オリジナルなりきり掲示板
- (*'ω'*)天にも昇る気持ちや……ありがとやで…… ( No.71 )
- 日時: 2019/06/21 19:17
- 名前: 榎@ENOKI (ID: D6X4Nb68)
>>70
メニュー表に指が触れたときに、サンドウィッチのテイクアウトがあるとナーシャが教えてくれたので「おぉ、そうなんですか」と片眉をあげる。
ページ全てに目を通したわけじゃないけど、おそらくサンドウィッチもこの店の看板商品だろうからテイクアウトできて当然っちゃ当然かな。店で朝食にするか、間に合わなかったらテイクアウトでお昼に……。いや、やっぱり作りたてが食べたいな。
そんなことを考えながら、アメリカンの文字に指を滑らせた。
上の方で吹き出す気配がして、咄嗟にキュッと目をつぶる。なんだろう、ナーシャのツボに入ったのかな……。単なる呟きのつもりだったから思わぬ反応に驚いてしまった。でも呆れられるよりマシかな。マシだと信じよう。メニューから顔を上げて背筋を伸ばせば、少しだけ自信が持てた。
ナーシャのお勧めを受けて「明日早起きして、ここで朝食とってみます。僕が起きれたらですけど……。次は他のコーヒーに挑戦してみたいです!」と、メニュー表を渡す際に言い添えた。
「わっ……」
注文を受けて引き下がる店員に目礼し、ナーシャの方へ向き直ればちょうど僕の方へ少し前のめりになったところだった。あまりにも突然だったので、小さく開いた口の中で驚きの声をあげる。
が、すぐに顎が外れんばかりに口を開けた。小さな声だったけれど「彼女との待ち合わせ?」と言ったのを、聞いてしまったからだ。
「あわ……や、そんなんじゃないです……授業の現地課題でぇ……」
一日に二度も顔が熱くなるなんて初めてだ!視界が若干滲んでいるような気がするけど涙も出たの?!
バグバグと激しく脈打つ心音を聞かれまいと背凭れに体を押し付ける。何度か瞬きすれば涙も引き、何をしたらいいのか分からずナーシャの顔をじっと見た。
彼女から提案してくれたお茶だったけど、こんなドッキリがあるんて思わなかった。や、ナーシャにドッキリのつもりはないに違いないけど、あまりにも突然すぎた。
今になって分かったけど、気遣いで周りに聞こえないように前のめりになったんだ……。
お冷の存在を思い出して、手に取ると心地よい冷たさに少し落ち着く。両手で持ち、人差し指を無意味に交互に動かしながら「あ、う、えと、そのぉ……」と言葉を探す。
「今日会うのは少年なんです……。授業の課題が、サイボーグ技術と医療技術の両分野で……ああ専門的な話はだめだ……えっと、僕がやろうとしてるのは、難病をサイボーグ技術で治した人の実子の調査で……」
ナーシャが聞きたいのは、彼女がいるか、その点だけだ。頭で分かってるのにプライドが口を動かす。言い訳がましく、絶対に興味を持たれない部分まで喋ってしまった。
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