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絵麻「んも～、じれったいなぁ！ねぇ、稜ちゃん！」
そう言って隣に頷いていた親友の肩に手を置く。
小学生の思春期、突入前の子はこういう話が恥ずかしいらしい。
絵麻「私が話せって言われたって終わったんだもん……何にも言う事ないと思わない？稜ちゃん」
春樹とは幼馴染で下宿所に住んでて。
甘い少女漫画を連想させる関係だが、そんなの違う。
ドロドロで、難しくて。
絡まってて。
不完全な関係だ。
そんなの誰が甘い少女漫画と言うのか。
フッと笑みが漏れる。
　そりゃあ、憧れた。もともと、こう見えても少女漫画は好きだし王子様がいつか迎えに来てくれるって思ってた時期もあった。
だけど。
本当の王子様は少しヘタレで我が侭でちょっと、変な幼馴染だった。私がいないと駄目なヘタレ。
絵麻「本当……何だろうね」
この皮肉じみたこの関係が。
　否めない。