコップの水を一気に飲み干す。項垂れていた頭を上げて、「ごめんなさい、長々と喋ってしまって。つまんないですよね、こういうの」と苦々しく笑みを浮かべた。

Re: 太陽が死んだ【募集中】 ( No.74 )
日時: 2019/07/14 22:13
名前: 百千 (ID: NypakStI)

(/お久しぶりでございます…っ!!申し訳ございません(;´Д`)バタバタとしておりましたらこんなにも返信が遅くなってしまい…。まだ続けさせて頂けるならいくらでも待てますのでよろしくお願い申し上げます!ご迷惑をおかけしてしまい申し訳ございませんがお願い致しますっ!!)

>>73
 
「そんなこと無い。分かりやすく教えてくれるから私理解しやすかったし、第一聞こうとしたのは私なんだから。……そんな顔しないで?」

 苦々しく笑う青年に対してナターシャは首を横に振って言う。そもそも専門家でも何でもない――しかも賢いとは到底言い難い――ナターシャにも分かりやすく言葉を選んでもらっていたのだ。そして簡潔にではなくしっかりと内容も教えてもらっている。感謝の念しか湧かないのも当たり前だろう。
 ただ1つ悔やむ事があるとすれば、浅学な己くらいだろう。せめてそれ関係のニュースさえ詳しければとも思う。彼はナターシャが聞こうとしたから答えてくれただけだろうと予測をしているものの何かを返したいと思う彼女は遠慮がちに言葉を零した。

「えっと、私はなんだけど、気付いて対応し始めたっていうところに少し安心した、かな。大学でも選択できるくらいに研究?みたいなのも進んでるみたいだし……何より原因を隠したり見て見ぬふりしたりしないでその人達が暮らしやすくなるようにするって事でしょ?黙っていない、って大事だと思うの。……ただ、宇宙人ってやな感じね。」

 自然と眉間にシワがより渋い顔をしてお冷を持つ手に力が込められる。天才という言葉はおそらく称賛の意が込められているだろうが宇宙人という言葉を称賛では使わないだろうとナターシャは感じる。おそらくは影響が著しく強く出た子達のことを指すのだろうか。子どもに対してなんと心の無い言葉を――――。
(ここでも周知されたらそんな言葉を使ってしまう人が出てくるかもしれない……嫌だわそれ。それに、なぜ子どもに対する影響に気付けなかったか、って言って騒ぐ人もいそう。でも、でも、救くえる人が増えるように尽力した人が悪いわけでもないし……。でも今大変な子達がいて……。)

「ん〜……、色んな事思うけど言葉に表すのは難しいわね。でも、やっぱりヒロミ君はすごいわ。」

 誰かを責める必要もなくて、でも運が悪かったで片付ける事は絶対にしてはいけなくて、ただ見て見ぬ振りせず向き合っている人が今いる事は素晴らしい事は確かだとナターシャは一人思った。

「失礼致します。お待たせ致しました、アメリカンコーヒーとカフェモカをお持ち致しました。」

「ありがとうございます。アメリカンコーヒーは彼でカフェモカは私です。」

 店員がお盆に注文していた品を乗せてやって来たのでナターシャは掌で彼を示しながら店員の方に声をかける。
 その案内のまま店員が二人の前にカップを置くとふわりと珈琲の香りが心地よく香る。ナターシャの心は少しだけ踊りそうになるが自分だけ落ち着きないのは如何なものかと思ったのかぐっと堪えて微笑を浮かべてカップを眺めるのみに徹した。珈琲の香りの中に微かにチョコレートの匂い。嗚呼、さぞ満たされることだろう。

「よろしければ、お注ぎ致しましょうか?」

 ナターシャがうっとりと眺めそうになるのを堪えている最中、店員は伝票が挟まっている木製の盾に細長いバインダーを机に置く際ヒロミのお冷が空になっていることに気が付きにこやかに伺った。

(/店員の行動説明しますと、ヒロミ君がお冷がいる場合→お冷を注いでから「ではごゆっくりお寛ぎ下さいませ。」と言い一礼して去ります。
 お冷がいらない場合→「失礼致しました。ごゆっくりお寛ぎ下さいませ。」と言い一礼して去ります。お好きな方でお願い致しますっ!)

Re: 太陽が死んだ【募集中】 ( No.75 )
日時: 2019/08/04 14:41
名前: 榎@ENOKI (ID: l1OKFeFD)

>>74

(/課題やら何やらに追われていたら気づけば半月も放置しててすみませんでした……!各々の都合も色々あると思うんで、よほどのことがない限りリセット等はしませんので気になさらないでください!でも長いこと待ってて寂しかったのでくそなが長文で返しますね



空になったグラスをテーブルに置いて、ナーシャの言葉を黙って聞く。何も知らない人たちが付けた彼らへのあだ名に触れたので「ええ、あまり喜ばしくはないですよね……」と相槌をうつ。専門外の人からの意見をこうして直接聞くのは初めてのことだったからナーシャの表情や目の動きを注視する、なんてことをしていたことに僕自身が気づくのはその直後だった。
ナーシャの意見を頭の中で咀嚼し、これ以上得られるものはないだろうと結論づける。このままだと彼らのプライバシーに踏み込みかねない。地方部で彼らの情報が出回ってからなら、多少変わってくるのだろうか。
ふと、政府の人たちと会議し終えた養父の姿を思い出した。やらなきゃいけないことはあるのに踏み出せないもどかしさを表情にたたえて「この歳になってもまだ馬車馬か……」と愚痴をこぼし、ソファに深々と腰を沈めて顔を掌で覆う姿を見たのは、その時が初めてだった。シルバーグレーの髪と口髭が様になっていて、歳なんて関係ないとばかりに昼夜研究をしてスーツでも構わず動き回るような活発な人だから、驚きのあまり「あなたのような人でも疲れることってあるんですね」と思わず言ってしまったのだ。彼は乾いた笑い声をあげて「いくら重宝されても、私たちに主導権はないんだ。君もいずれわかるよ」と、日焼けした手で僕の頭を乱雑に(今思えば彼なりの仕返しだったのかも)撫でた。養父のように、何某かに雇用されている立場にいるなら多少の制限はやむを得ない、ということだろうか。……彼の言い草に合わせるなら御者と馬車馬の関係だから、多少どころか絶対的な従属で雁字搦めかもしれない。いやいや、さすがに、馬車なんて、非効率的なものなんて、このご時世にそんなことは……。

変わらぬナーシャの優しい言葉にどう返答したらいいのか思いつかず、とりあえず笑顔を浮かべてみせた。僕の許容値をぶち破ってもなおこぼれ落ちず満たさんとするものは、僕の脳漿になるのだろうか、それとも僕の脳を溶かすのだろうか。いや、僕そのものを包み込むつもりか……。
僕を優しく握りしめる掌の中で、ぬくもりと、平たい部分から細長く分かれた指が今も僕の体に触れている様子を、意識する。ひどく緩やかな曲線で構築された凹凸が強力な接着剤で繋がってほしいと思った。いつでも離れるはずの凹凸が離れないまま、二度と向こうの景色が見れなくなるかもしれない恐怖感がいつのまにか僕の奥底に鎮座しているのに気づいた。
矛盾してる。本当はどっちなんだろう……。
ナーシャのような人とは多分今まで一度も接触したことがない。初めて体験したことだから、躊躇いとか戸惑いとか、そういうものが起因してるのかもしれない……。それならばいずれ解消されるに違いない。これ以上考えるのはよそう。


視界の端から白いソーサーとティーカップが姿を現し、考え事から意識が戻ってハッと息を飲む。視線を上にやると店員がいたので慌てて軽く会釈をする。
コーヒーの香りが満ちる店内でも、注文したアメリカンコーヒーの匂いを確かに嗅ぎとった。喫茶店などでたまに飲むけど、香りなんて意識したことがないのにも関わらず(アメリカンコーヒーの香りだ……)と直感でわかったのが可笑しかった。まじまじと黒い水面を見ていると、注文の品を持ってきた店員がお冷のお代わりを聞いてきたので何も考えず「お願いします」と言う。
無駄のない動きで空のグラスに注いでから、店員は「ではごゆっくりお寛ぎ下さいませ。」と一礼して去った。
その後ろ姿を一瞥してから口を開く。
「僕ばかり話すのもなんですし……ナーシャの話、よければ聞きたいです。この辺のこととか。観光する時間もあまりないので……そういえば、土地を買うって言っていてましたよね、何か建てるんですか?」

Re: 太陽が死んだ【募集中】 ( No.76 )
日時: 2019/09/14 22:37
名前: 百千 (ID: V8KiefHx)

(/お久しぶりでございますっ!まとまった文を書く時間がなく返信遅くなりまして大変申し訳ございませんでした。
こそーっと、返させて頂きますのでよろしくお願い申し上げます!)

>>75

 暫く考え込むように目線を自身の指に向けるヒロミの様子をぼんやりと眺めつつカフェモカの入ったカップのふちに口をつける。
 一口飲む途端にほぅと幸せな気分になるあたり彼女は簡単かもしれない。
 彼も気に入ってくれただろうか。いや、せめて嫌いな味じゃなかったら良いなとナターシャは思いつつ彼の様子をまた伺う。
 何事にも真摯に向き合う子。それがナターシャの彼の印象だった。そしてとても賢い。だからこそきっと様々なことを感じてじっくりと自身の中で精査するのだろう。
(……彼の目に私はどう写っているのかしら。)
 カップを軽く揺らして泡を揺らすと下のコーヒーと混ざり合って端の泡からふつふつとコーヒーに溶けて消える。まるで自己に浸食してくる他者の価値観のようだった。
 もし彼の自己に微々たる侵食を――――いや、無いな。まず有り得ない。驕りもここまで来るといっそ笑えてしまう。彼に私が与えられる事と云えばせいぜい美味しい喫茶店の情報くらいだ。だからこそナターシャは気になったのかもしれない。どう思われているのか――初対面の距離感をうっかりと忘れながら接してしまった相手に対する心配にしては今更感があるが――を。
 出来れば味方寄りの無害、な位置付けだったら良いのに。と酷く自分本意なことを思ってしまっていたことに気が付きナターシャは己をひどく責めたい気持ちになった。彼の期待を裏切るのがとても怖い。でも仲良くしたい。嗚呼ここまで我儘か。欲深いという響きがナターシャの頭を埋め尽くすと、彼女はその思考ごと飲み下すかの様に二口目を口に運んだ。さっきより苦く感じた。


 ヒロミに問われてハッとした為に少し慌てたように言葉を紡いだ。

「あ、そうよね!私ばかり気になる事を聞いたら不公平だわ。ごめんなさい。……えっとまず私ね、喫茶店を開きたくってお店を開けそうな場所探してるの。何なら建物がすでにあっても良いんだけど、喫茶店用の造りじゃないと後で直したり色々大変そうだから土地買って建てた方が良いかなぁって思ってて……まぁ、どこにも決められなかったんだけど。」

 少し眉を下げつつ笑みを浮かべる。
 あまりに口にしなかった夢なので気恥ずかしくなり目を伏せてカフェモカを続けて飲む。

Re: 太陽が死んだ【募集中】 ( No.77 )
日時: 2021/02/13 16:06
名前: はっぴー (ID: u0Qz.mqu)

おもしろい🤣🤣🤣🤣