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Re: 【募集】深淵を覗く ( No.49 )
日時: 2019/05/07 17:29
名前: 榎@ENOKI (ID: K3f42Yhd)

>>46

下の名前をかっこいいと言われて、むずがゆい思いで「うん、そうだね」と笑む。かっこいい……。
いつもなら苗字だけで済ませるが、弘貴が先に、わざわざ漢字も教えるように名乗ったのでつられて下の名前を教えてしまった。
名前がどうのこうのと言われるのが滅多にないため、妙に照れてしまうのは仕方ないのかな……。

すこし要領のつかめない発言に、黙って考えて、俺が分析のために見ていたことに気づいていたんじゃないかと思い当たる。
分析、といえば俺自身の穴にも関わることだ。彼を見ているときにも発動していたのかは分からないけど。
右目に被さるように穴があるため、初見だと、穴というより目が欠落したと思われたのだろうか。
「あー、ごめんね。穴のせいでどうしても観察するクセがあって……俺の穴、右目にあるんだけど、右目もちゃんとあるから隠すに隠せなくて……。こんなのが見てたら怖いよね」
取り繕うように笑ってみせるけど、申し訳なさが押し殺せず、へラリとした情けないような笑みになったのが自分でもわかる。
「強いとか弱いとか、時と場合で変わっちゃうから何とも言えないけど。まあ、とにかくめんどくさいよね、穴って。命の安全より衝動を優先するのさえなければ便利なんだけど……」
自身の穴を卑下するような弘貴の発言に、慰めや同情の意思は湧かず、曖昧な相槌で流す。
弘貴が立ち上がったので続いて俺も立つ。服についたほこりを払った。
パン。強炭酸飲料。おやつの時間かな、と連想する。時計を見るとまだ午前中だった。
「ううん、パンはともかく炭酸が売ってるところは分からないなあ。俺刺激物がどうもダメで把握すらしてないし。……そうだね、元よりここには探索しに来たから、そのついでに付き合うよ」