ALLジャンルのオリジナル小説、ライトノベル、二次創作小説、ss小説やイラスト投稿なら「小説☆カキコ」

>>92>>95　てぃむさん心ちゃん　続き

　ダン、と発砲音が響く。それはビリビリ、エミーのと鼓膜を震わせた。カナリアが、少女の脳天を撃った。
　カナリア、銃なんて持っていたんだ。ぼんやりと思いつつ、頭部から血を流す少女を見つめる。
　気持ち悪いから殺してあげて、の一言で本当に殺された。そうしたら、死体が残る。血痕も残る。自分の部屋にそんなものがあるのは気持ちが悪い。

「こ、これ……おとうさまのところにかえしてきて。ワタシ、これは好きじゃなかったって、つたえて」

　カナリアとヒワ、どちらでもいい。この死体を部屋から遠ざけたい。そう思っての発言だった。

「──殺してくれてありがとうね。助かったよ」

　声がした。何処から。あの死体から。
　エミーはギョッとして少女の方を見た。
　心臓の辺りが、ドレス越しでもわかるくらい、鈍く黒い光を放っている。そうして、出血が映像を巻き戻すみたいに頭部の傷に戻っていく。最後にカラン、と音を立てて弾丸が床に落ちる。
　何が起こったか分からずに目を見張るエミーに、桜色の少女は笑いかけた。
　信じられないが、少女はどう見ても普通のどこにでもいる少女のように微笑んでいる。
　死んだはずなのに、生き返ったのだ。