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Re: 徒桜バーコード【〆切り】【色々書き足しました】 ( No.29 )
日時: 2021/01/11 16:30
名前: 紫月 ◆GKjqe9uLRc (ID: w1UoqX1L)

>>28続き
 
 「ふふふ、手負いの獣って感じだね? そんなに警戒しなくていいのに」
場違いな程、明るく陽気で、楽しんでいるような声に僕は眼を見開いた。
 警戒するな、と言われてもこの状況を楽しんでいるかのような何処の誰かも分からない女達に警戒心を解ける馬鹿が何処に居るんだと僕は汗が頬を伝う中、目を細めた。

 「こんばんは。私達はあなたを助けるために探してたんだよ。だから、ね? 安心してよ。そんな危ないものは下げて?」
薄く優しく微笑む桜色の髪の……何歳かは検討が付かないが大体自分自身より年上だろうと思い、下げろと言われたナイフを握る力を弱めるも、やっぱり安心出来ないと強めるのを繰り返してしまう。
 「やはり、どう考えてもワタシ達怪しいですよ。そんな言い方では、彼の信頼を得るのは難しいのでは?」
「そうかな。じゃあ、ロストちゃんならどんな言い方するの」
失うという名の二十代前後の女、変な名前だ。そんな名前を付ける奴がいるかと思いながらも自分だって名前が248。と言う番号じゃないかと皮肉を感じ、唇を軽く噛む。
 番号よりかは、ロスト、と言う名の方が良い。羨ましいと素直に思う。

 
 「あー、ええと、少年。ワタシ達はお前に危害を加えるつもりはない。だが、抵抗する場合は、こちらもそれ相応の、」
笑いが起こるようなダラダラした逃走中だと忘れるような会話に呆れつつあった僕は声をやっと掛けられ顔を上げる。
抵抗するなら此方も容赦はしない、と桜色の少女が脅迫だと突っ込んだことを口にするロストは申し訳なさげに謝っていればもう一度声を掛けられ。

 「困ったねえ。ねえ君、とりあえず武器を降ろしてくれるかな?」

困ったというも全然そんな表情を浮かべてない少女に恐怖を覚え、こんな状態でも無理をしてまで逃げようか迷っていればゆったりとした足取りで距離を詰めて来て。
 「ッ………、………わッ、わかった」
自分の安全がやはり大事だと、逆らったら何をされるかは分からないと身の危険を感じ渋々、ナイフを地面に置いたところをちらりと睨んで見せて。