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Re: 徒桜バーコード【〆切り】 ( No.53 )
日時: 2021/01/23 13:58
名前: ヨモツカミ (ID: joMfcOas)

>>49 紫月さん 続き

「僕が駒として扱わせられる? 笑わせるな」

 怒気を孕んだ声。ロストは目を見開く。
 こいつはワタシの漆黒の瞳を見ても、顔をしかめなかった。

「………僕は、一人で生きて行くと決めて脱走して君らと出会った。誰かの駒にはもうなりたくはないから危険を冒してこうやって傷だらけになってでも光を、自由を目指した。それがあの女によって壊され閉ざされるのならその時は、僕はあの女を君を、殺すくらいの気持ちだよ」

 一切逸らされない真っ直ぐな目。威嚇する猫みたいだと思った。
 その瞳を見返しながら、ワタシはワタシの苦痛を語る。愛してしまった。それが苦しいことだと。

「………“あい”か…………僕は、一生知ることはないな」

 数歩先を歩きながら、彼が言う。

「そんな感情、此処に売られることを知った日、あの思い出したくもない胸糞悪いあの人間達の家に棄ててきちゃったからさ」

 ──薄く笑う少年の目元は、潤んでいた。
 言葉というのは、いつも真実を紡ぐものとは限らない。それが、彼の表情の理由であり、ある意味では雄弁に事実を語っている。
 だからといって、深く詮索するべきではないだろう。彼を理解してはいけない。だから、何も気付かなかったことにして、ワタシは高圧的に笑ってみせた。

「お前、ワタシやあのヒトを殺すくらいのつもりだと言ったな。可愛らしい顔をして、しっかり強い意志を持っているじゃないか」

 漆黒の瞳でしっかりと映す少年の姿。それは、雨に濡れた迷子の子猫のようでもあり、どれだけ傷付いても静かに爪を研ぐ獅子のようでもあった。

「その時が来たら、是非ワタシたちを殺してみるがいい。肉の一片も残さず、塵にしてやろう」

(このまま特にやりたいことがなければ場面転換します。
山を少し進んだところにある廃墟同然の小屋に移動して、手当てして、エルファバが帰ってくるのを待ちます)