オリジナルなりきり掲示板

Re: 太陽が死んだ【募集中】 ( No.57 )
日時: 2019/05/15 21:27
名前: 榎@ENOKI (ID: UeLkOLiI)


>>56
(/了解しました!こっちも分かりづらいとこがあったら書き直しますんで、ヒロミ共々よろしくお願いします!ヒロミの設定と絡めていくうちにめちゃくちゃ長くなってしまったんですけど、気にしないでください……!


クチコミやSNSで探った結果「仕事終わりの週末に泊まって酒飲んでおいしいご飯食べるのオススメ、都市部より値段安くて贅沢できる!」という紹介がバズった影響で、ホテルのサービスだとか飲み屋のリストアップがとにかく多いことだけが分かった。
今回予約したホテルは駅近で一番安い場所にしたため、豊富なサービスで疲れをリフレッシュだとか、最高級のおもてなしだとかは一切ない。まあ……いち学生が使える施設なんてそんなもんじゃないかな。ああでも、泊まった部屋が都市部の格安ホテルより倍広いのは流石地方部だとおもう。ドームという明確な仕切りのある都市部と違って、土地の制限がそこまでない恩恵だ。
細かい数値までは知らないけど、地方部と都市部の土地価格って3~4倍の差はあって当然、過去には20倍以上の土地価格がいくつかあった――大人からよく聞く話だ。なんでこんな話をしたがるんだろう……。

大人の事情を考えると今の学生生活がなんだか尊いものに思えてきた。コーヒーと軽食があって暇潰せる場所ならどこでもいいかな、と検索を絞っているときだった。とん、と背中に人がぶつかったので「あっごめんなさい」と謝って振り向くと、落ちた勢いで地面をすこし滑る茶封筒とそれらを慌てて拾う金髪の頭頂部がそこにあった。
手は動かしたままで顔を上げて謝ったのは女性だった。仕草に落ち着つきがあるものの、服装のせいか利発な人のように見える。笑顔を忘れずに、だけど申し訳なさそうな表情を浮かべていた。……その顔に疲労が滲んでいるように思えるのは、夜と近くにある街灯の(芸術的なことはさっぱり分からないけど)光の当たり方のせいだろうか。

「僕なら大丈夫です。……っと、これで全部……かな?」

女性から一番離れたところに落ちた茶封筒を拾い、周囲を確認してから差し出す。そのときに、一瞬だけ茶封筒に視線を落とす。切手がないから手紙じゃあない。なら書類でも入れてるのだろうか。そう考えると(ひょっとすると、やばい書類とかが入ってるんじゃ)と不安になってくる。
あぶないことがそこら中に起きてる、なんて空想じみた考えなんかじゃない。
僕の双子の兄が、高校入学祝いでファミレスで一緒にご飯を食べたのを最後に連絡がつかない。幼い頃に親を亡くした僕たちはそれぞれ別に引き取られたのだけど、兄を引き取った叔父がギャンブル狂で、その人の消息もわからない。
興信所に依頼して、判明して、全身から力が抜けていく感覚を思い出す。
支えを失くしてしまった喪失感と絶望が今、腹の底で手を振っている。そいつらは今でも僕の中にいる……。お前らに用はないんだ。そのまま胃液に消化されて、いなくなっちまえ。

わずかな間の思考で重くなった心を振り払うようにぎゅっと目を瞑って、開き、こわばった頬を難なくあげて笑みを浮かべて見せる。助けられるのなら、出来る限りのことがしたい。
「えっと、その、突然の無礼で申し訳ないんですけど、僕でよければ相談に乗りましょうか……なんか思いつめたような顔してたのが気になって……」