オリジナルなりきり掲示板
- Re: 怪と絆を結ぶ者達【戦闘、日常系】(募集中) ( No.98 )
- 日時: 2021/01/04 11:38
- 名前: 無花果 (ID: Sqek5WrB)
>>ALLさま
どこか絡めそうなタイミングがあるまでソロ回ししてます!
機会があればよろしくおねがいします
>>対象無【綻、徒花/屋内→移動】
「ああ、まったく! けったいなことだ!」
ボロ屋のアパートの一室で、苛立たしさを隠すことなく綻は……否、綻の身体操作権を得た徒花は声を上げた。
不服の声は大音量で流れるテレビのバラエティ番組による無機質な笑い声に掻き消される。
転がったビールの空き缶を苛立ちのまま踏み潰し、僅かに残った中身で靴下が濡れた不快感に顔を顰めた。
「あの退治屋の娘も手を出すな、その辺のやつも駄目。あれも駄目これも駄目! 綻は我侭だ。……あぁ、しかし、其方の母君は食って良いらしい」
どう思う?と歪んだ笑みを浮かべて向けた視線の先には、まだ就学もしていないような幼子がぐったりと横たわっている。
幼子の体には鬱血跡や打撲痕が痛々しく刻まれ、生気のない目でぼんやりと虚空を眺めていた。か細い呼吸音の度に僅かに上下する胸がなければ死体と見間違うような姿。
この傷は、徒花がこのボロ屋へ侵入する前から、……綻が“ストック”とする前から拵えられていたものだ。
「ふん、眷属の陳情を跳ね除けるほど小さい器ではないがな。童や、いいか、朝日が昇ったらこの板……あー、すまほ、とやらで電話をするんだ。いち、いち、まる、だ。ここの、緑を押したら御役御免、其方は我が眷属から除名される。いいな?」
赤の一眼に見下され、起き上がることもしないまま、頷く幼子に徒花は満足そうににんまりと笑った。
徒花は神代より堕ちた御刀。怪や赤ならいざ知らず、力の無い女子供程度ならば、薄皮一枚でも刃で撫でてやれば容易く傀儡と化せる。
例えば通りすがり、肩をぶつけたときにでも。やりようはいくらでもあり、実際この母子をそうしていつでも傀儡に出来る様に準備していた。
徒花としては手間がかかる方法で、綻がここまで“徹底”するのも神経質が過ぎるのではと不満ではあるが、現代では人ひとり殺すにはここまでするのが普通だという。
小腹を満たすのにも大仰な事だと溜息を吐きながら玄関へ足を向ける。
通り過ぎた浴室から出しっぱなしにされた湯水の熱がこもった湿気にまとわりつかれる。明日には首を掻き斬った“自殺死体”が湯船に沈んだ状態で発見されることだろう。
「我が出たら全ての扉を施錠しろ。鎖もだ。今夜の来客は誰もいない」
歌うように朗々とひとり語る。
知り合いの家から帰るときのように気軽に靴を履いて玄関から出ると、ひとりでに扉は鍵を回し内側からチェーンのかかる音。街灯が点滅し、道中申し訳程度に設置されていた監視カメラにノイズが走る。
彼女は付喪の姫宮。その“お願い”を拒める老獪なる物はなく、ひとり女に訪れた真相を物語れるものもなし。
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