オリジナルなりきり掲示板
- Re: 徒桜バーコード【〆切り】【色々書き足しました】 ( No.21 )
- 日時: 2021/01/07 12:11
- 名前: ヨモツカミ (ID: SDPjcky.)
【とあるふたりの会話】
「そいつもバーコードなのだろう? 〈能力〉はなんなんだね」
「いやいや、それもよくわかってないんだよ。目が合っただけで命を奪われるとか。そもそも出会ったが最後、証言をできるやつは大抵死んでるからな。運良く生き残ったやつは、その死神はカイヤナイトの裏切り者じゃないか、なんてのたまわってるらしいぞ。なんでも、突然剣で切りつけられたらしくて、右腕を切り落とされたって。あの動きは戦闘訓練を受けたハイアリンクと同じものだってさ」
「カイヤナイトなら、全員が青い首輪をしているだろう。その剣術とか、目撃証言に近い隊員を処分してしまえばすむ話じゃないのか」
「上の人達が探し回ったけど、死神と特徴が一致するバーコードはいなかったそうだ」
──だとしたら、その“死神”ってのは、何者なのだろう。
【とある少女のモノローグ】
親を憎んだ。運命を呪った。世界を壊したかった。
だから復讐のために、全てを壊したのに。
彼女は笑って手を差し出した。
宵闇の瞳に映るのは、儚くも美しい桜色。揺れる紅玉に、ワタシはどのように映っていたか。
彼女はいつも嘘をついている。希薄な笑顔も、口にする言葉も、手にした刃の殺意すら。そこに、彼女の感情は伴っていない。
いつも彼女は彼女自身を殺している。死んだ彼女が、そこいらに転がっているようだ。死屍累々。うず高く積み上がった死骸の彼女らと目が合ったように錯覚する。淀んだ紅の瞳には何も映っていない。最初から、彼女はワタシのことなど見ていなかったのだ。
きっとこの、漆黒の双眸。それだけが彼女の興味の対象なのだ。同じ漆黒に呪われた彼女にとって、ワタシの瞳だけが目に映るのだ。
だとしても、構わなかった。
彼女はワタシの手を取ってくれたから。死を待つだけの、ただの子供だったワタシの。
きっと彼女はワタシのことなど、なんとも思っていないのだ。永い時の中で偶然出会った、ただの翡翠バーコードなどを、いちいち気にしている暇はない。
それでも良かった。彼女の隣が、ワタシの居場所だと。ただはっきり言える。
彼女はワタシのことを太陽のようだと口にした。宵の瞳と、太陽の色の髪を持つから、あなたがそこにいるだけで昼と夜がやってきたみたいだ、と。
桜色のあなたはを照らす太陽。桜色のあなたを美しく魅せる宵。そのどちらかであれることは、誇らしい。
そうそう。夜桜の風情を引き立てるために焚かれる炎のことを、花篝というらしい。
ワタシはいつか。あなたのための花篝になりたい。
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