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>>48
ジャックの言葉に安心し。でも彼が自分のマスクに手をやる姿が、顔は見えないのになんだか悲しそうに、辛そうに見えた。
「（なんで、だろう）」
何か声を掛けようかと迷うも、彼が家についたという言葉に断念せざるを得なかった。
そして
「（誰かの手に触るなんて、久しぶりだから緊張しちゃうなぁ）」
最後に触れたのはいつだっけ。先生にプリントを渡すとき、ちょっと触れちゃったときだっけ？
あの時もすぐ緊張しちゃってすぐ話しちゃったけど、こっちはまた別種の緊張感がある。
「（手汗とか、かいちゃってたらどうしよう）」
そう思うと繋ぎたくなくなったけど、でも差し伸べてくれている手を拒絶するのは申し訳なくって。悪あがきで、数度自分のスカートに手のひらを押し付けてから、か細い声で礼を言って彼の手のひらに自分の手を重ねる。
堅くて、おおきな、男の人の手。なんだか恥ずかしくなってきた。頬があついのできっと赤くなっているんだろう。でも霧で上手く誤魔化せているかも、と自分に言い聞かせて。
そして意識をわざと、彼の家はどんな家なんだろうという方に向かせ、彼の家のある方向を見て