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- Re: 徒桜バーコード【〆切り】 ( No.46 )
- 日時: 2021/01/18 18:13
- 名前: ヨモツカミ (ID: xbduus1y)
>>45 紫月さん 続き
ロストはクク、と短く笑った。
「そうか。簡単に絆されてしまわないようなら、安心した。ワタシのように、魔女に誑かされて取り返しのつかないことになるなんて、本当に愚かだからな」
言いながら、ロストは目元に巻いていた黒い布に触れる。
「……名前。お前はあのヒトに名前をもらう約束をしていたな。忠告しておくが、多分あのヒトはとても真面目にお前の名を考えて、与えて、我が子のように可愛がるかもしれない。それでも絶対に、あのヒトの中に愛なんて無い。お前を駒として扱うだけなんだ。あのヒトがどんなにお前を大切に扱っているように見えたとしても、騙されるな。あのヒトは誰も愛せないし、切り捨てることに迷いがない。あのヒトに少しでも情を抱けば、苦しむのはお前の方だ」
そうして、黒い布を引っ張った。スルリ、と容易く布は離れて、ロストの双眸が顕になる。
黒曜石のような漆黒。全ての光を吸い込んでしまいそうな闇。吊目気味のその瞳は、混じりっ気のない完全な漆黒だった。
この世界に黒い瞳をもったヒトなんて存在しない。真っ黒の瞳なんて、ありえない色なのだ。だからこそ、誰もがロストの目を見て、恐ろしいとか不気味だと感じる。
つまりは、これが“欠陥”だった。ロストは翡翠バーコードであり、このおぞましい色の双眸が、翡翠バーコードたる所以。
やはり、怖がられるだろうか。ロストは少年の反応を伺いつつ、目元を優しげに細めて、続けた。
「ワタシは、あのヒトを愛している。あのヒトの命令なら、なんだってやれる。あのヒトの都合のいい駒でも構わない。そんな思いが……こんなに苦しいなんて、知りたくはなかったがな」
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