オリジナルなりきり掲示板
- Re: 【戦闘・日常系】只、月明かりに灯されていたくて。〔募集中〕 ( No.191 )
- 日時: 2021/01/07 18:54
- 名前: 雪林檎 ◆iPZ3/IklKM (ID: w1UoqX1L)
>>179〔篝/居酒屋〕
桂に続いて俺も暖簾を潜り、騒がし過ぎずかと言って静か過ぎずの店内へと足を踏み入れる。
酒に呑まれたような真っ赤な顔をした猛者に自分の服装を一瞥されるも俺は顔をあからさまに背け、ぎろっと睨んで見れば忽ち真っ青な顔になり慌てて眼を逸らす。
「……」
下唇を軽く噛んで、額に手をやり気持ちを落ち着かせようと深呼吸をする。
このような者が視界に入るとどうしても昔の、幼少期が脳裏を過ぎるのは悪い癖だ。
何故か彼奴に重ねてしまい、冷たい態度を取ってしまう。
息を吐きながら店員に案内された奥の座敷に腰を下ろした。
背中をばん、と叩かれ驚きのあまり眼を見開いてしまう。じんじん、ひりひりする背中をさり気なく擦っていれば桂はふと切なげな、いや気のせいであったか無難な表情をして。
「まぁ、酒は手軽な麻酔さ。根本的な解決にはならんが飲んでる間は多少痛みも和らぐ……素面よか愚痴りやすくなるだろーよ」
と言うではないか。
テーブルにあったメニューを渡され頷き、開いて見てみる。
食欲は最近、と言うか十代に入った頃からあまりなく唐揚げやなんやらと言うツマミを見るだけで胃もたれしそうになり思わず顔を顰めそうになる。
温かいご飯って久し振りだな……と実家、か本家って言ったほうが良いか。本家から家出をし独り暮らしを慌ててし始めたから用意もまともに出来ず大学を通いながらのバイトをしていたから温かいご飯と言うものをここ数年は口にしていなかったなぁと頭の片隅で思い。
「あー、黒の旦那ははじめてなんだっけか。なら、最初は梅酒とか果実酒のが呑みやすいかねぇ……若い子ならサワーとかのが馴染みやすいか? 雪の旦那はどう思う?」
確かに酒を呑んだこともない奴は度の弱いものから始めるべきだと思い同感の意を表すように強く頷きながら「それでいいと思う」と口にし。
そう言えば初めて酒を呑んだ時、何を思ったかとか何を呑んだとか憶えていないなと薄笑いを浮かべてメニューを見ては「俺は……日本酒で良い」と言い。
「……最初の一杯は奢るからよ!」
拳を握って言う桂の表情はやはり何度見ても切なげで、何かを探しているような―――……俺と似た瞳をしていた。
息を呑み、「じゃあ、奢り頼むよ」と曖昧な微笑を浮かべてはその表情を見つめた。
>>187-188〔結/林〕
自分の肩書に束縛され過ぎるな、だなんて初めて言われたことに苦く笑ってしまう。
嗚呼、蠱毒。
お主のような者はわらわが奉られた時代にはいなかった。幸せに、幸せになってほしいと心から思う。
深い闇に消え去る二人の後姿を見つめ、わらわはそっ、と優しく目を伏せた。
「わたくしは何時だって、弱きもの愚かしきものの味方故に」
玉姫らしい返答にわらわは「そうか……お主にとってはつまらぬことを訊いてしまったかのぉ……」と口元に手を添えた。
間違いや正解だなんて神のみぞ知ることだ、と言う言葉があるがはっきりと言って神も知らぬことだ。
その基準を決めるのは弱く、愚かしき夢を見続ける人間でありその基準に従い口を開く者は己自身なのだ。
「わらわは中立である故、護りたい者があっても味方につかん。肩書に束縛され過ぎるな、か……新鮮な言葉じゃった……奇縁がまた結ばれ兄弟が和解したことに祝福を」
両手を重ね、額に当てる。
綺麗なものを見て燥ぐ子供のように告げる。
「今日は星々が斯様に美しく瞬いておるな……っ」
えんやこいや、そう手を遊ばせるように動かし、ぎゅっと何度も拳を作り崩すのを繰り返し星をまるで捕まえたいかと思っているように目を輝かせてみる。
とびきりの笑顔を浮かべたわらわは「また逢う日に」と別れを告げる。
ふわり、と跳んでくるっと回り、神社を思い浮かべその場から去った。
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