オリジナルなりきり掲示板
- Re: 徒桜バーコード【〆切り】 ( No.56 )
- 日時: 2021/01/24 17:23
- 名前: ヨモツカミ (ID: dzc33jqI)
【心さん・日馬さん/双子編】
美しいものや珍しいものに囲まれることが至高だった。
金は暗がりを照らす明かりの代わりに火をつけて使い捨てたって、一生この生活を続けたって無くならない。もう、全ての娯楽のために金を使い切ったような気がするが、それでもなくならない。逆に退屈になるほどに。中年の小太りの男、カラバッサは人生に飽きるほどの富豪だった。
酒、女、薬物、あらゆる娯楽を味わい尽くした先にカラバッサが見つけた楽しみ。それは“モノ”の収集だった。
「おはようございます、主様」
「カラバッサ様、おはようございます!」
「ご主人様、ご機嫌麗しゅうございます」
「おとうさま、おはよう」
使用人達や娘が口々に声をかけてくるので、カラバッサは満足げに笑う。
あらゆる美術品や宝石は勿論。カラバッサはヒトの収集も愉しんだ。造形の美しい女。珍しいオッドアイの瞳を持つ少女。見た目が良かったために養子として引き取った娘。奇形の男。
それから、数体のバーコード。例えば、元カイヤナイトの男。脱走兵だったが、商人に捕らえられて、カラバッサが買い取ったのだ。他にも紅蓮バーコードを数体。起きている間は絶え間なく殺人衝動に突き動かされて危険なため、基本的に地下に閉じ込めて薬で眠らせている。暇なときに紅蓮バーコード同士を殺しあわせて殺戮ショーを観賞して愉しむのだ。その他にも翡翠バーコードが数体。それらを使用人として働かせたり、観賞用に着飾って可愛がったり。
そんな中でもカラバッサが特に気に入っているのは、見目麗しい双子の少年達。なんと、2人とも翡翠バーコードなのだ。これはとても珍しいし、美しいブロンドと宝石のような紫の瞳。少女と見紛う程に整った顔立ちも芸術点が高い。翡翠バーコード故に、色々不安定な存在であるが、自分達の〈能力〉に苦悩する双子の姿を眺めるのも愉しみの1つと言えた。
兄のカナリアと、弟のヒワ。ヒワの方は翡翠バーコードの欠陥てして、右眼が存在しなかったので、エメラルドでできた義眼を与えた。柔らかい金糸に緑はよく映える。
買った当時は着せ替え人形のようにして使っていたが、最近は使用人として働かせている。ただ、少年用の服を与えてもつまらないので、メイド服を着せてみたが、今後そっち系の娯楽もありなのではと思うほどに、似合ってしまっていた。
カナリアの方はちっとも懐かないし、〈能力〉の関係上口数が少ない。カラバッサのことをよく思ってない故に、それがよく表情に出ているが、その反応もまた愛らしく思える。ヒワは喜怒哀楽をよく表に出す素直な子で、なによりも割とメイド服の着用を楽しんでいるらしく、それがなんかもうめっちゃ可愛いぺろぺろ。ほぼ見分けがつかないが、そういう行動や性格ですぐに違いがわかるので、そういった双子の違いも見ていて愉しかった。
「みんな、おはよう。さて、今日も一日業務に励みなさい。エミーはこっちにおいで」
カラバッサが使用人達に挨拶をしてから、娘を呼ぶ。8歳の、アプリコットの髪と淡桃色の垂れ目がちの愛らしい少女、エミー。──まあ、彼女も群青バーコードなのだが、美しい〈能力〉を使うので、自分の娘ということにして可愛がっている。
「なあに、おとうさま」
「エミーはピンク色が好きだったね。それに私の元へ来てから今日で丁度1年が経つ。だからね、エミーのためにプレゼント。“お人形さん”を用意したんだよ」
目を丸くするエミーを横目に、例のものを、とカラバッサが口にすると、使用人の1人が車椅子を押してやってきた。
そこに座らせているのは、15歳前後の少女だ。桜色の長い髪は緩く巻いて整えられており、目立つ大きなリボンのカチューシャをつけている。白と水色を基調としたロリータワンピースはよく似合っており、あとは微笑みの1つでも浮かべていればもっと可愛らしかったのだが、薬の効果でそうもいかない。瞳は開いているものの、その紅色には虚ろな光が灯っている。
「可愛いお人形さんだろう? この子もバーコードなんだけど、なんだか特殊なバーコードらしくてね……」
正直、娘にプレゼントするならもっとマシなお人形さんくらい、いくらでも売っていたのだが。この少女はやたらと高価な値段がつけられており、商人に理由を訊ねると“死神”と呼ばれる、不老不死のバーコードだ、などと聞かされた。ならば目の前で殺してみせろとカラバッサは言ったが、とても危険な〈能力〉を持っているために、薬で思考力を奪っておかないとどうたら、と説明を受けた。
心臓の上に刻まれたバーコードの色は紅蓮でも翡翠でも群青でもない、漆黒。体の至るところに縫合痕があり、見た目が良いとは言い難かったが、価値の高い物だと聞かされては、手に入れないわけには行かない。そういうわけで購入したのだが、数時間に一度薬を投与して、思考力を奪わなければ何をしでかすかわからないとか、一応薬の効果が切れた時の危険を減らすために、両足は切り落とされていた。そうなると、使用人として使うわけにも行かない。というわけで、娘の人形としてプレゼントするか、と考えたのだ。
エミーがこのプレゼントを気に入らなければ、そのときは適当にカラバッサの人形として飾っておくか、最悪手放しても良かった。
「……わあ。おとうさま、ステキなおにんぎょうさんね。うれしい!」
エミーは笑う。喜んでくれたようだ。
「良かった良かった。それじゃあ、エミー、その子を大事にするんだよ? じゃああとはカナリア。頼んだからね」
双子の兄であるカナリア。理由はよく知らないが、エミーが彼のことをやたらと気に入っているために、エミーの身の回りのことはカナリアに任せることが多い。購入したお人形さんに投与する薬剤のことや、車椅子の移動などは、全てカナリアに任せようと考えていた。
「やった! カナリア、ワタシのヘヤにいきましょう」
エミーがカナリアに笑いかける。返事をして、車椅子を押し、エミーについていくカナリアを見て、ヒワがカラバッサに甘えるような視線を向ける。基本的に、この双子は共に行動したがるのだ。
「ふふ、わかってるよヒワ。エミーたちについていくといい」
カラバッサの承諾を得ると、ヒワは嬉しそうに彼らのあとを追いかけたのだった。
【今の状況】
・エミーがカナリアに懐いている理由は、恐らく〈シャルボイス〉で魅了されたことがあるから。効果が切れたあとも、なんとなくカナリアが気になって、勝手に懐いた。でもヒワの方が愛想がいいので、ヒワのことも気に入っている。
・エミーがカナリアを気に入っているので、ともに行動することが多い。カナリアが口数少なくて、弟にしか興味なくても、エミーが一方的に話しかけてくる。エミーがカラバッサに話せないことも、カナリアに話すことが多々ある。多分カナリアに話してもまともに相手をしてもらえないから、結局ヒワに話すことがある。
・エミーが群青バーコードであることは、カラバッサとカナリア以外知らない。養子であることもそんなに知られていないが、使用人の何人かは察している。
・エミーはあまりカラバッサを好いていないし、使用人の扱いの酷さや金に物を言わせて好き放題してるところも嫌い。だが、自分の居場所を失うわけには行かないので、カラバッサの前では理想の娘を演じている。エミーがカラバッサを好いていないことについては双子も察している。
・車椅子の少女は両足を切断されているため、それを隠せるように丈の長いドレスを着せられている。今は薬の効果で虚ろな目をしており、受け答えもしないが、薬の効果が切れ次第普通に意思疎通が可能となる。しかし、それをさせないように、とカナリアは命令を受けており、薬品の入った注射器を何本か持たされている。
・少女の詳しい情報について知るのはカラバッサのみ。特殊なバーコードであること、薬品を定期的に投与しなければならないこと、両足が切断されていることから、少女が何らかの危険な存在であることは、双子もエミーも察している。
・エミーが自室に向かって歩いていて、カナリアは少女の乗った車椅子を押しており、ヒワはそれを追いかけているところ。他の使用人等は皆カラバッサの元へ集まっているので、エミーの部屋へ向かう感は4人だけの時間となる。
・カナリアやヒワ、その他の使用人がカラバッサに逆らわずにいるのは、カラバッサに完全に服従している元カイヤナイトである群青バーコードのポチという男、能力は〈ケルベロス〉という、番犬みたいなやつが怖すぎるから。ポチは過去にも逆らった使用人を何人も始末している。その他にも、カラバッサが気に食わない態度を取ると、酷い目に合うし、逆に良い子にしていれば美味しいご飯も暖かな寝床も与えられるし、労働環境はけしてブラックではないため、逆らおうと考える者が少ない。
(こんなところかしら。その他、知りたい情報があれば何でも聞いてください。それではお好きなように開始してください。
あとあれ、私が見やすいようにするために、>>数字 続き、みたいなやつつけるのをお忘れなく。)
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