オリジナルなりきり掲示板
- Re: 徒桜バーコード【〆切り】【色々書き足しました】 ( No.28 )
- 日時: 2021/01/10 19:39
- 名前: ヨモツカミ (ID: EAhWcc2P)
>>27紫月さん続き
「ふふふ、手負いの獣って感じだね? そんなに警戒しなくていいのに」
オレンジの髪の彼女と少年の緊迫した空気。それを打ち破るような、明るく陽気な声が響いた。この場にはあまりにも似つかわしくなく、仄かな不気味さすら孕んでいるような。そんな声が。
姿を見せたのは、桜色の髪を後頭部の高い位置でリボンのような形に結び、前髪を編み込んだ少女だった。紅色の大きな瞳に、少女らしい声質。少年よりは年上のようには見えるが、纏う雰囲気のせいで、年齢がよくわからない。ちなみにオレンジの髪の女は二十歳前後に見える。
桜色の少女は首に巻いた赤紫のマフラーに手を当てて、薄く微笑んだ。
「こんばんは。私達はあなたを助けるために探してたんだよ。だから、ね? 安心してよ。そんな危ないものは下げて?」
口調は優しく、やはり年相応の少女らしさがある。……はずなのに、どうしてこのヒトはこんなに不気味なのだろう、とオレンジの髪の女は思った。
「やはり、どう考えてもワタシ達怪しいですよ。そんな言い方では、彼の信頼を得るのは難しいのでは?」
「そうかな。じゃあ、ロストちゃんならどんな言い方するの」
オレンジの髪の女は、ロストという名のようだ。失う、という意味を持った単語だというのは、流石の少年でも知っているだろう。だから、変わった名前の女だ、と思うかもしれない。
ロストは桜色の少女に訊かれると、肩を竦める。
「そう聞かれましても。ワタシは見た目からして怪しいので、何を言っても無駄ではないでしょうか。とはいえ、あなたもまた、雰囲気が不気味なので……さて、どうしたものか」
少し悩む素振りを見せつつ、ロストは少年に向き直る。
「あー、ええと、少年。ワタシ達はお前に危害を加えるつもりはない。だが、抵抗する場合は、こちらもそれ相応の、」
「あはは、ロストちゃん。それ、脅迫だよー」
「うう、申し訳ございません……やはりワタシにこのような事は難しいです」
「困ったねえ。ねえ君、とりあえず武器を降ろしてくれるかな?」
全く困ってなさそうに笑いながら、少女はそう言った。
それから、少年が何か反応を見せる前に、少女はゆったりとした足取りで少年との距離を詰めてくる。
総合掲示板
小説投稿掲示板
イラスト投稿掲示板
過去ログ倉庫
その他掲示板
スポンサード リンク