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Re: 【戦闘・日常系】只、月明かりに灯されていたくて。〔募集中〕 ( No.73 )
日時: 2020/12/19 17:59
名前: 無花果 (ID: QFE58D55)

>>憑様
絡みありがとうございます!
折角ですのでこちらから向かわせていただきました。同じ脊ですので顔見知りという体で進めておりますがよろしかったでしょうか?

>>68 [桂/→街中]

そろそろ上着が欲しくなる頃合いだ。コンクリートには土のような温もりはなく足から体温を奪っていく。
このご時世に着物姿、しかも素足で街中を歩く桂は当然のように人目を引いた。疎らながらすれ違う人々は過ぎていく彼を目線で追うか、或いはあからさまに視線をそらす。
歪にギラついた目も暗く濁った目もない。
探し人には行き当たらず、息を吐いて何気なく空を見上げたのはもはや癖だ。
月がなくとも、夜道には困らない。それは人々が持つランタンであったり、点在する街頭であったり、家屋から漏れる灯りであったり、人里の夜は月に頼らずとも照らされている。

「……だがまあ、やはりないと、なあ?」

例え月がなくて困るのが己一人だとしても、桂は月を取り戻さねばならない。
眠気にぼんやりとした頭を振ると、うし、と小さく気合を入れて街を歩く……と見知った顔を見つけた。

「よーぅ、向坂のお嬢さんや。別嬪さんが夜道にひとりはあぶねえぜ」

軽薄に片手を上げてのんびりとした声を上げる。
彼女が手にしたランタンが桂の足元をもぼんやりと照らしていた。