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Re: 【指名制恋愛】獣が食らうは恋の味【募集中】 ( No.58 )
日時: 2020/08/03 08:41
名前: 火某 (ID: cvsyGb8i)

>>56

マロン「……善い、おばあさまだったのですね」

微かに滲んだ懐古のような柔らかい雰囲気は、ぴんと糸を張り詰めてしまう。
それに怯みはしないが、少し残念だ。
家族仲が良いと云えば違うと答え、祖母が人一倍誠実だったと言う。つまり親兄弟とは良好ではなく、そして祖母もまた親愛ではなく、誠実を以って自分を庇護していたのだということだろう。
……怒りは悲しみの発露に似ていると言ったのは何時の知り合いだっただろうか。小さく息を吐いた。

マロン「……この短い時間でも分かるほど、貴方はおばあさまを愛してるし、おばあさまは貴方を愛してた」

イワンのちょっとした仕草や態度で分かる。きちんとした教育を与えられている。
こんな、女が己を売る場所でやってる阿漕な商売だ。
望まない子供を抱えた女が飛び込んできたこともある。
愛せない育てられない子供をより適切な施設や里親へ送り出すことが、生まれた命への誠実さだと声を震わせた女がいた。
……折角愛してるのに、愛されてるのに。それを悲しみで曇らせたまま目を逸らすなんて。胸に渦巻くのは憐れみではなく、妬ましさだろうか、羨望だろうか。

マロン「家族は血のつながりをさすものではありません。……大丈夫ですよ、胸を張ってくださいな。あなたは、あなたの“家族”と良好だったんです」

一生忘れられない程の、揺り籠のような親愛。

マロン「……あ、いや。出過ぎたことを言いましたね。ごめんなさい、身内の一人も居ない侘しい小娘の戯言なので聞き流して頂いて結構なのですが」

言い切ってからはたと気付き帽子を引き下げ目元を隠す。怒らせたかもしれない。人間の事情も情緒も分かりきってないのに何を言ってるのか自分は!