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Re: 【指名制恋愛】獣が食らうは恋の味【募集中】 ( No.52 )
日時: 2020/07/29 21:36
名前: 火某 (ID: 6tDnREag)

>>50

差し出された資料を前に一度二度目を瞬いた。多分結構な間抜けヅラを晒したことだろう。
取ろうとしていた資料がまとめられていて、手が宙を泳いだところで「少しは手伝っても良いだろ」と気恥ずかしげに言うイワンに漸く思考が繋がった。

マロン「あっありがと……じゃない。失礼、恐れ入ります!」

純粋な親切というものを前に、予想以上に戸惑う自分に更に戸惑う。
マロンの知る酔っ払いの来客というのは、もっとこう、面倒くさくて横暴でにくたらしい感じだ。そしてこんな辺鄙で怪しい何でも屋を頼る人間は大概何かしら問題がある。

マロン「育ちが良い……いや、嫌味っぽいな。優しいって言う方が適切なのか……?」

珍しい、と思う。
自分が真っ当な人生……獣人生を送っていなかったから余計だろう。イワンという人間は、きっと、立派な庇護者に良い教えを受けて育った人だ。
こういう相手をなんと形容したら良いものか。小さくブツブツと呟きながらまとめてもらった資料を受け取る。……考え事をしていたからか、指がイワンの手に触れて慌てて一度手を引いてから資料を掴み直した。

マロン「っと、ははは……失礼。ええと、イワンさん、手が大きいですね!」

資料を受け取りまとめ直しながら照れ隠しにそう笑った。
珍しい気まずさを感じる。タクシーまだか、と視線を僅かに泳がせた。