オリジナルなりきり掲示板

Re: 徒桜バーコード【〆切り】 ( No.45 )
日時: 2021/01/17 14:53
名前: 紫月 ◆GKjqe9uLRc (ID: w1UoqX1L)

>>41続き

 「そのくらいか……。正直もっと、君があのヒトのことをボロクソに言うのを期待していた」
鼻で笑って口角を上げるロストに僕は眼を見開いた。

 え? これ以上言っていいの??? ええ、どうどう、え??

と頭がフリーズした。あの女の事、悪く言っていいの、一緒に居るのにどういう事と眼を瞬かせ思う。

 「……というか、もっと言え! その程度でいいのか? あのイカレピンクに話しかけられて、もっと思うことがあっただろう!? 気持ち悪いとか、薄気味悪いとか、変な髪型だとか、目が笑ってないのに笑顔を作るからちょっと気持ち悪いとか、お片付けだのお利口さんだの、言葉遣いが鼻につくとか、ヒト使い荒いし、すぐ自分の名前忘れるボケ老人で、あのさつまいもみたいな色のマフラーのババ臭さったらないわ、現代のファッションについてこれてないのに若作りした髪型とか、気持ち悪いし、なんというか、もう、上げたらきりがないが、全体的に典型的な老害のそれって感じで……!」
急に声を荒げて話し始めたロストに圧倒されひええと内心恐怖で震える僕はかちんこちんに固まってしまう。まるで赤に突進する牛のようだ。
「は、え……あ、えと」
口を金魚のように開閉させていたらロストは満足したように息を吐いた。
 
 
 イカレピンク、魔女とあのエルファバの事を称したロストは思惑に踊らされるな、僕を拾ったのには裏があると言い切った。
「………え、えと……僕はヒトに面倒臭い好きとか感謝何てそんな感情、持たないよ。両親に売られた時点で、僕はもう感情なんかなくなってる」
きっとあの家に置いてきたんだろうね、と僕は薄く笑えば向き合って。

 「普通のヒトならもしかしたら……ってこともあったと思うけど君や魔女、そんな奴らに抱けると思う? そんな生ぬるい感情何て、イカれた奴にさ」
エルファバはともかくロストも一纏めにイカれた奴と言った僕は気が付いて怒りださないか様子を窺うかのように見て。

Re: 徒桜バーコード【〆切り】 ( No.46 )
日時: 2021/01/18 18:13
名前: ヨモツカミ (ID: xbduus1y)

>>45 紫月さん 続き

 ロストはクク、と短く笑った。

「そうか。簡単に絆されてしまわないようなら、安心した。ワタシのように、魔女に誑かされて取り返しのつかないことになるなんて、本当に愚かだからな」

 言いながら、ロストは目元に巻いていた黒い布に触れる。

「……名前。お前はあのヒトに名前をもらう約束をしていたな。忠告しておくが、多分あのヒトはとても真面目にお前の名を考えて、与えて、我が子のように可愛がるかもしれない。それでも絶対に、あのヒトの中に愛なんて無い。お前を駒として扱うだけなんだ。あのヒトがどんなにお前を大切に扱っているように見えたとしても、騙されるな。あのヒトは誰も愛せないし、切り捨てることに迷いがない。あのヒトに少しでも情を抱けば、苦しむのはお前の方だ」

 そうして、黒い布を引っ張った。スルリ、と容易く布は離れて、ロストの双眸が顕になる。
 黒曜石のような漆黒。全ての光を吸い込んでしまいそうな闇。吊目気味のその瞳は、混じりっ気のない完全な漆黒だった。
 この世界に黒い瞳をもったヒトなんて存在しない。真っ黒の瞳なんて、ありえない色なのだ。だからこそ、誰もがロストの目を見て、恐ろしいとか不気味だと感じる。
 つまりは、これが“欠陥”だった。ロストは翡翠バーコードであり、このおぞましい色の双眸が、翡翠バーコードたる所以。
 やはり、怖がられるだろうか。ロストは少年の反応を伺いつつ、目元を優しげに細めて、続けた。

「ワタシは、あのヒトを愛している。あのヒトの命令なら、なんだってやれる。あのヒトの都合のいい駒でも構わない。そんな思いが……こんなに苦しいなんて、知りたくはなかったがな」