ALLジャンルのオリジナル小説、ライトノベル、二次創作小説、ss小説やイラスト投稿なら「小説☆カキコ」

>>45

「‥‥(変わり者ってなんだよ‥)」

俺はさらっと言われた嫌味に、苛立つより神妙な気持ちの表情を浮かべていた。
‥‥日常的に来よう、と言えどまだ帰るつもりはないが。そうだな、今度はあのお嬢も連れてくるとしよう。



しかも美人がいるって事もおまけに付いてくる‥‥

――――下心まぁるだし～

俺も独身なんだよ。しかも三十路みそじ過ぎているんだぜ？


一人勝手に虚しくなってきた。だが狙うなら店長か‥
何てしょうもない心に封をし、この感動的な状況を目に焼き付ける事にした。

――――記憶なんて本当に戻るのだろうかねぇ

俺は警官で、ましてや脳外科医なんて大層なものじゃねぇからわからんって。

――――じゃ、高校生の私には余計分かんないや。


でも本当に悲しいな、再会できた友に「記憶がない」って言われるなんてなぁ‥‥
もしかすると死ぬよりも辛いのかも知れんな、大事な人に忘れ去られるなんて。

「死」を経験した者からすると、「死」以上に恐れるものは沢山あるんだなぁ、と。

【>>41-44、シエルサイド】

「僕の知る『日本』は様々な世界から見ても平和で、大きな争いがなく誰もが平等……。いつか行ってみたいな……。」

啓二さんの話を聞いたあと、僕は興味をもちニヤニヤしていた。それが叶わない夢だとしても、こうやって話をすることは大事だ。

「パラレルワールドって……宇宙すらも別なのかな……？」

少し呟いてカプチーノを作り、女性に届けた後、蓮華さんが記憶喪失であることを告白したため、無意識のうちにかつてのニコラと重ね合わせていた。

【>>44、ニコラサイド】

「蓮華ちゃんも、記憶喪失になってるんだ……辛いよね、大切な人がそうなってたら……。私もわかるよ。」

私も1度記憶喪失になったことがある。その時は大切なことも、自分の名前も覚えていなかった。体が覚えていたのは、虐待といじめによってできた傷痕だけ。あの時はゼロから『幸せを届ける存在』として第二の人生を始めたのが最低で最高の出来事だったのだろう。

私はレモネードを飲みながら話をすることにした。

「私も、数年の間記憶喪失になったことがあって…………ずっと一人で抱え込んでいたんだ。シエルのことも姿だけ覚えていて、ぼんやりしていて、その時の数年間は誰も信じられなかったわ。生きた心地がしなくて、まるで『迷路に迷い込んだ』ように……。」

過去のことをカミングアウトすることは勇気がいるけど、ここで全て言わないと。もちろんシエルは知ってるけどね。私は『前の私』と前髪が短かったシエルが唯一写っている写真を見せて微笑んだ。

「記憶喪失になったのは、確かビルから飛び降り自殺した時。そうだ、この髪が長いのが『前の私』で……。シエルだけが私に優しくしてくれたの。そして、今の私がいる。まあ、人生は塞翁が馬って言うからね！」