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>>65
「ひゃっ、はい！　い、いえ、あのっ……す、すみません」
きゅぅ、と体を小さくするように丸める。何かを言おうとして失敗して、結局謝ってしまった。
彼が自分を守ってくれる、という言葉は勿論信じている。だから彼が急に自分を襲ってきたりとかそんな心配は一切していない。
だけど――
「（男性の部屋に一人で来るのは、初めてだからっ）」
頬に手を当てると案の定熱くなっていた。でも彼はいたって普通そう。
彼は純粋な行為で家に誘ってくれたのに、それなのに勝手にこんな緊張をしているのがなんだか恥ずかしくなってきて、落ち着かせようと彼から視線を逸らし部屋の中を見て。
「あっ、そのお気になさらず……彼？」
お茶を入れる、と言ってくれるジャックに遠慮の言葉を言いながら、彼の言う『彼』が気になって
「あ、あの……彼って？　あっ、言えなければ大丈夫です！」
と、もしかしたら効かれたくない事だったかもしれないと慌てて手を振りながら