オリジナルなりきり掲示板

Re: いちいち 〆 ( No.48 )
日時: 2021/01/13 18:30
名前: 紫月 ◆GKjqe9uLRc (ID: w1UoqX1L)

>>45/憑さん

 キンコンカンコンとチャイムが鳴ったことにようやく気が付きせとかは我に返る。
 「嗚呼……そういえば……そんな時間だっけ……」
ぽつり、ぽつりと呟きながらさっきまではあんなにも騒がしく人混みになっていたのだが今は静まり返った廊下をとぼとぼと歩く。
今からでも教室に戻ろうか、とそう考えるも「………面倒臭い」となってしまい、足は三回に渡る長い階段を上り青い空の広がりが見える屋上へと向かっていた。

 古めかしいぎぃ、ぎぃとなるノブを掴み開ければ清々しく爽やかな風が瞬間、髪に触れる。
 「……きもち……」
眼を細めて風に身をゆだねるように両腕を広げればごろん、と寝っ転がって。



 暫くすれば太陽の暑さにやられ、日陰へと避難していた。タイルの冷たさが熱の集まった頬を、手を冷やしてくれる。
何時の間にか、せとかは風に吹かれながらその気持ちよさに目を伏せていた。



 蘇るのは、自分が大大大嫌いだったあの頃。豚のように垂れ下がった肉が醜いと思い鏡を見ることも出来なかった色褪せた記憶。
 隣に居てくれたのは、友一だった。けれども彼は、周りと同じく自分を裏で嘲笑っていたのだと、知ることになる雌豚のせとか。
 知らず知らずのうちの涙を流しながらせとかは寝ていて。