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Re: 太陽が死んだ【募集中】 ( No.29 )
日時: 2019/03/09 19:21
名前: 百千 (ID: Ft4.l7ID)

>>26

 少しだけ難しそうな顔をしたユウヒがスープを飲む姿にナターシャは気に入らない味だったかしら、と緊張しながら様子を伺うように横目で見ていた。
 さっきの渡し方はあまり良くなかったのではないか、唐突過ぎでなかったか、押し付けがましかっただろうか、様々な考えが彼女の頭に浮かんではずしりとのし掛かる。
(話を変えようとした行動だったけど、ユウヒさん迷惑だったんじゃないかしら。最初からお仕事の邪魔してるし……。)
 ナターシャの思考回路が悪い方に進んでいる最中、ユウヒがゆっくりと口を開いてくれたおかげで考えることを止めることが出来た。
 彼の口から語られる話をしっかりと聞いていたが、いまいち頭が追いついていないのか彼女はきょとんとしていたが、ユウヒがこちらを向き、笑顔で自分を褒めてくれていたことを悟ると

「あ、ありがとう!?」

 と、驚きながらもすぐさまお礼を言った。なぜ急に褒めてくれたのかは理由は分かっていなかったが、嬉しいことに変わりない。

「でも、ユウヒさんだってとても仕事真面目よ。服を考えるために実際に外に出て座ってじっくり考えるなんて早々出来ないわ。それに心が子どもなんかじゃない。ユウヒさんはとっても優しくて純粋なのよ。」

 スープ、お口にあって良かったわ。と言い加えながらコップを受け取る時、褒められ慣れてないせいで、照れて頬が熱くなるのを隠すように伏し目がちになったが、話すときはしっかりと顔を上げてユウヒに向かって笑顔を返した。
 きっと表情に敏感な彼だ。一瞬でも変な表情になった自分を元気づけようとしてくれたのだ。なんて自分勝手なことを考えながら。
(今は子どもでも、いつかうんっと見返せるようになれば良いだけよね。)
 なぜ、見返したいと思ったのかは今はまだ考えないようにしよう、と両手をそっと胸にあてて小さく微笑んだ。


「さくら…………。そう、桜!」

 ユウヒの口から出た花の名前をナターシャも口に出してみると、思い出した勢いで目を見開いき、勢い良くユウヒの方へ向く。

「葉っぱが薄ピンクになるんじゃなくて春に花が咲くのよ。さっき言ったみたいな5つの花弁の小さい花がっ。それが散ってから葉っぱが生え始めるの!ユウヒさん流石だわ!私名前すっかり忘れてて……!口に出して良かった!!」

 少し興奮しながらナターシャは喋りながらユウヒの片手を両手で握り縦に振りだした。