オリジナルなりきり掲示板
- Re: 徒桜バーコード【〆切り】 ( No.61 )
- 日時: 2021/02/02 17:28
- 名前: ヨモツカミ (ID: GC8OxdMB)
>>60 紫月さん 続き
小さな悲鳴。それからある程度の質量があるものが崩れ落ちる音。でも、次から次へと有象無象。
銃撃は痛いから嫌だとは思ったものの、うまく避けきれなかった。発砲音がやかましいところも好きじゃない。
四肢が撃ち抜かれて、立っていられなくなったところに、勝ち誇った様に注ぎ込まれる弾丸の嵐。硝煙の臭いが辺りに広がる。
歓声。そして数秒後に悲鳴。バケモノだ。誰かがそう言う。
ええ、その通りだよ。
そうやって笑って、残りも片付ける。
辺りが静かになった。
さあ、帰ろう。何事もなかったみたいに森の中を進んでいく。暗くて何も見えないし、迷いそうだと、少女は思う。
ガサ、とすぐ近くで何かが動く気配がして、思わず足を止める。出てきたのは、ただの猫だった。こちらをひどく警戒している、しなやかな四肢の足運びを見て、何かに似ていると思った。撫でたいと思って接近すると、シャーッと威嚇されてしまう。しばらく睨み合っていたが、猫のほうが興味を失ったみたいに去っていった。
猫。そうだ、あの少年に似ていた。でも彼は、ただの猫で終わらないだろう。彼の秘めるものは、もっと気高く、力強い生命力。とある物語の百獣の王の姿が浮かんだが、それとはまた違う。もっと、仄暗いもの。そうだ、その物語の悪役。それの纏う空気が、一番彼にふさわしい。
「私達が生きるためには、悪役にならざるを得ないものね」
***
森の中にあった、古びた小屋。こんな山で態々暮らすヒトはいないと思うので、登山したヒトのための避難用の山小屋か、その他の用途があるのか。とりあえず、雨風を凌いで寝食をするのにちょうど良かったので、ロストとエルファバは少しの間、ここを勝手に借りて生活していた。
血のあとを拭き取って、まだ出血の止まってない傷は消毒して止血。体中の傷には薬を塗りこんで。消毒液や薬が多少傷に滲みたかもしれないが、ロストは慣れた手付きで少年の傷の手当を済ませた。
「ふふん。無駄に包帯を消費しすぎることもなく、手際よく熟れた手付きに驚いたか? ミイラ男にでもされるかと思っていたのかもしれないが、ワタシは消毒液も薬も湿布も包帯も無駄に使い過ぎないんだ。勿体無いからな」
さて、疲れたから寝る準備でもしようか。そう思ってロストは立ち上がる。自分よりもこの少年にこそ休息が必要だろう。何か食べさせて、さっさと寝かせて、さっさと傷を治すべきだ。
そんなことを考えていると、コンコンココンコン、と特殊なノックの仕方でドアを叩く音がした。エルファバが帰ってきたのだ。これは、万が一見知らぬ者がドアを叩いたときにすぐに警戒態勢に入れるように、ロストとエルファバで、扉一枚挟んでいてもお互いであることがわかるようにと決めた、2人にしかわからない合図のようなものだった。
【情報】
・あなたはとりあえずロストに手当をしてもらって、薬や消毒液が滲みるかもしれないが、銃創などが剥き出しの状態ではなくなったし、夜風の当たらない室内に移動できたので、さっきの状態より楽にはなっただろう。
・小屋の中は弱めの灯りで照らされている。机と椅子、暖炉、二人分の寝床、毛布数枚、非常食的なもの、水、とかがある。暖炉は帰ってきた瞬間にロストが火をつけたので、暖かい。
・まだ体の傷が痛むかもしれないが、それよりも命懸けで逃亡したことや、沢山出血したこと、ついでに部屋が暖かいし、溜まっていた疲れがどっと押し寄せてきて、眠くなってきているかもしれない。
・そんなとき、突然少し変わったリズムで、小屋のドアがノックされた。
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