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>>53ｰ57

店長の返答に、へぇ、と気の抜けた声を出す。

｢良いことだね。まぁ、ちょっと言い方は可笑しいと思うけど、きれいどころが増えるっていうのは、もしかしたらお客さんも増えるかもしれないしね。｣

言い終わった所で、何やら甘いような辛いようなよく分からない匂いがふわりと香る。

｢マフィン...かな？それにしては、なんか甘くない匂いもするけど。
美味しそうだね。｣

>>57-58

「それじゃあ宜しくね、シエル君！

マフィンはハズレが不味いだけだから！ハズレじゃないやつ食べて貰えば解ると思うわよ？」

店長が言った通り、ハズレじゃなければ基本美味しい。良くも悪くもこれが店長だからな。

「リベル、聞いてたと思うけど、このマフィンにはハズレが混じってるから......」

私が途中まで言うと、愛が複数あるマフィンを眺めては、1つだけ取った

「リベルさん、ですかね？ハズレはこれだけですので外は安心して食べて頂いて大丈夫ですよ！
蓮華ちゃんの魔法で失敗したのがハズレという事なのはお手洗いでも聞こえましたので！それで、蓮華ちゃんの魔力を感じるのを探せば見つかりました！！」

「結局ハズレは２つあったじゃないかバカ店長ぉぉぉぉ！！」

>>59

「結局ハズレは２つあったじゃないかバカ店長ぉぉぉぉ！！」と言う叫び声からして、やはりこの店長、タダ者じゃねぇ‥

が、この「変わり者」の津々良、ちょっと食べてみたい気がする。好奇心ってヤツだ‥

「こんなこと言うのもかなり変な事だが、一個、そのハズレを食べてみたいんだ。‥‥って事でちょーだい？」

と、絶対周囲からドン引きされるのを覚悟で手を差し伸べた。魔法がある人には薬で常人には毒かも知れないこの爆弾マフィン。幾度のピンチを切り抜けた屈強なる王国執事にぜひ、食わしてほしいものだ。

>>59-60

(ふぅん、じゃあ一個頂こうかな。)

そう思って取ろうとしたマフィンを、横から誰かが取った。
どうやら、それが外れの二つ目らしい。

「あっぶなぁ。それ取ろうとしてたよ、僕。」

そう言って他のものを一つとって口に入れる。
バターがふわりと香り、しっとりとしていて美味しい。
美味しいね、と言おうとした瞬間、また誰かが外れのマフィンを食べてみたいと言うのが聞こえた。

「正気かい？
勇気があるね、君。」