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Re: 【戦闘・日常系】只、月明かりに灯されていたくて。〔募集中〕 ( No.164 )
日時: 2020/12/30 17:36
名前: 雪林檎 ◆iPZ3/IklKM (ID: w1UoqX1L)


>>149>>152 〔篝/街中〕
 
 「あぁとぉ? そうきたかあ……」
俺達から予想外の答えを貰った中年男性はどうしよう、と言う眼をしてもう一人の若く華奢な女性に顔を向ける。

 返したくはない、返したい、の問題ではないからだ。駆蒔は力がない下の下だし、俺はそもそも論、香ではないから返せないのだ。それに香の奴らはいけ好かない奴らばかりで仲の良い者達も作っていない。
 「……折角の期待、裏切ったな。そういう話は他の奴らにしてくれ」
意を決めたようにこちらを向き直る男に俺はそう謝り。

「予想外だったからとてもびっくりしてるんだが。あんちゃん等どうしたんだ、なんか悩みでもあるのか? おっちゃん相談乗るぞ?」

こっちもそう言われるとは思ってはいなく面食らってしまう。
 何なんだ、この男。仮にも敵に悩み相談するなんて提案するか?
 驚きとこいつ等のお人好しさへの苛立ちで下唇をガリッと噛むも「悩みなんて腐るほどあるさ」と安心感を感じているような駆蒔の言葉に眼を逸らす。

 「月見が駄目ならそこらで一杯飲もうや。……あ、酒呑める歳か? 最近は未成年の飲酒に厳しいからさあ」
さらさらと話を進める男は駆蒔を見つめる。
 「……俺は酒は飲める」
と言い、天狗面を外して顔を見せ、露わになった顔に夜風が当たって寒い、と目を細めて黒々と艶光した翼をしまい人間の姿へと戻り。


>>152>>154-158〔結/林〕

 「ふふ、昔の話など、お恥ずかしい。でも、そうですわね。わたくしも是非お聴きしたいわ……無垢な縁の御神であった結さまが何故此処に居るのか。ええ、興味がないとは言えませぬ」
昔の話など恥ずかしいのだと擽った気に微笑する玉姫の言葉はまるでわらわの事を幼子と揶揄する言葉だった。

 あんな子狐だった者に見くびられたものだと微量の怒りを覚え、わなわなと震える手に力を入れる。「ほぉ……わらわが斯様な場に降り立った理由などお主のような者に理解できんと思うのだが……仕方がない。今度会ったとき、思い出話と一緒に話そうかのぉ……」
二ッとやり返すように玉姫に無邪気で純粋な可愛らしいのだが言うことははっきり言う時に憎たらしく見える子供のような笑顔を向け。

 嗚呼、そうだ。此処にいる理由などこの場にいる誰一人と理解できんだろう。
じわぁっと胸の中を浸蝕するような黒い気持ちに吐き捨てるように我知らず笑いながら、盤面を見渡す。
 そんなことを口に出したら茗から追い出されるだろうと分かっている為、口には決して出さない。黒い気持ちに置かされた純真無垢だった神は子供のように何も知らず可愛げのある気まぐれな猫を被る。

 誰も分からない筈だ。月を奪った者やそやつ等を手伝う者、中立の立場を護るとし絶望する顔が見れたら最高などと言う者に使える者にも。

 人間の願いを聞き入れ縁を結ぶ神が干渉しては、手を差し伸べてはいけないのに……掟を破り差し伸べた幼子が道を外れていることを知ったその時の感情を。救い正しい道に導きたいと思う感情で動いていることを。

 「ふ……」それが自分を侵していることも要らぬことなどと分かっていてもする自分を呆れる気持ちを抱き自問自答を繰り返し、結局同じ答えに辿り着くなんて。


   わらわは救いようのない馬鹿である。


 好奇の尾が揺れている玉姫に微笑み、下らん兄弟喧嘩を長引かせる弟に目を向け蠱毒に倣い、煽るように黒い言葉を口から吐き出す。

 「兄ではないとダメということはわらわじゃダメかのぉ? 折角、久し振りに“視える”幼子と遊びたかったのだが……ミジンコのような幼子は走り回っている姿が斯様に可愛らしいのだがなぁ」
にこっと愛らしい子供の笑顔を蠱毒や清螺、そして玉姫に向け両手を擦り合わせて首を傾げた。
 
 「お主が好き勝手出来たようにわらわは甘くもない。玉姫は置いておいて、お主はわらわにとってはミジンコでしかない。わらわで遊んでみるか? 子狐だった玉姫はどれくらい強くなったかのぉ」
楽しみじゃ、と菫色の自慢の瞳を三日月形に細め言って見て。

 この苛つきを、誰かに当て蹴散らしたい。