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>>37
【春一／洞窟】
「へっ？」
少女の上目遣いに春一の胸が高鳴り、頬が紅潮する。
クラスにも女の子はいるけど、大体自分をいじめるかいじめが起こっていても知らんぷりをする子ばかりだったし、これほど可愛い子と関わることなんてまずなかった。
「小尾竹……です。小尾竹、春一……」
何故か敬語を使ってふわふわとした気持ちのまま自己紹介して
しかしすぐにはっと気が付く。
「（これ、もしかして怪しまれていないか？）」
こんな洞窟に濡れ鼠の男が一人いるなんて、だれがどう見ても怪しいだろう。
名前を聞いてきたのも、ただ不審者がいると思ってのことかもしれない。
その考えに行き付いた途端、さあっと体から血の気が引く感覚がして
「あっ、ちがっ、俺気が付いたらここに流れ着いただけで！　ああ、怪しいものじゃっ！」
彼女の思いに気づかず、あたふたとしながら弁明を図り