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>>62／憑さん

　「いッ……」
虚を掻き縋っていた自分の手が顔に当たり、ようやく、せとかは突然の痛みのおかげで目を覚まし。
くしゃくしゃっと髪を掻き回せば、上体を起こし立ち上がろうとするもへたと足と足が絡まって転んでしまう。
　「ああ、もう……」
やんなっちゃうとばかり言葉を吐いて立ち上がることを諦めたのかまた倒れ込み、寝返り動作を打てば。そういえば今何時間目だろうか、クラスではどうなっているのだろうかと思い始め、そわそわする。
そんな時、クラスに居るはずである者が何かを探しているような感じでせとかは眼を瞬かせる。
「ゆ、……鹿島？」
思わず友ちゃんと呼びそうになり慌てて苗字に呼び直せばどういう状況なのかさっぱりと分からず。
もしかして自分の事を探してくれているのか？　と嬉しくなるもそれは友一が委員長だからと打ち砕かれた期待を胸にじっと友一の姿を見つめ。