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>>90
『泣いたり叫んだり､鬱陶しいなぁ』とでも言いたげな様子を隠すこと無く「あっそ｡わかったよ」とつまらなそうに短く返答すると､まるで床に転がった捨てる前のマネキンでも扱うかのように『姉様』を蹴り転がすと目隠しや口枷として噛まされた布すら取り除く事無く「それじゃ｡また今度ー」と手を振り､夜の闇に姿を消した
彼女としては『あの人の方を助けて』と言うのを予想していたのだろう｡そして､シェリルが彼女の読み通りそう答えていたら…想像しただけでもおぞましい


>>91
マロンの指さしたテーブルを見ると､まるで新品の様に汚れひとつ無い皿と『そんなものあったか？』と存在を忘れてしまうほど使っていなかったのに綺麗に磨かれたスープカップが湯気を立て置かれている
訝しげにスープカップの中を除くと､注がれていたのはシジミのスープで｡よく皿を見れば美味しそうな手料理が並んでいた
素直に礼を言った後､席につき『いただきます』と手を合わせ食事を始める
ずっとカップ麺やコンビニ弁当ばかりで､手料理なんて食べたの何年ぶりかになるだろうか｡少し涙が出そうになった

>>92
見慣れたパトロールカーに部下数人と乗り込みキーを回す
エンジン音と共に起動するカーナビゲーション｡無線機を手に取り話す
サクラギ「こちら第一班班長サクラギ｡現在PS(警察署)を出発｡現場の位置情報と犯人の特徴を」
数秒すると､大量のノイズ音と共に現場の警察から無線が入る
「こち…現……人……グリズ……」
何かをねじ切った様な音と共に通信は途絶えた｡間違いない｡奴に殺されたか