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冬樹「やっぱり、捜してたんだよ。君を頼まれたからね」
訳の分からない状況に私は首を傾げる。
春樹は大体察したようだった。
絵麻「冬樹さんは、要するにぃ……えと、稜ちゃんを捜してた！稜ちゃんのお兄さんの遺言で」
冬樹「絵麻ちゃん、大正解！……飛鳥詠ちゃん、君は、君でいるべきだよ」
ウタちゃん？
冬樹「飛鳥君、君のお兄さんは、そう言ってた。名前、知らなかったんだろう？」
フッと優し気な微笑みを浮かべる。
花も咲き誇る、綺麗な、優美な、そんな笑顔。
温かい……。
春樹「てことは、飛鳥稜っていうのは兄の名前で引き継いだだけ。本名は飛鳥詠ってことか」

「あ、そうだったんだー。」

通りで男子らしい名前と。
ウタなら何か納得。
でも、何で亡くなったんだろ？
･･･瀬戸口家って色んな所と関係持ってるな･････

絵麻「どうしてさ、おじさんとおばさんはそんなに色んな所と関係持ってるの」
こそっと耳打ちしてくる絵麻の大きな瞳を見つめ、視線を横に滑らす。
ちくしょ、心臓が煩い。
春樹「は、え……もともと、不動産業、してるからな。朝顔荘を始めるきっかけとなるこの家も親父がおばさん達に売ったから」
絵麻「へえ……お母さん達に」
興味津々に瞬く大きな瞳がきらり、と煌めく。
可愛い。
春樹「……兄貴、どうして飛鳥の兄ちゃんが亡くなっちまったんだよ」
突然、放たれた質問に兄貴は目を丸くする。

雪菜「私達と同じ双子か、でも稜ちゃんの気持ち、私はわかるよ。」
炎華「……そっか。」