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>>89、>>91/日馬さんよもさん

　エミーの纏う雰囲気、表情といったものが、じわりじわりと変化していくのを感じて、ちらりと視線を彼女に投げる。不快感に染まった表情。ざわり、と胸の奥が波立つのを感じて、ぎゅっと服の裾を握っては俯いて。
　死にたい、とか。死ねば楽になるのか。
　それはただの逃げであって甘えのように思えて、血反吐を吐くような思いをして自分を守ってくれた兄が、まるで汚されているように思える。
　そう考えているうちに、主は兄へ「殺して」と命令を発していた。
　
「お兄ちゃん……、」
　
　正直に言って、怖くないわけがなかった。
　
「僕には分からない。こいつの気持ち、わかんない……。必死になって今まで生きようとしてきたんだから、分かるわけない……！」
　
　半ばかすれた声音で、うすく得体の知れないものに対する恐怖を滲ませていて。殺さないでとも殺してとも言わない、曖昧な言葉になっていて