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【フェヌSide】
今にも掴みかかってきそうなラオネに、フェヌは頬に手を当てて困ったように眉尻を下げる。

「事実、星の力を持っていたのです。恐らく、雷に類する力で御座いまして……ラオネもご存知かとは思いますが、互いに無傷で終わるような戦いはそうそうありませんわ」

向こうの被害状況は正確には把握してない。
負傷していたかどうかなど興味のないこと覚えていなかった。だが。

「ただ、殺してはおりませんよ。ええ、こう言ってはなんですが、仕留めそこねました。致命傷も負ってないはずですよ」

【空亡Side】
「おっと」

くしゅん、とルカのくしゃみに失敗失敗と頷く。そして、ぐりんと機械少女へと空亡の、相変わらず意思の読めない視線が向く。

「あなたが寒くないのは素敵なこと。でも、ルカは寒いみたい。だから、中へオジャマシマスするといい」

空亡は狼狽えたような相手の素振りに構うことなく、そう言いながら開け放たれた窓を指差した。