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>>60
自分の頬に触れる手指は､温かく儚い
正直に言うととても恐ろしい
サクラギの言う通り､彼女を殺めてしまったら？
自分の番つがいとなったせいで彼女が偏見の目に晒されたら？
反獣人主義者達に自分諸共殺されたら？
何より､自分が『人殺し』だと彼女が知ったら？

抱きしめたい｡『自分も愛している』と伝えたい
けれど､それを上回る程『怖い』

ペルラン「お､俺は…」
恐怖で声が詰まる｡言わなくては､言葉の先を紡がなくてはならないのに


>>61
イワン「ん｡分かった」
この甘酸っぱい学生の頃に戻ったかの様なな時間も終いのようだ
眠気と覚めかけた酔いで､床全体がこんにゃくになったのかと思える程のふわふわとした文字通り『地に足着かない』感覚の中足を階段に進める
少しでも足を滑らせたら間違いなく危ない｡打ち所が悪ければ死ぬか下半身不随まっしぐらと言えるだろう｡『酔っ払って階段から足を滑らせた挙句頭を打って死亡』だなんて､恥ずかしすぎる｡何より死んでからも『馬鹿な死に方してんじゃないよ！こんのバカ孫！』ってばあちゃんに叱られるのは御免だ
壁にベッタリと手をつけ慎重に階段を降りる