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>>12心ちゃん

　彼女の言葉に目を丸くして、それから、自虐的な笑みを浮かべた。

「へえ。音羽は、ウチの名前笑わないんだねー」

　ひと呼吸おいて、流れゆく灯籠に視線を移しながらそぷらは続けた。

「だって、めっちゃウケない？　ウチの親のネーミングセンス。天と音がなんでそんな読みになんだよ、頭湧いてるピーポーなの？　ってさ。湧かせるのはフロアとお風呂だけにしとけ卍！　って感じしない？　……ま、しないから、そう言ってくれたんだよね」

　音羽は優しい人だ。死に際に合う誰かがこんな感じの女の子なら、安心して逝けそうだ。
　……いやまて、さっきそぷらが帰りたいならどう、などと口にしていなかっただろうか。帰れるの？　私は死んだのではないのか？

「てかここどこなん？　ウチ、もしかして……死んでないの？」